![]() |
---|
ATI Technologiesの主流製品であるビデオカード“RADEON”ファミリに、新製品が現れた。型番は「RADEON LE」。VRAMに32MBのDDR SDRAMを搭載している。
これまでリリースされている主な製品を列挙してみると、
- RADEON 64MB DDR
- RADEON 32MB DDR
- RADEON 32MB SDR
- RADEON VE 32MB DDR
- ALL-IN-WONDER RADEON
今回登場したRADEON LEはどうやら、RADEON VEの廉価版にあたるようだ。
![]() |
---|
ATIのウェブサイトによると、RADEON VEに使われているグラフィックスエンジンの名は“RADEON VE”となっており、従来のRADEONとは区別されているのが分かる。そしてRADEON VEはDDRメモリを搭載しながら他のRADEONファミリ製品より動作クロックが低くなっている。VRAM 64MB版のRADEONでは183MHz、VRAM 32MB版やALL-IN-WONDERでは166MHzでコアとメモリが駆動しているのに対し、RADEON VEではコア/メモリともにその動作クロックは148MHzとなっている。
そのRADEON VEと同じく、RADEON LEも調べてみるとメモリクロックは148MHzとなっていた。そしてRADEON VEではDualDisplayに対応しているのに対し、RADEON LEではVGAコネクタが1つだけで、TV出力端子もS端子もない。つまり廉価版となっていると判断できる。
![]() |
---|
Samsung製のDDR SDRAMを搭載している |
基板上にはTV出力用と見られる端子の跡が残っており、チップ構成自体はRADEON VEと共通しているもよう。またコアの発熱が低いためか、ファン付きヒートシンクではなく、ヒートシンクのみとなっている。
それでもナゾは残る
RADEONコアとRADEON LEコア(=RADEON VE)の違いなのだが、クロック以外にも3Dアクセラレート周りに違いがあるようだ。主な機能の比較をしてみると、
機能 | RADEON | RADEON VE |
---|---|---|
Charisma Engine | ○ | × |
Pixel Tapestry | ○ | ○ |
Video Immersion Technology | ○ | ○ |
HyperZ Technology | ○ | ○ |
Superscalar Rendering | ○ | × |
Full-Screen Anti-Aliasing(FSAA) | ○ | × |
![]() |
---|
ただし、ATIのスペック表では非サポートとなっているハードウェアT&Lだが、ベンチマークソフト「3DMark2000」を走らせてみたところでは、どうやらRADEON LEでも対応しているようだ。いよいよもってナゾのビデオカードである。
以下、参考までに3DMarkのベンチマーク結果を紹介する。
テスト環境 | |
---|---|
マザーボード | Iwill BD100plus(i440BX) |
CPU | Pentium III-600MHz |
メモリ | PC100 SDRAM(128MB) CL=2 |
OS | Windows 98SE |
3DMark2000 Result | |
スコア | 解像度 |
3384 | 1024×768/16bit/HardwareT&L |
3208 | 1024×768/32bit/HardwareT&L |
2047 | 1280×1024/16bit/HardwareT&L |
この製品はNvidiaのGeForce2 GTSに対するGeForce2 MXと同じ扱いと捉えていいだろう。32MBのDDRメモリ搭載という魅力的なスペックを持ちながら動作クロックを低く抑え、安価に供給するための、そして低価格ビデオカード市場におけるNvidiaの1人勝ち許さないための戦略商品とも言える。GeForce2 MXが席巻するアキバへ打って出るには遅きに失した感がなきにしもあらずだが、実売価格は1万3000円台と、互角に渡り合える価格設定なのは確か。ATIの発色を好む人や、Nvidia全盛の世の中に飽きたらなさを感じる人にとっては魅力的な製品だ。
8日現在の価格情報
価格 | ショップ |
---|---|
\13,300 | PCiN秋葉原 |
\13,500 | CUSTOM |
\13,800 | 高速電脳 |
