アットホームジャパン(株)は26日、新規サービスに関する発表会を都内で行なった。
J-COMとタイタスの合併で加入者が増加
発表会場では、同社代表取締役社長の廣瀬禎彦氏が、同社の第2期(2000年1月~12月)における事業報告を行なった。それによると、売上高は7億3000万円、当期損失は31億2000万円で、同社が2000年6月に策定した第2期年度目標(売上高5億4000万円/当期損失39億6100万円)を改善する形となったという。
第2期事業業績と、第3期の事業計画について説明する廣瀬社長 |
サービス加入者は10万1000人で、これも予想以上の数字という。廣瀬氏は、加入者増の要因として、同社の株主である(株)ジュピターテレコムと(株)タイタスが合併したこと、ユーザーのブロードバンドへの関心が高まったことをあげている。また、資本金の増資を行ない、設立時の資本金6億円から52億5000万円となった。コンテンツパートナーは年度末時点で22社。
また、第3期(2001年1月~12月)の事業見通しは、サービス加入者数27万人、年間売上高62億円、期末損失30億円としている。廣瀬氏は、「昨年より行なっているJ-COMの加入者に加え、他のCATV会社へサービスを拡張し加入者の増加を図る」と説明、その皮切りとして、江戸川ケーブルテレビ(株)へ、同社の“@Net Homeサービス”を提供すると発表した。サービス開始は4月で、サービス名称は“えどがわ@NetHome”となる。
また、ブロードバンドインターネット接続サービスおよびコンテンツサービスの拡大充実に加え、高速インターネット接続サービスを利用したシステムソリューションズサービスも展開するという。コンテンツパートナー数を増やすほか、昨年末に提携した米Centerseat社の保有する海外ビデオコンテンツの配信を開始、またビデオコンテンツ制作技術を日本国内に導入して、ブロードバンド向けのコンテンツ制作体制を整え、オリジナルコンテンツの制作、提供も行なうとしている。
さらに、インターネットサービスプロバイダー向けのバックボーン提供サービスや、他プロバイダーとのネットワーク接続による相互のサービス拡充といった付加価値サービスの提供も予定しているという。
コンテンツサービスも拡充、携帯型端末への配信も
また同社は、コンテンツパートナーとの提携による新コンテンツサービスを今春より順次開始する。不動産サービス会社のアットホーム(株)との提携による全国の不動産情報や物件を検索できるコンテンツや、(株)イーブックイニシアティブジャパンの電子書籍コンテンツ“イーブック”を今春に提供する。
今春提供する電子書籍コンテンツ“イーブック”。10MBの高品質な電子書籍データを提供する。小説やマンガなど種類も豊富 |
さらに、米QEDSoft社のウェブ上で3DCGをストリーミング配信する技術を利用し、3Dキャラクターを使ったコンテンツサービスを今春行なう。3Dキャラクターデータと音声データをストリーミング配信し、ウェブ上で3Dキャラクターが動いたりしゃべったりするというもの。ウェブ上での製品紹介やガイドなどに利用できるという。なお、米QEDSoftの国内独占販売権はビデオメール・ジャパン(株)が保有しており、同社はビデオメール・ジャパンを通じて米QEDsoftの技術を利用する。
米QEDsoft社の3DCGストリーミング技術を利用した、ウェブ上で動く3Dキャラクター All Rights Reserved (c) 2001 QEDSoft Inc. |
こちらはパイオニア・ミュージック・サテライト(株)の振り付きカラオケ配信システム。カラオケに合わせて画面上の3Dキャラクターが振り付けを踊る。キャラクターや背景は数種類用意されており選択できるほか、専用ウェブサイトからダウンロードも可能。将来的にはキャラクターを作成できるツールも提供したいとしている。今秋サービス開始予定 |
また同社は、インタービジネス(株)と協力し、次世代携帯型映像端末へのコンテンツ配信の試行を開始する。インタービジネスは、NTTドコモのMPEG-4動画配信サービス“M-stage visual”専用端末『eggy』向けに動画配信を始めた会社で、両社は協力してIMT-2000に向けたブロードバンドコンテンツの配信試行を行なうという。
『eggy』を利用した携帯型映像端末へのコンテンツ配信のデモ。@NetHomeのファッションコンテンツの映像が配信されている |