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CanoScan D2400UF

CanoScan D2400UF

2001年02月28日 16時57分更新

文● 行正

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CanoScan D2400UF

キヤノン販売

4万9800円

「CanoScan D2400UF」は、現行の「CanoScan FB1210U」の上位モデルにあたり、解像度の向上とともに透過原稿ユニットと自動ゴミ&キズ補正機能を搭載したモデルだ。

高機能を内蔵したフラットベッドスキャナ

 CanoScan D2400UFは、光学解像度2400×4800dpi、階調表現力は48bit入出力というパーソナルユースとしては十分なスペックを持つ。
 CCDセンサは1200dpiセンサを1画素分ずらして2列平行に配置し、2つのセンサからの信号を合成して2400dpiの解像度を得ている。これは、エプソン「GT-8700シリーズ」などで採用されているものと同種の技術だが、新たに撮像素子間のマスクを強化することで隣接する画素への光の漏れを減少させ、解像力を向上させているという。また、スキャン速度の高速化を目的に、信号処理のための専用ASICを新設計するとともに駆動モータの見直しなど、細かなチューンが施されている

CanoScan D2400UFの側面。従来機とほぼ同じ大きさに収まっており、薄いトップカバー内に可視光/赤外線ライトユニットが内蔵されている。

 D2400UFの最大の特徴が、標準で装備している透過原稿ユニット(フィルム読み取り用のライトユニット)によるフィルムスキャン機能だ。FB1210Uでも、一見すると普通の圧板(トップカバー/原稿押さえ)のように見える薄型の透過原稿用光源ユニットがオプションで用意されていたが、D2400UFでは標準付属になるとともに新たに"自動ゴミ&キズ補正機能"が加わった。
 D2400UFが搭載する自動ゴミ&キズ補正機能は「FARE(Flim Automatic Retouching Enhancement)」と呼ばれており、フィルム面のキズやフィルム上に載ったゴミを自動的に取り除くことができる。これは、フィルムスキャナでは10万円を超えるクラスの製品群を中心として搭載する製品が多いものの、フラットベッドスキャナとしては初の機能だ。



CanoScan D2400UFにフィルムをセットする。上に見えるトップカバー内の白い部分が光源。フィルムホルダ(35mm&ブローニ用、4×5用)は2枚付属する。35mmフィルムをセットしても1度に3コマしか同時にスキャンできない。できればストリップを2列(もしくは3列)同時にセットできるフィルムホルダを用意してほしい。

 原理としては、透過原稿ユニットに通常の白色光源に加えて赤外線光源も内蔵し、可視光と赤外線域での2つのスキャンを行うことで実現している。単に可視光だけでスキャンした場合、スキャン画像内の影をフィルム上のゴミなのか、それとも撮影された画像の一部なのかを判断できない。ところが赤外線ならば、ゴミやキズは影となり、フィルムの色素であれば透過する。赤外線画像とは別に可視光でスキャンした画像を元にして、ゴミやキズの影となった部分を周辺画像からソフトウェア補間すればよいわけだ。なお、原理的に透過原稿のみに対応し、反射原稿には利用できない。
 フォトレタッチソフトにもゴミ&キズ補正機能(Photoshopの「ダスト&スクラッチ」フィルタなど)があるが、この種の補正では画像全体(あるいは選択範囲全体)がぼやけてしまうのに対し、D2400UFではゴミやキズの部分だけが補正されるため、全体のピントが甘くなることもない。操作に関しては、スキャンドライバのダイアログにある「ゴミ傷除去」を指定するだけで、補正は弱/標準/強の3種類から選択できる。



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