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StarLancer

StarLancer

2001年02月16日 23時19分更新

文● 中村聖司

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StarLancer

メディアクエスト

9800円(3月2日発売予定)

2000年8月に電撃発表され、ゲームファンの間にささやかな福音をもたらした米Microsoftとメディアクエストとの“マイクロソフト所有の4タイトル”に関する国内販売契約締結のニュース。実際のところ、当初、日本マイクロソフトで日本語化の予定がなかった「Mech Warrier4」「Mech Commander2」の2タイトルを、これまで「Mech」シリーズタイトルを日本語化して発売していた経緯を持つメディアクエストが獲得に乗り出したことにより成立した契約だ。

「StarLancer」ムービーシーンより。突如集結した東側連合の圧倒的な大艦隊。ムービーのクオリティすこぶる高し。

 Mechファンにとって一番ありがたい結果となったわけだが、ありがたいのはMechファンばかりではない。そう、今回紹介する「StarLancer」も日本語化予定リストから漏れていたタイトルのひとつなのだ。2000年2月29日に開催された「Gamestock2000」でStarLancerが初披露された際、作戦説明を行うブリーフィングや戦闘中に交わされる通信が、実写さながらの動画映像と“英語による喋り”で行われる様子が公開された。
 その緻密な世界感を描き出す演出の数々にPCゲームの新時代の到来を実感した人も多かったことと思うが、その後、マイクロソフトのスタッフに「日本語化の予定なし」と聞いたときには、正直かなり残念に思ったものだ。しかし、3月2日に発売されるStarLancerは、すべての音声がバッチリ日本語吹き替えされた完全日本語版。まさしくメディアクエスト万歳なのである。



同じくムービーシーンから。奇襲を受ける西側同盟。すべてはここから始まる。

 が、読者のなかには「そこまで持ち上げる“StarLancer”って何モノなの? Digital Anvilって開発会社もよく知らないし」と怪訝に思っている人も少なくないかもしれない。だが、「Wing Commander」シリーズを開発したクリス・ロバーツといえばどうだろう。そう、StarLancerは、彼と弟のエリン・ロバーツの手による、新作スペースオペラ作品なのだ。ゲーム画面を見れば、「WingCommander4」の香りがぷんぷん漂ってくる。続編ではないが、直系とも言えそうなほど多くの類似点が見つけられる、本家本元が放つ期待の新作である。



艦内で利用できる施設のひとつ、シム・ポッド。このシミュレータを使って訓練を行う。

 さて、WingCommanderを知る人は、ここまで読めば、あとは適当にざっと流してもらって、3月2日にショップに駆け込んでもらえば万事OKなのだが、知らない人にとっては「ふーん」ぐらいの感想しか持たれていないかもしれない。それではマズいので、ゲームの内容と魅力について詳しく説明していこう。



宇宙空間を舞台にしたハードな戦闘機戦


訓練の様子。宇宙空間に浮遊している訓練用目標を次々に撃ち抜いていく。楽勝である。

 スペースオペラというと、時代は未来、暗黒の宇宙空間を愛機を駆って敵と戦い、盛り上がる愛と友情と愛国心……など、少々気恥ずかしくなる冒険活劇というイメージがあるだろう。実のところStarLancerはまさしくそんなゲームだ。
 本作の魅力を語る上でもっとも重要なのが、宇宙空間を舞台にしているところ。宇宙仕様の戦闘機に乗って、さまざまなミッションに挑戦していくわけだが、戦闘機の操縦感覚は、いわゆるフライトシミュレータのそれとはまるで異なる。どういう無茶な飛び方をしても失速(ストール)しないし、速度が0になっても墜落することはない。大気圏内の空中戦なら数度が限界の宙返りを、宇宙空間では10回だろうが20回だろうが無限に行える。敵機にターゲットされたら、アフターバーナーを点火して、グリングリンに回転しつつ逃げまくる。その運動量の激しさたるや大気圏内戦の比ではなく、しかもフォースフィードバック対応ジョイスティック「Force Feedback2」の発売元Microsoftのタイトルでもあるため、対応ジョイスティックで遊ぶと、未曾有の迫力プレイと引き替えに本気で疲れる羽目になる。手が棒になるというか、くたくたになる。



敵機を撃破すると、敵パイロットからの断末魔の声が届く。左上のウィンドウがそれだ。
目の前で撃破すると、凄まじくも美しいい爆発のエフェクトが堪能できる。

 だが、このあたりのプレイヤー側の事情は、開発元は百も承知で、ミッション終了後は、同僚たちが苦労をねぎらう言葉を掛けてくれたり、上司がしきりに誉めてくれたり、さらには昇進させてくれたりする。すると、たちまち「よーし、もう1戦やったるか!」という気になるから不思議である。さらに次々と展開してする物語にぐいぐい惹き込まれていくところなど、ストーリー重視の話の組み立て方というのはこれまでのWingCommanderシリーズを継承しており、気づかないうちにエースパイロットの仲間入りを果たしていることだろう。実にノセ方のうまいゲームである。



戦闘中に敵機とぶつかっても撃破されることはない。これは隕石等のオブジェクトについても同じ。ゴゴーンと衝撃が来るだけだ。
敵巡洋艦「キーロフ」。もうベタベタの名付けですな。ターゲットできるが戦闘機で撃沈することは不可能だ。
自機選択画面。序盤ではこのブロンズがオススメ。威力抜群のレーザーガンを装備している。

西側1のエースパイロットを目指せ!

 StarLancerの話の筋もまたユニーク。日本人にはやもすると“安直に過ぎる”という評価を下されそうな内容だが、簡単に紹介しておこう。宇宙へ移住を果たした人類による西側同盟と東側連合の宇宙戦争を題材にしており、プレイヤーが属する西側には、アメリカ、ドイツ、イギリス、日本、フランスといった国々が名を連ねている(東側はあえて説明不要だろう)。それぞれの国は、国内から選抜された精鋭パイロットたちが航空隊を編成し、別々の母艦に所属している。母艦の名前は、ワシントンだったり、ヴィクトリアスだったり、ケーニッヒだったりと大変分かりやすいが、日本はというとやっぱり「ヤマト」だった。ヤマトは、西側最強の攻撃型空母で、第406飛行隊“ブレード”と第409飛行隊“ローニン”の2つの精鋭航空部隊を擁し、ストーリー上、かなり美味しいところを連発で持っていく。

これがジャンプ。この演出にもシビれるが、このワープシステムにより、退屈な移動が一切ないのがいい。
大和や“ヤマト”の跡形はどこにもないが、これがStarLancerに登場するヤマト。

 あまり書くとネタばらしになるのでやめておくが、とあるミッションで、我が飛行隊が2隻の巡洋艦に襲われて、あわや全滅という大ピンチに陥いる。そんなとき、ジャンプ(要するにワープ)してくる大型艦がヤマトなのだ。ああ、美味しすぎる。
「敵空母のようです」
「敵じゃない、“ヤマト”だ」
というわけで、弩級空母ヤマトは宇宙魚雷と主砲で敵巡洋艦2隻を瞬く間に片づけてしまう。開発陣が何にインスパイアされて、このシーンを構成したのか、よーくわかったが、残念なのはプレイヤー自身はヤマトに乗れないことだ(笑)。プレイヤーが所属するのは、兵力不足から急遽編成された国籍混成の第45義勇飛行隊で、母艦は第4級空母リライアント。えーそんなー!



輝く空間の中から突如出現したヤマト。救援に駆けつけたようだが、タイミングと出現位置が完璧過ぎ。
で、おもむろにキーロフを撃破するヤマト。艦載機の活躍の出番、まるでなし。

短時間でスカッと遊べるマルチプレイ

 ともあれ、シングルプレイで骨太のシナリオをたっぷり楽しめるものであることはご理解いただけたと思う。が、StarLancerの魅力はマルチプレイにも大いにある。Direct Playに対応しており、最大6人までの同時プレイが楽しめる。対戦サーバにはMSN Gaming Zoneを用意。試しに評価用の日本語版で数回参加してみたが、MSN Gaming Zoneでは、レーザー砲のみの状態から始まるデスマッチモードが主流のようだ(ほかの武器は宇宙空間に落ちてて拾える)。Gaming Zone対応ゲームとしては珍しく“途中参加”にも対応しており、ゲーム中に出たり入ったりしながら、戦場としてはおあつらえむきの小隕石が点在する宇宙空間を戦場に、心ゆくまで対戦プレイが楽しめた。マルチプレイのモードは、デスマッチのほかに、チーム戦も用意されている。

これがマルチプレイの待機中の画面。ゲームの言語が異なっていても問題なくプレイできる。もちろん、日本語を入力しても相手側は文字化けして読めないので、アルファベットを使おう。
対人戦をプレイ中。敵機を捕捉するのは簡単だが、自分が撃墜されずに、目標を撃墜するのが難しい。この邪魔くさい隕石をうまく活用することが大事。

 360度自由移動可能な宇宙空間は、慣れるまではどこに逃げても背中から撃たれる気がして怖くてたまらないが、アフターバーナーは無限使用が可能なので、点火しっぱなしで移動すれば、敵の照準から逃れやすく、また有利な位置を取りやすいのでオススメである。さらに付け加えておくと、対人戦は対コンピュータ戦に比べて、敵機のターゲッティングが格段に難しい。止まって撃てば狙いやすいが、それでは敵のいい的になる。シングルプレイで“全速で飛ばしながら正確にターゲットできるテクニック”を磨くことを心がけよう。
 あ、そうそう、これほど激しい3Dゲームだから、相当酔うだろうと思った貴方! StarLancerは、酔う要因である“上下に揺れる動き”というのはほとんどなく、ただひたすらに宇宙空間を舐めるような描写が続くため、3Dゲームでありながらまったく酔わない(3D酔いに弱い私が言うんだから間違いない)。ただ、目に凄まじいGを感じさせるため、30分以上プレイすると、かなり疲れる。万人にお勧めできるスカッと爽快系の3Dアクションゲームである。


開発元 Digital Anvil
発売元 Microsoft
販売元 メディアクエスト
問い合わせ先 03-5805-3629
価格 9800円(3月2日発売予定)
対応OS Windows 95/98/Me+DirectX 7
CPU PentiumII-300MHz以上
メモリ 32MB以上(64MB以上を推奨)
ビデオ 640×480~1024×768ドット/256色以上(Direct3D対応)
HDD 300MB以上(1GB以上を推奨)
CD-ROM 8倍速以上(起動時必須)
マルチプレイ 最大6人までの通信対戦(DirectPlay対応)

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