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パンツァージェネラルIII スコーチドアース完全日本語版

パンツァージェネラルIII スコーチドアース完全日本語版

2001年02月06日 19時00分更新

文● culi

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パンツァージェネラルIII スコーチドアース完全日本語版

Strategic Simulations Inc/メディアクエスト

予価7980円(5月31日発売予定)

初めてマップが3D化された前作「パンツァージェネラル3D」(PG3D)の戦場は、フランスの平原や北アフリカの砂漠だったから、「筋金入り」のPGファンとしては、そろそろ前々作「パンツァージェネラルII」(PGII)の舞台、ロシアの冬将軍が懐かしくなってきた頃合いではなかろうか!? ――お待たせした。我々はついに、あの「大地」へ帰ってきたのだ。

定番、東部戦線をテーマにした
3Dウォーシミュレーション

 「パンツァージェネラルIII」(PGIII)では、第二次大戦の東部戦線における、ヒトラーとスターリンという2人の独裁者が率いた独ソ両軍の死闘が、美麗な3Dマップ上で展開される。PGIIと同様に、その最終目標はクレムリン、もしくはベルリンの総統官邸。そして、PG3Dのもうひとつの新機軸、「リーダー」(指揮官)システムも健在だ。プレイヤーは個性的な部下たちの健闘に支えられつつ、広大なロシアの戦場を渡り歩くことになるだろう。

これが「パンツァージェネラルIII」のマップ画面。
これもPGIIIのマップ? いやいや、これは実は「パンツァージェネラル3D」のマップ画面だ。上下の画面を比べてみると、PGIIIも、PG3Dと同じ3D描画エンジンがベースになっているのがよくわかる。

 PG3Dの目玉、メインマップを自由自在に拡大/縮小、回転できる機能は、PGIIIでももちろん実現されている。各部隊(ユニット)の攻撃シーンはアニメーションで表示され、たとえば上空を飛ぶドイツのシュトゥーカ(Ju-87)は、お家芸の急降下爆撃を見せてくれる。部隊が大損害を受ければ、煙や炎を噴き上げる。さらに、ロシアの気候の厳しさはご存じのとおり。ある時は濃霧が立ちこめ、ある時には雨や雪が降り続くロシアの雰囲気が、かなりそれっぽく表現されている。戦況が苦しくなれば、本当のドイツの将軍たちのように陰鬱な気分に浸れること請け合いだ。

最大まで拡大したマップと、その場で右に約90度回転したもの。マップにはほんの少し遠近感が付いており、上下に移動すると町などが遠ざかる/近づくように見える。
戦略マップ。メインマップは一杯まで引いてもそれほど広い領域を表示できないので、攻撃ルートを検討するときなど、PGIIIでも戦略マップの重要性は変わらない。
拡大してみないとたぶんわからないが、マップ上に雨がしとしと降っている(何本かの短い縦筋が雨)。
こちらはおなじみ、ロシアの冬将軍。PGIIIでは「嵐だから爆撃できない」といった天候条件が見た目で把握できる。

キャンペーン制覇を目指すもよし
架空の戦いを組み立てるもよし

キャンペーンの選択。「マンシュタイン」「グーデリアン」「ジューコフ」まではご存じの方も多いだろうが、「コーネフ」はややマイナー過ぎるか?

 PGIIIのシナリオは20以上、中には第二次大戦末期の米ソの衝突という仮想戦も含まれている。実のところ、PGIIIにも米英軍のユニットデータが入っていて(ユニットの種類は全部で100以上)、シナリオ作成機能「Battle Generator」を使えば、米英独ソ4カ国を自由に組み合わせて戦わせることもできるのだ。
 キャンペーンは、独ソ各2つの計4本が用意された。例によって、シナリオ規模の戦役をこなし、その戦果次第で次に選べる戦役が変わる(ハズ)。史実より大きな戦果を上げていかないと、ドイツ軍のモスクワ攻略は厳しいだろう。ちなみに、プレイヤーが赤軍(ソ連軍)を指揮するときは、ドイツの奇襲侵攻(バルバロッサ作戦開始時)からキャンペーンが始まるのだが、ドイツ軍を指揮した場合は、第二次大戦開戦直後のポーランド戦から開始される(ただしポーランドの次はいきなりバルバロッサ作戦に飛ぶ)。



キャンペーンでは、東部戦線のマップ上に自分の戦歴が記録されていく。この画面のように、2ないし3つの戦役から1つ選ぶパターンも多い。

 また、小さな改善だが、部隊を自動的に配置する機能が付いた。コアなPGファンなら周知のことだが、PGシリーズでは、(1)部隊のスタック(同じ場所への重ね合わせ)ができないこと(航空機は例外)、(2)移動/戦闘が部隊ごとにその都度解決する方式であること、(3)軍人将棋のように兵科によって有利/不利な相手の兵科があることなどから、各部隊をどう配置し、どの順番で移動(偵察)させ、発見した敵にどの部隊が攻撃するかによって、戦果/損害が大きく変わってしまう。この「段取り」というか「ツボ」をある程度習得しないと、キャンペーンの戦局を有利に進めるのは難しい。今回、初期配置が自動化されたことで、初心者にとってはこのハードルが少し低くなったのではないだろうか。

 「リーダー」についても、PG3Dとほぼ同じシステムを採っている。簡単に言うと、すべての部隊では歩兵/戦車/偵察など兵科別のリーダー(指揮官)が指揮を執る。リーダーは階級に応じた「アクション数」を持っており(「昇進」させればアクション数が追加される)、部隊はこのアクション数を消費することで行動(移動、戦闘、その他)するのだ。アクション数の多いリーダーが率いた部隊なら、1ターンの間に、移動して敵を2回連続攻撃してから塹壕を掘る、といった柔軟な行動を取ることができる。また、「戦術家」「強行偵察」「全天候」「先制攻撃」などなど、戦闘に有利な技能を多数持つリーダーが率いる部隊のほうが諸事有利になるのは言うまでもない。プレイヤーと苦楽を共にしたリーダーには子飼いの愛着も生まれるだろうし、優先的に新兵器を与えたりすることも自由にできる。
 ただし、部隊が全滅した場合、それを指揮するリーダーは一定の確率で戦死してしまう。部隊の交代や補充のタイミングには細心の注意が必要だ。



部隊の編成画面。リーダーの顔の右にある十字の数がアクション数。戦果に応じてプレイヤーに配分される「昇進可能数」を使い、この画面でリーダーの昇進も実行できる。

 全体的に見ると、ほぼ完成されたPG3Dのシステムと、PGシリーズ伝統の「お手軽・東部戦線キャンペーン」という命題をうまくミックスしたタイトルに仕上がっているようだ。筆者は、どちらかというと西部戦線派で、東部戦線に思い入れはあまりないが、それでも十分に楽しめている。もちろん、日本に数多い(といわれる)東部戦線ファンは、4月の発売日に即、ショップに走るのが「吉」だろう。

開発元 Strategic Simulations Inc
発売元 (株)マイピック(メディアクエスト)
問い合わせ先 03-5805-3629
価格 予価8800円(4月上旬発売予定)
対応OS Windows 95/98/Me+DirectX 7
CPU PentiumII-233MHz以上
メモリ 64MB以上
ビデオ 800×600ドット/6万色以上(Direct3D対応)
HDD 未定
CD-ROM 4倍速以上(起動時必須)
マルチプレイ 最大4人までの通信対戦(TCP/IP、LAN)

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