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NEC、高精細モジュール用TFT液晶ドライバーLSIを製品化

2001年03月13日 21時56分更新

文● 編集部

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日本電気(株)は12日、TFT液晶パネルの高精細化に対応するため、モジュール内部のデータ伝送の高速化や低EMI化を図った高速インターフェース“CMADS”(Current Mode Advanced Differential Signaling)を独自開発し、これを採用したTFT液晶ソースドライバーLSI『μPD160000シリーズ』のサンプル出荷を8月から順次開始すると発表した。

『μPD160000シリーズ』のサンプル写真
『μPD160000シリーズ』

CMADSは、2本の信号線の電流差を利用してデータを伝送する電流モード差動電流方式で、液晶モジュール内のデータ伝送を高速化するインターフェース。従来のCMOS(最大約65Mbps)では、100Mbpsを超えるデータ伝送速度が必要となる、高精細(UXGAなど)、多階調(8bitなど)のTFT液晶パネルではパラレル伝送方式をとらざるをえなかった。そのため回路基板上の信号配線本数が100本程度まで増加し、6層以上の多層基板が必要となっていた。さらに、EMI(電磁妨害雑音)ノイズを防止するため、液晶モジュール内の信号配線上に多数のEMIフィルターが必要だった。

CMADSインターフェースのデータ伝送速度は最大350Mbpsで、324Mbps(162Mbps×2)の伝送速度が必要となるUXGA(1600×1200ドット)まで対応できるうえ、信号線の本数を従来の4分の1程度に、基板も4層以下にできるという。また、信号の電圧振幅を3.3Vから10分の1以下(0.1~0.2V)に抑えることで、EMIが従来の3分の1以下になり、EMIフィルターやダンピング抵抗も省略できるうえ、出力回路も簡略化できたという。それにともない送信側のLSIであるタイミングコントローラの開発も簡略化できるようになった。

同社では、CMADS対応製品として、SXGA(1024×768ドット)対応384出力8bitのソースドライバーLSIより生産を開始し、12月以降、月産300万個の生産を計画している。なお、UXGA対応の8bit480出力、SXGA+(1400×1050ドット)対応の6bit420出力、XGA対応の6bit384出力などのドライバーLSIも順次開発を予定しているという。384出力8bit製品のサンプル価格は1000円となっている。

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