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「フェイトオブドラゴン~龍の系譜」極秘取材レポート

「フェイトオブドラゴン~龍の系譜」極秘取材レポート

2001年02月13日 19時15分更新

文● 中村聖司

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「フェイトオブドラゴン~龍の系譜」極秘取材レポート

アイドスインタラクティブ

8800円(3月発売予定)

「三国志」ファンのみなさま、お待たせしました。本場中国で中国人スタッフがもりもり開発している、三国志を題材にしたリアルタイムSLG「フェイトオブドラゴン~龍の系譜」の最新情報をお届け。練りに練ったゲームシステムと妥協のないグラフィックスには脱帽しました。さっそく行ってみよう!

オープニングムービーのワンシーン。

 2001年はやけに「三国志」がアツイ。といっても、これはあくまでも私の中でアツイだけの話なのだが、なんだか困るぐらいに火照っているのである。冷静になって考えてみると、コーエーから春に「三國志VIII」が出るし、週刊モーニング連載の新三国志物語「蒼天航路」も、いよいよ三国志のクライマックス的大合戦“赤壁の戦い”が開幕するし、そしておまけに三国志小説「英雄ここにあり」(柴田錬三郎著、講談社刊)をたまたま読んだら、これが抜群に読ませる内容だったしと、まあこの辺が私を火照らせている主な要因である。
 そんな時に取材したのが、アイドスの秘蔵っ子的大作「フェイトオブドラゴン~龍の系譜」だ。まったく前例のない中国産のタイトルということもあって、実はちょっと不安に思っていたのだが、現実にはまるで逆の結果になった。そこで見たゲーム画面のあらゆる所から感じられた圧倒的なポテンシャルに、ただひたすら驚かされたのだ。思わず半分冗談で「開発期間は4000年でしょうか?」と訊きたくなったほどである。



イメージ画像。これはどこで使われるのだろう。

 最初に強く否定しておくが、フェイトオブドラゴンは、台湾や香港、韓国といった国々にはびこる、パチモノ、マネモノ系のタイトルとはまるで次元の異なる完全オリジナルのタイトルだ。もちろん、リアルタイムSLGとして軟着陸させるために、諸先輩方タイトルの影響は濃厚に受けているが、実は1作目にして勝ちを狙うような大胆不敵な雰囲気が感じられるほど、多彩にして斬新な趣向をたっぷり盛り込んでいる。取材で触れたものは、β版以前の不完全さの残るバージョンに過ぎないので、ゲーム全体を通しての評価というのはまだ下せない。今回は、ポテンシャルの意味する諸要素を中心にご紹介していきたい。



城内/城外に分かれたメインマップ

これが城内マップの様子。吹き出しで民衆がいま何をやっているのか一目でわかる。

 まずはメイン画面を見てもらいたい。「丁寧に描き込まれた建物だなぁ」「村人の頭上に出ている吹き出しは仕事の内容かしら」「見慣れない数値が並んでいるけど?」といった感想を持たれたかもしれないが、この画面の最大の特徴は「レーダーマップが2つある」ところ。そう、フェイトオブドラゴンのマップは「城内」「城外」の2階層に分かれているのだ。この画面は城内で、ここでは村人たちが平和な生活を営んでいる姿がそこかしこに見られ、プレイヤーは空き地に建物を建てて街を整備し、彼らに適切な指示を与えて国を富ませてゆく。軍事ユニットの雇用もこの城内で行い、攻める際には城門を開いて出ていく。城門を出て城内マップの画面端まで移動すると、右側の城外マップに現れるという具合だ。城内は城壁に護られ、入り口も堅い城門で塞がれているため、敵がいきなり侵入して、村人の作業が邪魔されたりすることはない。



これが城門。少し見にくいが城門の内側に数騎のユニットが隠れている。

 この城内/城外システムが、フェイトオブドラゴンの白眉的要素「攻城戦」に結びついている。軍事ユニットが目的の城のある一定の距離まで近づくと、自動的に城内マップの隅に移動する。そこに城内側の軍事ユニットが待機していれば、そのまま野戦に突入することになるが、城外に守備隊がいなければそのままするする進み、やがて城壁を挟んで双方が対峙する格好になる。この“いかにも三国志らしい”演出にまずシビれるが、寄せ手側は投石車や三連弩を用いて城門を破壊しようとし、守城側は弓兵を櫓に登らせ、火矢を放ち撃退に勤しむ。攻城側は、突如城門を開いて、騎馬隊を突出させる戦術もありだろうし、逆に攻城側は火矢の届かないところまで下がり、持久戦に持っていくことも可能だろう(具体的な内容は不明だが、敵が城内マップに侵入している状態だと、何らかの内政ペナルティがある)。これまでのリアルタイムSLGで足りなかった部分は、拠点におけるリアリティの高い攻防戦だと感じていたので、このこだわった仕様にはひたすら感激である。



これは周瑜。武将には6種類のパラメータが用意されているようだ。彼の役職は大都督。

 さて、三国志のおもしろさの秘密は、なんといっても中国全土に散らばる武将たちの神懸かり的な活躍ぶりにある。これら魅力的な武将たちはフェイトオブドラゴンでも登場し、一般兵と同様に自由に動かすことができる。武将の登用の仕方もユニークで、城内に「旅館」を建て、そこに訪れた武将を雇うというもの。旅館には定期的に武将が訪れるようだが、それが周瑜や趙雲クラスの超一流武将なのか、名前すらよく思い出せないようなダメ武将なのかは、確認してみるまでわからない。グラフィックスも特別優れたものが用意されているわけでもなく、旅館の隣にいる騎馬武者をクリックしていくと、実は張飛だったり諸葛亮だったりして、彼らを特別扱いはまるでしていない。このいかにも中華料理風(?)のシステムも豪快で好感が持てるが、さらに武将には個別の能力があり、固有の特殊能力(敵ユニットを1撃で倒せるなど)やLVアップにより能力の向上を行える。彼らの評価の日本と本場中国との感覚の“ずれ”も、我々にとっては密かな楽しみのひとつだろう。

 考え方として非常に興味深いと思ったのは、武将の能力が「忠誠心」によって向上するシステムで、忠誠心は恩賞を与えたり、より高位の官職に就けることにより上げられる。また、これはSSIの「WARLORDS BATTLECRY」など、ほかのリアルタイムSLGでも搭載されていて、フェイトオブドラゴンが初めての試みではないが、武将が刀や槍、弓で武装する一般兵ユニットを率いると、彼らの攻撃力や防御力がアップする効果がある。つまり、武将たちには進んで最前線でガンガン戦ってもらう必要があるわけだ。そのまま敵の撃退に成功すれば、LVアップして彼個人の能力も上がり、ひいては全軍も強化されると、まるでいうことナシだが、当然のことながら戦死する場合もある。武将たちはもともとHPや防御力も高く、一般兵よりは強めに設定されているが、それでも槍兵の集団に取り囲まれれば、やっぱり死ぬ。フェイトオブドラゴンでは、武将たちをいかに死なせずに最前線に立たせ続けるかという部分での戦術的な駆け引きも存分に楽しめそうだ。「なに! また趙雲がいるぞ」みたいなね。



これは孫策。HPが130。MPらしき数値も確認できる。MP80を使用して「防御力強化」の特殊能力が使えるようだ。
レベルアップ後の孫策。HP230、MP160と強化され、特殊スキルもひとつ増えている。

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