このページの本文へ

Adobe Premiere 6.0 日本語版

Adobe Premiere 6.0 日本語版

2001年03月21日 21時33分更新

文● 伊藤裕也

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

ツールやインターフェイスの拡張もバッチリ!

 今回のバージョンアップではDVサポートばかりが注目されがちだが、ビデオ編集関連の各種ツールと、そのインターフェイスもさまざまな強化が行われている。主だったものについて、順に紹介しよう。

プロジェクトウィンドウ
プレビューエリアをウィンドウ上部に新設した「プロジェクト」ウィンドウ。ツリー表示の採用によりデータを管理しやすくなった。

 まずはプロジェクトで扱う素材を管理する「プロジェクト」ウィンドウ。新しいプロジェクトウィンドウでは素材のクリップを表示する「ビンエリア」がツリー表示可能になり、素材を種類ごとに管理できる。また、登録したビデオクリップやオーディオクリップのプレイバックを行えるプレビューエリアが新設されている。プロジェクトウィンドウに登録した素材の確認がよりスムーズに行え、内容の確認のためにわざわざウィンドウを開く必要はもはやない。



ストーリーボードウィンドウ
ストーリーの確認に重宝する「ストーリーボード」ウィンドウ。登録したビデオクリップの入れ替えも、ドラッグアンドドロップで簡単に行える。

 続く「ストーリーボード」ウィンドウは、複数のビデオクリップを効率よく扱うために新しく搭載されたウィンドウ。ビデオクリップをリスト順に連結し、その結果をタイムライン、もしくはビデオ(TVモニタ)に出力する。用途としては、本格的な編集を行う前の段階における“大雑把なストーリーの確認”と、キャプチャした複数のビデオクリップの連続プレビュー(デバイスコントロール可能なビデオ機器がある場合)の2つだろう。ちなみにストーリーの確認は、その結果が満足できるものであれば、そのままタイムラインに流し込むこともできる。タイムラインに出力する場合は、クリップ間にトランジションエフェクト(場面転換の際の効果)を組み込むことも可能だ。特に数多くのクリップをタイムラインに流し込まなければならないような状況で重宝する。



モニタウィンドウ
「モニタ」ウィンドウ。ソースモニタのインポイントが、上と下で少しずれていることに注目。上がビデオの設定で、下がオーディオの設定だ。

 素材となるビデオクリップや編集中の映像を表示する「モニタ」ウィンドウでは、マーカの拡張を行っている。具体的には、ビデオクリップに設定するインポイントとアウトポイントを、ビデオクリップを構成するビデオとオーディオそれぞれに対して個別に設定できるようになった。この拡張により従来からサポートしていた3ポイント編集(※1)・4ポイント編集に加え、さらに5・6ポイントによる編集にも対応できるようになった。

※1 3ポイント編集 素材となるクリップを扱う「ソースモニタ」と、タイムラインの映像を表示する「プログラムモニタ」という2つのモニタを活用して行う編集方法のひとつ。一方のモニタでインポイントとアウトポイントを、もう一方のモニタでイン、もしくはアウトポイントを指定、つまり合計3つのポイントを指定したうえで映像の転送を行う。たとえば、ソースモニタでインとアウトを設定し、プログラムモニタのある場所でインを設定、その状態でソースモニタの映像をプログラムモニタに転送すると、ソースモニタで範囲指定したシーンの先頭をプログラムモニタのインポイントに滑り込ませることができる。複数のビデオ機器を用いて行うビデオ編集で一般的だ。ちなみに4ポイント編集というのは、ソースモニタとプログラムモニタの両方でインとアウトを指定する編集方法。



タイムラインウィンドウ
「タイムライン」ウィンドウ。キーフレームの設定は、ビデオクリップのサムネイルを表示するトラックの下に表示される補助トラックで行う。補助トラックにある菱形のマークが、キーフレームの設定された場所だ。なお、オーディオトラックのキーフレームを設定する場所は、ゲイン・パンの設定と場所を共有しており。必要に応じて適宜切り替えることになる。
フィルタの選択
ひとつのビデオクリップに複数のフィルタを適用している場合は、補助トラックの先頭にあるボタンを押すことにより編集するフィルタの選択を行える。

 ビデオの編集に欠かせない「タイムライン」ウィンドウでは、オーディオのパンをタイムラインから直接指定できるようになったり、トラック設定を呼び出すボタンを新たに設けたりしているが、ここで特に注目したいのは「キーフレームのサポート」だ。というのも、Premiere 6.0ではビデオ・オーディオクリップに付加したフィルタのキーフレームを、タイムラインで直接編集できるからだ。
 仕組みとしては、ビデオ(もしくはオーディオ)トラックの下にキーフレームを表示する補助トラックを新設、そこにキーフレームを示すマーカーを付加したり削除したりすることで行う。このマーカーはマウスのドラッグによる移動も可能。5.1ではキーフレームの編集時にフィルタの設定ダイアログを開かなければならず、お世辞にも使いやすいものではなかった。それだけに、この機能強化は大いに歓迎したい。



シングルトラックモード
タイムラインのシングルトラックモード。A/Bトラック形式と比較して、すっきりと見やすいのが特長。

 また、タイムラインでは従来からあるA/Bトラック形式での表示に加え、AトラックとBトラック、そしてトランジションエフェクトトラックの3つのトラックを1つにまとめた「シングルトラック形式」の表示にも対応している。どちらを選択するかはユーザー次第だが、Premiere 6.0のガイドでは初心者にA/Bトラック形式を、ビデオ編集のイロハを心得ている人にシングルトラック形式を推奨している。これはA/Bトラック形式のほうがクリップの重なり合った部分を目で確認しやすく、トラックの調整を行いやすいからだろう。もちろん、慣れてしまえばシングルトラック形式でも気にせず作業できるようになる。

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン