(株)有線ブロードネットワークスは14日、光ファイバーを使い、通信速度最大100Mbpsのインターネット常時接続サービスを月額4900円で3月1日に開始すると発表した。モデムやコンテンツサービスの基本料金を含めた金額では月額6100円となる。
記者発表会の様子。左端が有線ブロードネットワークス代表取締役社長の宇野康秀氏 |
通信速度を保証しないベストエフォート型のサービスとはいえ、100Mbpsという速度は家庭向けインターネット接続サービスとしては世界最速のものだとしている。この高速性を利用し、ビデオ・オン・デマンドをはじめとした映像のストリーミング配信、対戦型ゲーム、カラオケ、ビデオメールなどのコンテンツサービス“BROAD-GATE 01”(ブロードゲートゼロワン)を同じく3月1日にスタートする予定。現在のところコンテンツも含めてすべてのサービスが利用可能な端末はWindowsパソコン(Internet Explorer 5.0必須)のみだが、いずれはMacintoshにも対応するとしている。
サービス料金の詳細は以下の通り。
コース | 単位 | 月額料金 |
Home 100 | 1契約者回線ごとに端末5台まで接続可能 | 4900円 |
Office 100 | 1契約者回線ごとに端末10台まで接続可能 | 9800円 |
Office 100プラス | Office 100コースに追加端末10台まで接続可能 | 6000円/10台ごと |
サービス提供エリアと開始時期
- 2001年3月:東京都渋谷区・世田谷区の一部
- 2001年4月:杉並区・目黒区・大田区
- 2001年10月:東京23区全区および政令指定都市
- 2002年4月:30万人都市+県庁所在地
- 2003年4月:その他の全国主要都市
コンテンツサービスであるBROAD-GATE 01では、BROAD-GATE 01の月額基本料金300円だけで利用できる“STATION GATE”と体験版ゲームのほか、有料コンテンツとしてストリーミング配信による映画(300円~)、音楽(1曲あたり250円~)、ビデオ(100円~)、エンターテインメント(100円~)が提供される予定。映画配信会社として、2000年の11月に、有線ブロードネットワークスと(株)レントラックジャパンの折半出資による(株)ヴィーオーディージャパンを設立している。
“BROAD-GATE 01”のトップ画面 |
このほか、ネットワークゲーム運営会社と提携してネット対戦型ゲームサービスの提供や、カラオケメーカーの(株)日光堂との提携によるカラオケのオンデマンドサービスを予定しているという。
有線ブロードネットワークスでは、サービス開始後、エリアの拡大につとめ、2001年8月までに1万5000件、2003年8月までに100万件、2005年8月に200万件の契約を目指すとしている。過疎地までは無理としても、できる限りサービス提供地域を広げたいとしている。
また、xDSLなどと異なり上下の速度差のないサービスのため、ウェブサーバーなどを立ち上げたいという要望もでると見られるが、同社では1件に対して1つのグローバルIPを提供し、ウェブサーバーなどの運用も認める方向と見られる。ただし、FTPサーバーの設置については禁止している。
NTT東西地域会社が2000年12月に試験提供を開始した“光・IP通信網サービス”では通信速度10Mbpsで月額料金は1万3000円となっており、有線ブロードネットワークスのサービスとは大きな差が生じている。実際料金面では、下り1.5Mbpsの“フレッツ・ADSL”(月額6800円)よりも安い。ADSLにおいて、東京めたりっく通信(株)やイー・アクセス(株)などの事業者の攻勢で下がり始めた常時・高速・定額(低額)インターネットの流れは、今回の有線ブロードネットワークスのサービス開始によって、また大きく前進する。