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【IDF Spring 2001 Vol.2】キーノートではMcKinleyや1GHzモバイルPentium IIIをデモ

2001年02月28日 23時36分更新

文● 塩田紳二

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米国時間2月27日、IDFが本格的に始まる。一般参加者の登録は26日から始まるのだが、実際のコンファレンスなどの日程は、朝8時からのインテル首脳陣によるキーノートスピーチで幕を開けるのだ。

キーノートスピーチの会場は昨年と同じ、San Jose Convention Centerの向かいのCivic Auditorium。スピーチに先立ってかかったビデオは、日本で『空飛ぶモンティパイソン』として東京12チャンネル(テレビ東京)で放送していた英国のコメディ番組“Monty Physon's Fling Circus”のパロディである、なんていっても、最近の若者にはわからないか……。こちらでも笑っていた人は少なかったようだ。とりあえず見てみたいのであれば、インテルのIDFのサイトにストリーミングビデオが用意されている(しかも英語版だけでなく、日本語版もある!)。

インテルのバレットCEO
インテルのバレットCEO。モンタナ州に牧場を持ち、“Itanium Ingot”や“Pentium Prince”などという怪しげな名前の馬を持っているのだとか

メインスピーカーは、インテルCEOのクレイグ・バレット(Craig R.Barrett)氏とインテルアーキテクチャ(IA)グループのポール・オッテリーニ(Paul Otellini)氏である。最初に案内役として登場したのは、日本でも有名なインテル副社長のパトリック・ゲルシンガー(Patric P.Gelsinger)氏。彼は、クレイグはモンタナに牧場を持っているから“Silicon Cowboy”で、その名も“Pentium Prince”という馬を持っているのだとか。

カウボーイハットをかぶったゲルシンガー副社長
シリコンカウボーイ(バレットCEO)を呼ぶ練習をしましょう、とカウボーイハットをかぶったゲルシンガー副社長

創業者のゴードン・ムーア(Gordon Moore)氏を除けば一番偉いバレット氏の話は、まあ、おもしろいのだが、偉い人の話なのでそれなりに抽象的。要約すると、現在インテルは、ネットワーク社会の構築を助けるために4つのアーキテクチャを提供しているという。それは、

  1. IA-32 つまりPentium 4やPentium III
  2. Personal Internet Client これはStrongARMことXscaleアーキテクチャ
  3. Itanium Family Processor IA-64のこと。
  4. Internet Exchange ネットワーク機器向けのIXアーキテクチャ(IXA)

の4つである。また、200mmのウェハーや0.13μmプロセス技術などについての解説もあった。シリコントランジスタの技術はあと5世代ぐらいは進化できるという。Itaniumのデモでは、NCSA(National Center of Super computer Application。現在のウェブブラウザーの元になった『Mosaic』の開発元)が行なっているシミュレーションを紹介していたが、これは1月末にニューヨークで開催された“LinuxWorld Conference & Expo”のキーノートスピーチと同じネタ。ただし今回は、スポンサーであるMicrosoftに気兼ねしてか、表示アプリケーション(見た感じは単なるターミナルかコンソールベースのソフト)は、Windows上で動いていた。

“インターネットのための”インテルのアーキテクチャ
“インターネットのための”インテルのアーキテクチャとは、Pentium III/4(IA-32)、Xscale(StrongARM。Personal Internet Client Architecture)、IA-64(Itanium Processor Family)そして、ネットワークプロセッサIXA(Internet Exchange Architecture)の4つ

後半は、ポール・オッテリーニ氏。続いて行なわれたスピーチでは、1GHzのプロセッサを搭載したノートPC(WinBook)の試作品や0.13μmプロセスで試作したプロセッサを搭載したノート(デルコンピュータ製)を公開。

0.13μmプロセスで作ったトランジスタの写真と同じ縮尺で撮った、DNAや金の原子
0.13μmプロセスで作ったトランジスタの写真と同じ縮尺で撮った、DNAや金の原子。もうここまで小さくなってきたわけだ
1GHzのモバイルPentium IIIを搭載したノートパソコンの試作機など
左下が、1GHzのモバイルPentium IIIを搭載したノートパソコンの試作機(Winbookと言っていたのでソーテックが開発中のものか)。上が0.13μmプロセスで作ったモバイルPentium IIIと新しい830Mチップセットを使ったもの(おそらくデル製)

話は次にサーバーに移る、サーバー向けCPUであるPentium III Xeonは、900MHzまでクロックが上がり、さらにその後継プロセッサである“Foster”は、今年の第2四半期に登場予定。Fosterは、Pentium 4をベースにしたサーバー向けCPUで、いわば“Pentium 4 Xeon”である。

ポール・オッテリーニ氏
インテルのExecutive Vice Presidentで、Intel Architecture Group General Managerのポール・オッテリーニ氏

さらにオッテリーニ氏は、64bit CPUであるItaniumの2世代目として“McKinley”を紹介した。McKinleyは、現行のItanium(“Merced”。といっても世の中に出回っているわけではないのだが)がコアチップ外に持っていた3次キャッシュを取り込んでオンダイにした。この3次キャッシュはメモリバスとCPUコアの間に入るものではなく、メモリバスから分離されたバックサイドキャッシュである。さらにMcKinleyでは、実行ユニットの数が増え、同時に実行可能なマイクロ命令(※1)の数が多くなっている。インテルとヒューレット・パッカードが共同開発した“EPIC”と呼ばれるVLIWアーキテクチャは、一度コンパイルしたバイナリコードは実行ユニットの数に依存しないようになっていて、のちCPU世代でプロセスが上がり、実行ユニットの数を増やせば、コンパイルし直すことなくより高速に実行できるようになるのが特徴でもある。さらにバス幅とその速度を上げMercedの3倍のバンド幅を実現したようだ。

※1 Itanimは、1つの長い命令の中に複数の小さな命令(マイクロ命令)を格納して、並行に実行するというVLIWアーキテクチャを採用している。

McKinleyの概要を紹介するスライド
McKinleyの概要を紹介するスライド。バックサイドキャッシュ(3次)がオンダイ化した

最後に舞台正面のパネルが上がると、“A0ステップ”(つまり一番最初に製造されたやつだ)のMcKinleyを使ったヒューレット・パッカードの試作マシンが置いてあり、そこでHP-UX、64bit版Whistler、Linuxが動いていて、複数のOSが動作できることを強調していた。

3台のMcKinley搭載試作機
舞台正面の裏から登場した3台のMcKinley搭載試作機。ヒューレット・パッカードが開発中のもの。HP-UX、64bit版Whistler、Linuxが動いている
McKinley試作機の拡大写真
McKinley試作機の拡大写真

また今日(27日)は、いくつかの発表がインテルから行なわれた。製品では、700MHzの低電圧版モバイルPentium IIIである。もう1つは、IDFの会場で行なわれた“イノベイティブPCアワード”である。これは、世界の優れたパソコンを表彰するもので、今回は以下の製品が表彰された。

  • ソニー(株)『PCV-RX380DS』(米国名Digital Studio*)
  • (株)ソーテック『Affina AV』
  • 米コンパックコンピュータ『iPAQ』(デスクトップモデル)
  • 米コンパックコンピュータ『Presario 800』
  • 米デルコンピュータ『Latitude C800』
  • 米富士通・シーメンス・コンピューターズ 『Jetson』
  • 韓国のサムソン 『SENS 760』

とここまではいいのだが、その表彰式で受賞にも関わらず会場に某社の関係者が誰もいないという一幕もあり、担当者を慌てさせたのだとか。

明日も引き続き2日目のレポートをお送りする。

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