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サイベース、モバイル&ワイヤレス事業を本格展開

2001年03月12日 22時19分更新

文● 編集部

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本記事公開当初、ヨーゲン・ミューラー氏とデーヴィット・ワレン氏のお名前が入れ違いになっておりました。読者の皆様および関係者の皆様にご迷惑をおかけいたしました。記事を訂正するとともに、謹んでお詫び申し上げます。

米サイベース社(Sybase,Inc.)の日本法人であるサイベース(株)は12日、企業向けモバイル&ワイヤレスデータベース事業を行なう“アイエニウェア・ソリューション事業部”を新設したと発表した。同事業部は、米サイベースの子会社である米iAnywhere Solutions(アイエニウェア ソリューションズ)社の製品やサービスを日本市場向けに提供する。

都内で行った会見
左から、早川典之 サイベース取締役兼アイエニウェア・ソリューション事業部事業部長、ヨーゲン・ミューラー 米アイエニウェア ソリューションズ副社長、デーヴィッド・ワレン サイベース代表取締役

サイベースは以前よりモバイル&ワイヤレス事業をMEC(Mobile&Embedded Computing)事業部で行なっており、それを改組して米アイエニウェアと直結した事業部としてアイエニウェア・ソリューション事業部を設置する。そして、今後の展開を見て、同事業部を独立した子会社にするとしている。

米アイエニウェア ソリューションズ副社長 ヨーゲン・ミューラー氏米アイエニウェア ソリューションズ副社長 ヨーゲン・ミューラー 氏

都内で行った会見で、米アイエニウェア ソリューションズ副社長ヨーゲン・ミューラー氏は「米アイエニウェアは、米国内の企業向けモバイルデータベース市場において61%のシェアを持っている。今後も同市場におけるトッププロバイダーを維持し、“Always Available”、どんな場所でも利用できるサービスを提供していく」と語った。

そして、現在のモバイルビジネス環境の問題として、ネットワークの帯域の狭さや交信範囲の狭さ、高い通信コストやバッテリー使用時間の短かさなどを挙げた。これらの問題には、モバイルアプリケーションをオンラインでもオフラインでも使用できるようにし、またオフラインで変更された情報をオンラインになった際に同期させることによって対応するとしている。

また、米サイベースと米アイエニウェアにとって日本市場が重要な理由についてミューラー氏は「カシオ、シャープ、日立やNECなどの先進的なデバイスメーカーがあり、先進的なアプリケーション、インフラがある。また携帯電話や無線ネットワークにも、NTTドコモ、KDDIやJ-フォンなどの先進的な取り組みをしている企業がある」ことを挙げ、引き続き日本市場に注力すると述べた。

日本でのブランド名の認知を

続いて壇上に立ったサイベース取締役兼アイエニウェア・ソリューション事業部事業部長に就任した早川典之氏は「アイエニウェアのブランド名は、米国ではその実績によって広く知られている。日本でも46万ライセンス以上の実績があるが、その多くがOEMなどのため、知名度が高くない。まず、アイエニウェアとは何か、どんなことをやっているのかをはっきり知ってもらわなければならない」と述べ、当面の課題が顧客へブランド名を浸透させることだとしている。

サイベース取締役兼アイエニウェア・ソリューション事業部事業部長早川典之氏
サイベース取締役兼アイエニウェア・ソリューション事業部事業部長早川典之氏

また、具体的な事業として早川氏は以下の4例を挙げた。

流通・運輸業界向けPOS・トラッキングシステム
自動販売機に設置したPHSが、管理者に商品の残数などを送信する。PDAを持った配送業者がその情報を受けて、必要な分だけ配送して補充できるようにする。
また、運送業者のドライバーのPDAに地図とそのほかのデータを表示し、運送トラックなどを誘導できるようにする。
リテール業界向け拡張POSシステム
従来のPOSはレジに設置されていたが、ワイヤレスPDAをPOS端末にして個々の店員に配備することで、それぞれの店員による商品管理、顧客情報管理を可能にする。
金融業界向け代理店・営業支援システム
本部と代理店、販売員のデータを同期させ、PDA上で顧客の管理や資産運用などのシミュレーションを行なえるようにする。
公共事業向け個人情報登録・管理システム
公共料金の徴収などで、集金担当者のPDAに住民の情報を表示し、効率的な運営を可能にする。

以上の事業は日本独自のものであり、日本ではiモードなどによってモバイル&ワイヤレス化が進んでいるため、大きなチャンスがあるとしている。

そして、早川氏は「日本には有力なPDAメーカーがあり、例えば第3世代の携帯電話にPDA機能を内蔵するような実装技術がある。これら日本メーカーと協力して、事業をグローバルに展開していきたい」と、今後の抱負を語った。

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