米ソフトウェア・アーキテクツ社(SAI)は20日、渋谷区笹塚に開設したばかりの東京事務所にプレス関係者を招いて、ロバート・ゾロ(Robert Zollo)社長の記者会見を行なった。
SAIのロバート・ゾロ社長。左に見えるのは同社の日本におけるマスコットのサイ |
同社は'87年に設立された、米ワシントン州ボセル市に本社を置くソフトウェア会社で、パソコン用ストレージデバイスやイメージデバイスに向けたシステムレベルユーティリティーの開発を行なっている。特に'92年に米ヒューレット・パッカード社と提携して開始したリムーバブルストレージのための、ユニバーサルファイルシステム技術は、DVDで全面的に採用されたファイルシステム“UDF”(ユニバーサルディスクフォーマット)に発展した。光ストレージ製品を製造・開発する企業から構成されるOSTA(Optical Storage Technology Association)では、唯一のソフトウェア企業の代表として、主導的役割を果たしているという。
'97年にはWindowsパソコン向けに世界初のDVD-RAMユーティリティーソフト『WriteDVD!』を発表し、松下電器産業(株)、(株)日立製作所、(株)東芝のDVD-RAMドライブにバンドルされたという。Mac OS対応ユーティリティー『DVD-RAM TuneUp!』やMac OS、Windows対応の『ReadDVD!』など、UDFに準拠したパッケージ製品を多数発売している。
SAIのユーティリティーパッケージを日本で発売する(株)アクト・ツーの加藤幹也代表取締役(左)、SAI東京事務所代表で法務部長のピーター・レイ(Peter Rae)氏(中央) |
日本のメーカーに対しては、UDF開発以前の'89年からストレージ用デバイスドライバーやソフトウェアのライセンス供与を行なってきており、今回、米国以外で初めてとなる東京事務所の開設も、日本メーカーに対するサポートの強化のためとしている。現在、松下、日立、東芝以外にもパイオニア(株)、ソニー(株)などにUDF技術やシステム用ユーティリティーソフトを提供しているという。
OSやストレージデバイスが多数存在しまたその変化も激しい現在、すべてのプラットフォームで利用できるUDFが、ISO9660に代わり、互換性問題を解決する標準フォーマットとして一層普及していくとした。