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【PalmSource Tokyo 2001 Vol.1】パーム開発者向けフォーラムが開催――Palm OS 4.0/5.0をデモ

2001年02月14日 23時42分更新

文● 編集部 佐々木千之

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14日、パームコンピューティング(株)が主催し、パームプラットフォームの開発者を対象に、ハードウェアやOSなどの最新情報を伝える開発者会議“PalmSource Forum Tokyo 2001”が東京・赤坂の全日空ホテルで開幕した。明日15日まで開催される。

PalmSource Forum Tokyo 2001の受講料は3万5000円。今回の参加者は千数百人としている。米国で2000年12月12~15日に米カリフォルニア州サンタクララで“PalmSource Conference 2000”が開催されたほか、この1月31日~2月2日までオランダのアムステルダムでも“PalmSource Forum Europe”が開催された。

初日となる今日は、午前中に米パーム社最高執行責任者(COO)のアラン・ケスラー(Alan Kessler)氏や最高マーケティング責任者(CMO)のサジブ・チャヒル(Satjiv Chahil)氏らが基調講演を行なった。

米パーム社最高執行責任者のアラン・ケスラー氏
米パーム社最高執行責任者のアラン・ケスラー氏

基調講演でケスラー氏は、北米の企業の6割がPalm OS製品を企業内の標準プラットフォームとして選択したというデータをあげ、1100万台を超えるPalm OS搭載PDAの出荷を背景にして、PalmがPDAにおける標準の地位を占めたことをアピール。さらに、Palmの発展を支えてきた開発者(※1)がアジア太平洋地域でも1万5000人を超えて増え続けていることを示した上で「Palmがさらに発展できるチャンスはまだまだ膨大であり、大きな目標を掲げ、そこに向かってみなさんパートナーと一緒に努力していきたい」といっそうの協力を呼びかけた。

※1 全世界の開発者数の総計は14万人以上としている。

米パーム社最高マーケティング責任者のサジブ・チャヒル氏
米パーム社最高マーケティング責任者のサジブ・チャヒル氏

続いてチャヒル氏がマーケティング活動について説明し、米国で流されているTVコマーシャルや雑誌の紹介記事、タイガー・ウッズやクラウディア・シファーといった有名人のPalmユーザーを紹介して、Palmブランドの浸透ぶりを強調した。2000年9月に発表された『m100』以降、Palm OSを搭載するすべての製品につけられる“Palm Powerd”ロゴを示し「あの“Intel Inside”のようなものだ」と紹介した。チャヒル氏は1月に開催された2001 International CESでパーム社CEOのカール・ヤンコフスキー(Carl Yankowski)氏が行なった基調講演でも流された“Perfect Day”(※2)と名付けられたビデオを流し、「“Palmのあるライフスタイル”を強調するマーケティングを行なっている」と述べた。

※2 Perfect Dayの内容は、朝から夜まで、さまざまな人々のさまざまな生活のシーンでPalmを使って情報を得るシーンが次々に流れていくというもの。

パームコンピューティング(株)代表取締役のクレイグ・ウィル氏
パームコンピューティング(株)代表取締役のクレイグ・ウィル氏

最後にパームコンピューティング(株)代表取締役のクレイグ・ウィル(Craig Will)氏が、日本市場の現状と2001年の戦略について説明した。2000年の日本のPDA市場においてPalm OS搭載PDAは51%と過半数を占め、さらに成長を続けているという。また、今年半ば以降に登場する次期Palm OS、『Palm OS 4.0』を使って、“My Palm”“Web Clipping”(※3)などのインターネットを経由したサービスを提供するなどとした。

※3 My Palm、Web Clipping:現在は米国で無線通信機能を持った『Palm VII』向けに提供されている機能。Palmのトップメニューの管理や、Palm向けに最適化されたウェブサービスにアクセスできるなどというもの。日本ではPalm OS 4.0以降でサポートするとしている。

Palm OS 5.0が動作していた、ARMプロセッサーを搭載した評価用ボード
Palm OS 5.0が動作していた、ARMプロセッサーを搭載した評価用ボード
ARMプロセッサー上で動作するPalm OS 5.0のデモ
ARMプロセッサー上で稼働するPalm OS 5.0のデモ。画面のチェスプログラムはDragonBall用のプログラムで、エミュレーター上で動作しているという

なお、3氏が次々に登場した基調講演の間を縫うようにして、いくつかのデモンストレーションが行なわれた。Palm OS 4.0ではWindows上のエミュレーターを使い、(株)ウェザーニューズのPalm向けコンテンツにアクセスするデモや、ジャストシステム(株)の『ATOK Pocket』が披露された。また、ARMプロセッサー上で動作する、Palm OS 4.0の次期OS(Palm OS 5.0?)も披露され、開発者の注目を集めていた。

Palm OS 4.0でサポートされるBluetoothを使った対戦ゲーム“Biplane Ace”
Palm OS 4.0でサポートされるBluetoothを使った対戦ゲーム“Biplane Ace”の画面。この後実際にゲームを動作させ1対1で対戦プレーが行なわれた
Palm OS 4.0で動作するATOK Pocketのデモ
Palm OS 4.0で動作するATOK Pocketのデモ。画面上の文章は全部を入力した後で一度にかな漢字変換したもの。右下に“Aあ”と表示されていることにも注意
(株)ウェザーニューズによるWeb Clippingコンテンツの例
(株)ウェザーニューズによるWeb Clippingコンテンツの例。今日の実況天気図が表示されている。このほか、10分ごとに更新される気象レーダーからの雨雲の様子も提供する予定としている

基調講演全体としては、2000年12月の米国でのPalmSourceで行なわれたものとほとんど変わらず、新規の技術情報ということでは少々寂しいものとなった。しかし、カンファレンス会場に併設された展示スペースには、30ほどのブースが用意され、日本でもPalm OS搭載PDAの普及を背景に、パーム社のいうPalmを中心とした市場“Palm Economy”が形成されつつあることが感じられた。

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