米MasterCard International社の日本支社MasterCard International Japanは2日、MasterCardの今後の事業戦略について説明した。
左から、MasterCard International Japan在日代表のDouglass W. Lorentz(ダグラス・W・ロレンツ)氏、MasterCard Internationalシニアヴァイスプレジデントでプロダクトデリバリーグループ担当のJeff Portelli(ジェフ・ポーテリ)氏、ヴァイスプレジデントでアドバンスト・ペイメント・システムズ担当のShuan Ghaidan(シュアン・ガイダン)氏、MasterCard International Japanのアドバンスト・ペイメント・システムズマネジャーである山本正行氏 |
MasterCardは、既存の磁気カードに比べてセキュリティーの高いICカードの導入を進めており、今後さまざまな機能を1つのチップに搭載した『マルチ・アプリケーション・カード』を発行するという。
このマルチ・アプリケーション・カードは、オーストラリアのKeycorp社のカードプラットフォーム『MOLTOS』を採用したICチップ。同社は現在、16KBのメモリーを搭載した白カードを2.99ドルで提供しているが、2001年第1四半期中には、32KBのメモリーを搭載した新カードを発行する。
この新カードは、RSA暗号化技術をサポートし、クレジットアプリケーション『M/Chip』、公開鍵のインフラストラクチャーを搭載する。さらに提供先のカード会社固有の機能を追加することも可能という。同社は、将来的には搭載するメモリー容量を48KB、64KBと拡張していくとしている。
さらに2001年後半には、接触と非接触の両機能を1つのチップに備えたICカードを市場に投入するという。この接触/非接触両対応型カードは、チケッティングやアクセスコントロール機能を搭載する。同社は、今後2年以内に1500万枚のICカードが、提供先のカード会社から発行されるだろうとしている。
また同社は、日本での事業においても、偽造カード防止のため、ICカードの導入を積極的に進めるとしている。UCカード、DCカード、ミリオンカードなどのカード会社各社が、年内にICカードを発行するほか、M/ChipとICキャッシュカードの一体型カードも導入されるという。
MasterCardの加盟店数は世界で1800万店以上、全世界での会員数は7億人。Portelli氏は、「MasterCardメンバー全てのカードホルダーにオンライン決済を発行するのが目的」としている。