熱伝導率を高めるためにヒートシンク全体に銅を使ったもの、あるいは銅とアルミのハイブリッド製品など、今となってはCPUクーラーに銅を用いることは珍しくなくなった。これほど製品が増えてくると銅をプラスしたというだけでは、あまりインパクトがないと言えるのも事実だ。
ただし、山洋製のクーラーが銅を使いだしたとすれば話は別だ。リテールファンとしてアルミのヒートシンク+プロペラファンを頑なに守り続け、他のメーカーが次々に形状、材質に変化をつけてくるのを尻目にオーソドックスなスタイルを維持してきたSAN ACE MCシリーズ。今回、そのSAN ACE MCのPentium 4用新製品に銅が使われているのである。
念のため本当に山洋製品であるかどうか(ファンだけではないかどうか)を山洋電気本社に確認してみたが、どうやら間違いないようだ。
底面に厚さ5mmの銅板がついている |
型番は「109X9712S5016」(CPU-P4HC)。サイズは88.9(W)x63.5(D)x55.4(H)mm。銅板はクーラー底面にはり付けられている。その厚さも約5mmあり、いかにも熱伝導率が高そうだ。さらに驚くのは、アルミのヒートシンクのフィン形状が、これまでとは全く違う点だ。その形状は「これで銅だ!」や「KA-0221」に似ているように思えるが、フィンは銅板にロウ付けされている点が決定的に違う。
フィンの形状もがらりと変わった |
ファン自体は、すでに市場にでているPentium 4用クーラー(従来製品)とは違い、5000rpmの単スピードファンとなっている。注意したいのは、販売されている製品には固定金具が付属していないという点。価格はCUSTOMと高速電脳で4980円。なお高速電脳では近日販売予定となっている。
また、こちらも山洋製のクーラー(銅は使われていない)だが、FC-PGA・Socket370用で、高さが31mmという薄型クーラーが2種類販売されている。型番は「109X7612S2016」(CPU-F1S)と「109X6512A2016」(CPU-K9S)。前者が68(W)x67.3(D)mmで、後者が64(W)x50.8(D)mmといったサイズだ。価格は「109X7612S2016」(CPU-F1S)が高速電脳で3600円、CUSTOMで3780円。「109X6512A2016」(CPU-K9S)が高速電脳で3400円、CUSTOMで3480円となっている。
【取材協力】