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日本SGI、FTTHをにらんだブロードバンド事業を本格展開

2001年02月22日 22時42分更新

文● 編集部 佐々木千之

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日本SGI(株)は21日、都内で記者発表会を開催し、代表取締役の和泉法夫社長が同社のブロードバンド事業展開について説明した。米Kasenna社との販売提携についても明らかにされた。

日本SGI代表取締役社長の和泉法夫氏
米SGI上級副社長兼日本SGI代表取締役社長の和泉法夫氏

和泉社長は、同社が技術協力している、(株)有線ブロードネットワークスが14日に発表した光ファイバーを使った100MbpsのFTTH(Fibre To The Home)サービスにふれ「やっと日本でもブロードバンドサービスが始まった。これを機にSGIはブロードバンドシステム構築事業を本格的に展開する」と切り出した。和泉社長は同社のブロードバンド事業に対する具体的な動きを4つのポイントとして挙げた。

  • 3月1日付で社内に営業、開発、技術体制を整えた100名規模の“ブロードバンド・プロフェッショナル・サービス部”を発足
  • 上記部内に中核組織として“ブロードバンド・ソリューションセンター”を設立
  • 3月に本社オフィス(渋谷区恵比寿)内にブロードバンド専門のショールーム“SWaT”(スワット:Solution Walk Through)を設置
  • 米Kasenna社製品の国内販売における提携

このうち、SWaTは誰でも利用できるオープンショールームで、SGIのブロードバンド向けシステムがサーバーからクライアント用STB(セットトップボックス)まで、ソフトウェアも含めて体験できる。また、KasennaはもともとSGIのソフトウェアテクノロジーグループ部門が、2001年1月にスピンオフして設立した会社。コンテンツの配信や管理ソフトウェアを開発している。

米Kasenna社会長、社長兼CEOのマーク・グレイ(Mark Grey)氏
米Kasenna社会長、社長兼CEOのマーク・グレイ(Mark Grey)氏

和泉社長は「いまなぜブロードバンドなのか。それは通信ネットワークの速度、コンテンツサーバーにおける蓄積・配信技術、優良なコンテンツがそろったからだ。6年前ではだめだったのだ」と述べて、同社がNTTなどと組んで千葉県・浦安市で行なった、光ファイバーネットワークを使ったビデオ・オン・デマンドの実験のビデオを見せた。その上で「これは中身はいまでも十分通用するものだ。6年前の実験としてはすごいものだった。ただ、サーバーは二十数億円するものだったし、STBも“Indy”(同社のグラフィックワークステーション)を使ったもので数百万円した。これでは無理だった。それが6年経ってサーバーは数千万円、STBも3~5万円くらいと100分の1にまで下がった」と述べて、コストが現実的なサービスに見合うところまで下がってきたことが、ブロードバンド事業に改めて注力する重要な理由であるとした。

SGIとkasennaによるブロードバンド向けシステムロードマップ
SGIとKasennaによるブロードバンド向けシステムロードマップ

また“ブロードバンド”という定義については「一般的な報道などではADSLがブロードバンドだなどといっているが、1.5Mbps程度ではブロードバンドではない。光ファイバーが普及するまでの過渡期の技術としては重要だが、光ファイバーの速度になってこそ“革命”が起こる。ウェブが速くなったといって喜んでいるのではまだまだで、例えば地方の方がDVカメラで撮影した祭りの映像をそのまま流せるくらいでないとだめ」と、光ファイバーの速度こそがブロードバンドであるとした。

「さまざまな企業がビデオ・オン・デマンドから撤退していったが、SGIだけがこりもせずに続けてきた。その結果、企業や教育用のブロードバンドシステムのほとんどはSGIが占めている。これを一般家庭に広げていくときには、今回販売提携したKasennaのコンテンツ管理ソフト『MeiaBase』が重要になってくる。現段階で、こうしたトータルソリューションでSGIに対抗できるところはないと考えている」と、コンテンツまで含んだブロードバンドのトータルシステムにおいて絶対の自信を見せた。

Kasenna製品のシステム構成図
Kasenna製品のシステム構成図

同社はグラフィックシステムの構築で培った、広帯域へ対応したサーバーや、リアルタイム制御技術が、ブロードバンドシステムにおいて力を発揮するとしている。例えば、ビデオサーバーにおいて、他社のシステムでは複数のサーバーを組み合わせたシステムで配信するのに対し、SGIは1台のサーバーで配信でき、結果としてシステムの運用管理やコンテンツのライセンス数といった点で、コストを削減できるという。さらに今後ネットワークがGbitクラスに移行しても、十分に対応していけるとしている。

また、発表会では同社が21日に発表した、Pentium III-800MHzまたは1GHz搭載の薄型ラックマウントタイプLinuxサーバー『SGI 1100 Server』も展示されていた。最大搭載メモリーは2GB、HDDは60GBで、LinuxはRed Hat 6.2またはTurbolinux6.0を標準で採用しており、Windows NT4.0/2000の動作も保証するとしている。価格は44万6000円からで、すでに出荷を開始している。東京大学宇宙船研究所と東京大学地震研究所においてLinux演算クラスターシステムとして導入が決定しているという。

『SGI 1100 Server』
Pentium III-1GHzを最大2基搭載可能な1Uサイズラックマウントサーバー『SGI 1100 Server』

米SGIは、英ケーブル・アンド・ワイヤレス社、米Verio社、米AOLタイム・ワーナー社など、世界市場において積極的にブロードバンドを利用したコンテンツ配信システムを提供している。技術協力している有線ブロードネットワークスが100Mbpsサービスを始めるのを機に、コンテンツプロバイダーや通信事業者からの目がブロードバンドに向いているこのタイミングで、一気にブロードバンドサービス事業を広げ、“ブロードバンドサービスならSGI”といった流れを作りたい考えだ。

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