最近、FlexATXフォームファクタを採用した小さなマザーボードがちょっとした流行となっているが、今回、一風変わったマザーボード「Indium」(型番:MB185)がAMIから登場した。AMI(American Megatrends Inc.)と言えばBIOSでおなじみだが、サーバー用マザーやRAIDカードなど、ハイエンド製品でも有名なメーカーだ。
まず目を引くのは140×220mmというサイズ。FlexATXでもLPXでもない独自規格だ。この極小マザーボードの上に、サーバ向けと思われる機能がテンコ盛りとなっている。主なスペックは以下のとおり。
チップセット | Intel i810E(ビデオ機能統合) |
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ソケット | Socket370 |
CPU | Pentium III/Celeron |
DIMMスロット | 1(最大256MB) |
ネットワークコントローラ | i82559×2(10/100base-TX) |
SCSIコントローラ | LSI-Logic 53C896/1010 (Ultra160 2チャンネル) |
PCIスロット | 1 |
USBポート | 2 |
IDE | Master 1チャンネル |
I/O | RS-232C×1、RS-422×1 |
驚いたことに、このサイズにしてネットワークコントローラ×2/SCSI 2チャンネル/PCIスロット×1まで備えていることが分かる。ただしバックパネル側(?)に配置されているコネクタはRJ45×2/LVD×2/USB×2と電源コネクタのみ。電源コネクタは4ピンの5V/12Vコネクタを装備しているが、果たしてこれで満足に電源を供給できるのだろうか?
5インチベイに入るマザーボード
ただし箱は自作が必要?
横幅の140mm(=5.5インチ)というのは、横幅約148mmの5インチベイになんとか収まるサイズだ。マニュアルには5インチベイに装着するための専用の箱を使った例が載っている。たとえばサーバの5インチベイに組み込んで、基板上にあるLCD端子と接続してやれば、サーバをモニタリングできるようだ。ただし、このイラストの箱が手に入るのかは不明。どうしてもという場合はアルミ板で箱を自作する必要があるかもしれない。
なんの説明もなくマニュアルに記載されていた“箱”のイラスト。使用例だとは思われるが… |
VGAは基盤上に10pinコネクタが用意され、ここから同梱のハーネスで引き出す格好になる。ただしマニュアルに“test and debug only”とあるように、基本的にはモニタレスで使用するのが前提になっているもよう。AMIのウェブサイトには1Uないし2Uのラックマウントケースなどへの使用例が提示されており、業務用途向けなのは間違いないようだ。
用途だが、順当に考えればProxyサーバやキャッシュサーバ、ゲートウェイサーバなど、ネットワーク関連への使い道が考えられる。しかし個人での用途を考えた場合、なかなか有意義な用途が見つからない。それだけに使用者のアイディアを問われるシステムと言えそうだ。
価格は7万2800円(高速電脳)。ちょっとしたPC本体並みになっている。