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「フェイトオブドラゴン~龍の系譜」極秘取材レポート

「フェイトオブドラゴン~龍の系譜」極秘取材レポート

2001年02月13日 19時15分更新

文● 中村聖司

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6つの物資。酒は寺などに寄進すると御利益があるらしい。

 さてさて、少し落ち着いたところで(興奮しているのは私だけですか?)、もう少し細かいところを見ていこう。フェイトオブドラゴンには、3つの国が用意される。曹操率いる「魏」、劉備率いる「蜀」、孫権率いる「呉」の3つである。流通する物資は「穀物」「食肉」「木材」「鉄」「食物」「酒」の6つで、それに加えて現金も別に用意される。プレイヤーには、君主ユニットと城、それから一定の物資/資金が与えられ、権能をふるって富国強兵に勤しむ。ここまでは、「Age of Empires」など、ほかのリアルタイムSLGとほぼ同じだが、フェイトオブドラゴンでは、いわゆる“村人”の生産はまったく行えない。



いゃんなイベント、地震の発生。救援物資を提供すれば民衆は助かるが、さてどうする?

 といっても、曹操だけが建物を建てられるというようなファンタジーなシステムではなく、きちんと民衆という形で城内に存在していて、普通に命令を下すことができる。ただし、彼らは非常に流動的な存在で、プレイヤーは都市ごとに「税率」を定め、これによって資金を調達するのだが、これが高すぎると、城外へ逃散したり、建設担当の人夫が反乱を起こしたりする。また、ゲーム中地震や干ばつといった天災も発生し、天災に悩む民衆に対して適切な対処が行えなければ、税率が低くてもやっぱり反乱するのである。逆に税率をゆるくし、天災に適切な対処を示せば、次第に都市に人が参集し、大規模な内政作業の施行や安定した税収を確保できるという案配。民衆は1都市につき、最大8万人まで増やせる。また、ゲームには時間と四季の概念があり、1日の時間帯や季節に応じた対策を練る必要があるようで、プレイヤーが考慮すべき要素は驚くほど多い。



これが城外マップから見た、城のグラフィックス。AoKの部族の象徴なみのデカさがある。

 ゲームの勝利条件は、城外マップの隅のほうにある、城に大軍を率いて侵入し、砲撃兵器で城門を破壊し、向かい来る敵部隊を撃退し、最後に城内の中央に鎮座する「州府」を占領すればいい。すると、その城と城に住む民衆を味方にできる。ただ、州府を陥としたあとの敵部隊は「残党」という扱いになり、さらに彼らを攻め滅ぼす必要があるようだ。

橋にたむろする軍事ユニットたち。橋のたもとの露出した地表の表現など、実にうまい。

 最後にデモを見た率直な印象を述べておくと、大きな城外マップに複数の城内マップが併存するという、例を見ない戦場のどでかさにまず圧倒されたが、ユニットたちはかなり足が速く、たとえば騎馬などはいかにも“疾走”するという表現が似合う軽快な足取りで、ゲームの展開は意外なほど早い。それでも、これはあくまでシングルプレイの話だが、「赤壁の戦い」規模のシナリオになると、クリアまでゆうに数時間は掛かるという。マルチプレイは最大8人までの同時参加が可能で、それぞれ城をひとつ与えられた状態から一斉にスタートする形になるようだ。



オープニングムービーその2。とにかく圧倒的なスピード感な心地いい。

 シングルプレイでは、そのシナリオのキーとなる武将がセリフを喋るが、中国語の音声と中国風の枠で縁取りされたウィンドウに日本語訳がスライド表示される形で進行していく。人と建物は、驚くほど正確な縮尺で描かれ、ユニットたちは畑を耕したり、養豚作業に従事していたり、数カ所を巡回していたりしていた。いずれも自然ないい雰囲気で満たされており、早くひととおりプレイしてみたいと強く感じた。オープニングムービーは、全般を通して見ることができたが、実に素晴らしい出来映えだ。失礼を承知でいえば「中国にこれほどのセンスと技術力を持った3DCGクリエイターがいたのか!?」と思ってしまった。CGとはいえど、それ臭さはまるでなく、砂埃を巻き上げながら疾走する騎馬隊の大集団、軍勢の後ろではためく大軍旗、名のある武将らしき者同士の撃剣の交わし合いなどが、記憶に残る主なイメージだが、いずれも三国志ファンの脳裏にある劇的要素を驚くほど具体的なイメージで表現しており、日本でもまるで問題なく通用するクオリティだった。アイドスインタラクティブの「フェイトオブドラゴン」。十分期待してていいですよ。



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