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誰でもアニメーションを学べる『アニメ塾』、4月2日にスタート

2001年03月12日 18時43分更新

文● 編集部 桑本美鈴

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(株)トムス・エンタティンメント(東京ムービー)と、アニメーション制作会社の(株)テレコム・アニメーションフィルムは10日、インターネットを利用したアニメーター育成/添削システム『アニメ塾』を4月2日に開始すると発表した。

アニメ塾は、アニメーター志望者を含む一般ユーザーや、プロの2D/3Dアニメーターを対象に、インターネットを利用してユーザーが作画したアニメーションの添削/検定を行なうシステム。アニメーション的な動きの“発想”(正しい原画)と“結果”(正しい動画)を習得することに主眼を置き、実際に社内教育で使用されている課題を受講者に提供、現役アニメーターがその添削と検定を行なう。塾長は『ルパン三世 カリオストロの城』などの作画監督で知られる大塚康生氏。

アニメ塾サイト
アニメ塾サイトのイメージ

受講者は、アニメ塾の公式ウェブサイトで受講IDとパスワードを入力し、受講者専用ページ“マイページ”にログインする。その後、マイページで用意されている課題一覧の中から、任意の課題を選択し、課題データを自身のHDD内にダウンロードする。ダウンロードした課題データは、受講者全員に無料貸し出しされる原画/動画作成ソフト『PencilMan School』(開発:(株)セルシス)でオープンし、このPencilMan Schoolを使って作画を行ない、課題をこなす。作画が終了したら、市販のファイル圧縮ソフトを利用してZIP形式かLHA形式のどちらかでデータを圧縮し、アニメ塾宛に送信する。提出した課題の添削および判定結果(A~Dの4段階)は3~5日後に受講者に送信される。

受講コースは、Aコース(初級者向け)、Bコース(中級者向け)、Cコース(上級者向け)の3コースが用意されており、入会時に行なわれるレベルテストの結果に基づき適性コースが指定される。料金は1コース5万5000円で、コースの終了期限は1年。期間内に課題をすべてAまたはBの成績で終了した受講者は“卒業生”と認定され、卒業証書と記念品が送られる。それ以外の成績で課題を期間内に終了した受講生は“課題終了者”として成績証明書が、期間内に課題を終了できなかった受講生には“期間終了者”として成績証明書がそれぞれ送られる。

現在、モーションキャプチャーや3Dで動きを作る技術が発達しているが、アニメーション的な動きの基本を知らなければアニメーションの作成は難しい。受講してもらうことで2Dや3Dのアニメーションの動きの発想を理解してもらいたい。

本日都内で行なわれた発表会で、テレコム・アニメーションフィルムの代表取締役社長である竹内孝次氏は、「アニメ塾によって、就学希望者と各種学校、アニメーション業界の接点を作りたい。アニメーション学校に行っていなくても、アニメ塾を受講することでアニメーションに興味のある人が自宅でアニメーションを勉強でき、アニメーション業界とコンタクトを取れる。また各種学校はアニメ塾を使って生徒を教育できる。現在のアニメーション業界での会社定着率は10~20%、業界に入ってきてもその作業についていく能力を持っていない人が多い。アニメ塾で実践に近いことをやっていれば、入社前に下準備ができるだろう」と説明した。

竹内氏と大塚氏
テレコム・アニメーションフィルムの竹内社長(右)と、アニメ塾塾長の大塚氏(左)

なおアニメ塾では、アニメーション会社に協力会社としての参画を呼びかけている。アニメ塾の共同運営や、キャラクターや課題などの素材提供を行なってくれる協力会社を募集しており、素材提供会社にはヒット数に応じて料金を支払うという。また、アニメ塾の受講歴を、受講者の了解を得てアニメーション会社に提供するなど、就職などでの情報上のリンクも行ないたいとしている。

アニメ塾の公式サイトは4月2日にオープンし、オープンと同時にアニメ塾の入会申し込みをサイト上で受け付ける。

受講に必要な器材は、Windowsパソコン(対応OS:Windows 98/Me/2000/NT4.0)、作画ソフト『PencilMan School』(入会後に無償貸し出し)、タブレット(ワコムの『intuos i-400』『同 i-600』を推奨)。これらはアニメ塾サイトの紹介を通じて購入することも可能という。

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