このページの本文へ

SmartVoice 4.0i

SmartVoice 4.0i

2001年03月08日 16時06分更新

文● 遠藤

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

SmartVoice 4.0i

NEC

1万6000円

2000年7月に発売されたNECの「SmartVoice 4.0i」は、音声認識ソフト初のエンロール作業なしでも利用できる画期的なソフトであり、インターネットを「声で」楽しむための機能や使って便利な同梱ツールが豊富なソフトだ。

エンロール(音声登録)不要で即導入!

音声で文字を入力するための専用エディタ「SmartVoice Editor」を使えば、入力や修正した正しい結果を声の登録&学習に利用できるので、面倒なエンロールをしなくてもいいのが嬉しい。
 音声認識ソフトの使用に必須とされる「エンロール」だが、SmartVoiceでは、音声による文章入力専用エディタ「SmartVoice Editor」を使って音声で文字入力や修正した結果をユーザーの声の特徴として学習&登録できるため、完全にエンロールを省けるようになった。つまり使いながら学習させていくだけで、どんどん認識率がアップするというわけだ。

 学習&登録といっても操作は簡単。文章を音声で入力した後、メニューから「声で学習」コマンドを選択するだけだ。ただし、学習させるには「文章入力で正しく認識され、間違った箇所を“声で”きちんと修正した後」でなければいけない。間違ったまま学習させてしまうと、認識率は低下する一方となる。



従来のエンロール機能も残っている。文章に読みがながふってあるため、つまずかずに、スイスイ進めていける。

 もちろん従来どおりに、用意された文章を読み上げるエンロールもあり、5文の簡易エンロールと150文のフルエンロールの2種類が選べる。150文のほうは「教授への手紙」という4部構成で読んでもなかなかおもしろいストーリーになっている。「OK」マークが表示されたら反転表示された部分を読み上げるだけなので難しくはないが、ついうっかり反転されていない先の文章まで読むとエラーとなってしまうので、注意は必要かも。また、ありがたいことに文字が大きく読み仮名もふってあるので、読みがわからず口ごもってしまってやり直しなんてこともなく、ポンポンと進めていける。



メインインターフェイスとナビゲーションに便利な機能

画面上部に配置されたバーがSmartVoiceのインターフェイス。ここから「SmartVoice Assistant」(画面左下)や、「音声コマンドリスト」を起動できる。

 SmartVoiceのメインは、画面の上部に配置された「SmartVoiceバー」になる。マイクのオン/オフや、SmartVoiceの各機能を呼び出せる。機能を一発で呼び出せる音声コマンドを使うには慣れが必要だが、アクティブになっているウィンドウで使える音声コマンドが一覧表示される「音声コマンドリスト」を利用するといいだろう。ただし、ウィンドウ切り替えが若干動作が遅くなるという弱点はある。

 音声コマンドリストを表示しても使い方がよくわからない、または何から始めればいいの? という初心者には、メニュー項目の番号を読み上げるだけで、簡単に機能の呼び出しや設定が行える「SmartVoice Assistant」がオススメだ。

 文字の入力は、前述の「SmartVoice Editor」のほか、起動中のアプリ内に直接音声で文字入力できる「インライン入力」機能を装備。インライン入力中は、キーボード入力ができないため、ちょっとした誤認識をキーボードで修正したいという時に、いちいちインライン入力の機能を終了させなければならないのは少々面倒だ。できれば次のバージョンではインラインを終了させなくても、キーボードを使える設定も欲しい。特に後述のチャット使用時に実感させられる。

文字の修正をする場合は、「単語○○(修正したい箇所)を変更」と発声し、表示された「変換候補」ダイアログボックスから、正しい語の番号を「○番」と言って、変更する。

 文字の修正はEditorでもインライン入力でも同じ手順で行える。文字の修正を声で行う場合は、たとえば「出資」を「趣旨」と誤認識されたとして、「単語しゅっしを変更」と言うと誤認識された箇所が反転表示され、「変換候補」ダイアログボックスに発声した音に近い単語の候補が一覧表示される。その中に正しい語があればその番号を「○番」と発声するとその語に置き換わり、修正終了だ。候補になければ「再発声」といってから、もう一度その単語を発声し、正しく表示されたらその語に変更するという方法で行う。

 そのほか、SmartVoiceの基本機能として、どんなアプリでも範囲選択した文章の読み上げが可能な「音声合成による読み上げ機能」を搭載し、一息の間を置いて発声すると自動的に句読点が挿入される「句読点の自動挿入機能」や,ユーザーが指定したキー(マイクキー)を押している間だけ音声認識が働く「プッシュトーク機能」を搭載。さらに、普段使っている「ATOK」や「IME2000」といった日本語入力システムの変換精度を、音声で文章を入力する際にも利用できるツールや、本製品と連携するソフトの体験版も多数収録されている。

Webブラウズやメールチェック、チャットも声でOK!

「SmartVoice Web」を使うと、表示されたWebサイトのリンクにオレンジ色のボイスマーク(吹き出しマーク)と番号が付くので、この番号を読み上げると、リンク先へジャンプできる。

 NECによるとVer.4.0iの「i」はインターネットのことを表しているということで、実際インターネットを楽しむためのツールや機能は音声認識ソフトの中でもダントツの充実ぶりだ。音声専用ブラウザ「SmartVoice Web」では、Webサイトを表示させるとページ内のリンク箇所に番号が表示され、その番号を発声することでリンク先にジャンプできる。また、表示したページのテキストを音声合成で読み上げ可能だ。インライン入力で文字入力できるので、チャット可能なサイトでも音声で入力・送信ができ、さらに「チャットモード」を利用すると、自分以外のメッセージだけを読み上げてくれるので、まるで会話をしているような気分になる(流れが速いと音声合成が追いつけないが)。

 メール機能も同梱の音声対応版「みんなでメール」により、メールの着信通知やメール内容の音声合成による読み上げのほか、音声でメール作成や送信ができる。また、インターネットの接続料金を声で確認できる「いま、いくら?その2」、指定したWebサイトの巡回や閲覧したサイトの情報をスクラップして保存できる「ホームページスクラップブックEX」もあって、確かにインターネット機能重視のソフト構成だといえる。

 本製品からインターネット関連の機能を省いた低価格版「SmartVoice Ver4.0c」(価格は7800円)もあるので、インターネット利用の頻度によっては、こちらもオススメだ。

「SmartVoice Ver.4.0i」のスペック
製品名 SmartVoice Ver.4.0i
価格 1万6000円
会社名 NEC
問い合わせ先 0120-95-0001
URL http://www.amuseplus.com/smartvoice/
動作環境
CPU PentiumII-266MHz以上、もしくはAMD-K6-2 350MHz以上
メモリ 64MB以上
空きHDD容量 460MB以上
対応OS Windows 95/98/NT 4.0/2000
仕様比較
導入後最初の起動時間 6秒64
簡易エンロール時間 42秒80(5文)
フルエンロール時間 13分29秒83(150文)
音声認識辞書(最大) 約15万語
登録可能語句数 制限なし
音声読み上げ機能
(音声合成エンジンの搭載)
Webブラウズ機能
メールチェック機能
音声コマンドカスタマイズ機能 ×
句読点の自動挿入機能
声によるマウス操作 ×
声によるキーボード操作(押す) ×
語彙のまとめ登録機能
ICレコーダ対応
WAVEファイルからの書き起こし
付属アプリ、もしくは
別途インストールが必要なソフト
ホームページスクラップブックEX、みんなでメール Ver.1.1 for SmartVoice、いま、いくら?その2、VoiceATOK3エクステンション、Microsoft IME 2000 IMEパッド音声入力アプレット、そのほか体験版3種
備考 Windows Meに関しては同社Webサイトよりアップデートモジュールをダウンロードして対応。サポート対象として認められている。

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン