このページの本文へ

プレーンシフト日本語版発売情報

プレーンシフト日本語版発売情報

2001年02月05日 23時04分更新

文● 中村聖司

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷
「プレーンシフト」のブースターパック。15枚入りで500円。

 世界で600万人のプレイヤー人口を誇るトレーディングカードゲーム「マジック:ザ・ギャザリング」の新しい拡張カードセット「プレーンシフト」が、ついに2月7日よりホビージャパンより発売される。2000年10月に発売された「インベイジョン」のシリーズ続編となるプレーンシフトは、全143種類のカードから構成される小型のカードセットだ。

 今週末、飲食店や街角、それに本屋の店先で妙な違和感をたびたび感じた。小中学生たちがイスや地べたにどっかと腰を下ろして、まさになりふり構わずといった体で雑誌を黙々と読んでいるのだ。友人同士でなにやら真剣な議論を交わしあっていたり、あるいはお母さんが雑誌に集中している息子を尻目に退屈そうにコーヒーを啜る姿なども見られ、とにかく尋常な雰囲気ではないのである。

 子供たちが無敵の集中力を発揮するのは、いつの世も“遊びの時”と相場が決まっている。が、さて何に集中しているのだろう。私個人の経験から言うと、“「ドラゴンクエストIII」の購入直後のマニュアルチェック”に匹敵する集中力を発揮しているご様子だが、本屋に入ってみてようやく事情がわかった。「月刊ゲームぎゃざ 3月号」(ホビージャパン刊、2月2日発売)の特集“プレーンシフト最強カード分析”を読んでいるのだ。いやはや凄い凄いと思いつつ、自分も立ち読みの輪に加わる中村であった(あとでちゃんと買いましたよ)。

 さて、それではプレーンシフトの中身の紹介に入るが、以下では、マジックの概要やルールに関する専門用語が頻用される。が、それらに関しては書き出すとキリがないので、ある程度は割愛させていただくことにしたい。それらの詳しい情報に関しては、関連項目のレビューを参照していただくか、同社の公式サイトで「Magic:The Gathering」のルールのページを参照していただきたい。
 プレーンシフトのカード総数は143種類。インベイジョンや現行の基本カードセット「第6版」の350種類と比べると、かなり少ない印象があるが、これはプレーンシフトはインベイジョンシリーズの第2弾として、インベイジョンに継ぎ足すための“文字どおりの拡張セット”という扱いであるためだ。もちろん、プレーンシフトのみでデッキを組むこともできるし、買ってすぐに遊べるテーマデッキも4種類が用意されている。ちなみに同シリーズは第3弾「アポカリプス」(2001年6月発売)まで予定されており、この3つでシリーズ完結となる。

 プレーンシフトは、インベイジョンより復活した「キッカー」(※1)呪文や多色カード(※2)などもそのまま引き継がれ、新たに「開門」「使い魔」の要素が加わり、さらに戦術性が高くなっている。今回、特に顕著なのは多色カードの充実ぶりで、1~2色のデッキがいよいよ組みにくくなっている。それを象徴しているのがアーティファクトクリーチャー(※3)「ドラコ」で、9/9という凄まじい能力を備えたレアカードだが、マナコスト(※4)がなんと16。ただし、場にある基本土地1種類につき、マナコストが-2されるという特例付き。つまり、単色デッキならマナコストが14掛かるところを、5色デッキならたったの6で済むというわけだ。ホビージャパンの公式サイトでは、プレーンシフトの全カードリストの公開が始まったほか、傾向と対策系の読み物がたっぷり掲載されているので、興味のある方はぜひチェックしてみるといいだろう。

 結論として、プレーンシフトは、量的にはそれほどではないが、デッキの大幅な再構築を迫られること必至のインパクト抜群のカードセットといえるだろう。マジックに関するデジタルな素材としては、2000年にPCゲームとしてはメディアクエストから「マジック:ザ・ギャザリング オンラインプラス」が発売されているほか、2001年にはドリームキャストで「Magic:The Gathering」の発売が予定されている。前者のカードセットは第4版以前の少し古いものが使用されているが、マジックのルールを覚え、その楽しさを知るには最適な1本だ。後者は、正確な発売日が未定なのが残念なところだが、現行基本カードセットの第6版を搭載しており、発売が楽しみな1本である。

※ 「キッカー」 手札から場に出す際に、通常のマナコストとは別にキッカーコストを支払うことで、本来の能力だけでなく、追加の能力を得ることができるルール。

※ 多色カード 複数の色を属性として持っている呪文カードのこと。単色のカードより、効果の高いものが多いが、キャスティングにも複数の色が必要で、カードの属性に応じて基本土地カードも揃える必要があるため、使い方が難しい。

※ アーティファクトクリーチャー 読んで字のごとく、クリーチャーとして場に出せるアーティファクト。アーティファクトとは、偉大な人物が造った秘宝や魔法使いが生み出した道具などのことで、場に出すことにより、特殊な効果を発揮する。無色(何色でもいい)のマナで唱えられるため、デッキに組み込みやすいのが特徴。

※ マナコスト 呪文を唱える(カードを場に出す)のに必要なマナの数量。カードの右上に記載されている。たとえば「黎明をもたらす者レイヤ」のマナコスト“6白白白”は、白マナ3と無色マナ6が必要であることを指している。

(株)ホビージャパン
問い合わせ先 03-3354-1418



カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

ASCII.jpメール アキバマガジン

クルマ情報byASCII

ピックアップ