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Kylix動作確認レポート

2001年03月16日 11時41分更新

文● 渡邉利和 (toshi-w@tt.rim.or.jp)

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今回は、Kylixをインストールしてみたようすをご紹介しておこう。今回は、Red Hat Linux 7.0JにField Test#4を日本語化したバージョンをインストールしてみた。

Kylixの動作環境は、

  • Linuxカーネル……2.2以上
  • glibc……2.1.2以上
  • libjpeg……6.2以上
  • Window System……XFree86等

となっている。なお、Field Test#4では配布されるすべてのファイルをインストールするためには、HDDに167MB以上の空き容量が必要だった。ファイルシステムは、シンボリックリンクをサポートしたものである必要があり、FAT、FAT32、SMB、Novell File Systemへのインストールはサポートされていない。

なお、現在一般的に利用されているディストリビューションで利用されているglibcには不具合が見つかっており、そのままではKylixが正常に動作しないことから、glibcのパッチも収録されていた。まずこのパッチを適用してglibcをアップデートしたあとにKylixをインストールしたのだが、パッチ自体はrpmファイルで提供されており、適用はごく簡単な作業だ。これはKylix特有の問題というわけではないので、将来のディストリビューションでは解決されると予想される。

日本語対応は、今回使用したバージョンでは関連するファイルのいくつかを置き換える、という形式で実現されていた。そのため、まず英語版のKylixをインストールし、完了後に日本語対応ファイルを上書きする、という手順を採った。ただし、これは当然現時点での暫定的な手順であろう。製品出荷時には最初から日本語対応版をインストールするインストーラが用意されるものと思われる。

KylixおよびDelphiでは、プログラミング言語としてObject Pascalを使用している。筆者もObject Pascalにはあまり馴染みがないのだが、実際問題、コンポーネントベースで開発を行なう最近のオブジェクト指向言語はどれもおなじようなものだといってよく、あまり苦労せずに修得できると思われる。

あまりにレベルが低くて申し訳けないが、Kylixを動かして5分で完成させたのが、テキストフィールド(Editコンポーネント)にテキストをタイプし、ボタンをクリックすると入力した文字列がラベルにコピーされる、という何の役にも立たないサンプルである。

Object Pascalを知らなくても、この程度のものならすぐに作れるということも、Kylixの生産性の高さの一例といってよいかもしれない。日本語版ということで日本語の文字列を入力してみたり、ボタンのラベルに日本語を使ってみたりといったこともやってみたが、現時点でもきちんと動作している。日本語版の製品出荷も、あまり長くは待たなくて済むのでは、と期待させるだけのできであった。

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