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コンパックと富士通、ストレージシステム分野で協業、両社でSANの標準化を推進

2001年01月31日 17時19分更新

文● 編集部 桑本美鈴

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コンパックコンピュータ(株)と富士通(株)は31日、日本市場におけるSAN(Storage Area Network)分野でのストレージシステムを中心としたSIビジネスを推進するため、両社のストレージシステム製品とサービスの相互提供と技術協力を行なうことで合意したと発表した。両社は今回の合意に基づき、ストレージシステム製品群とサービスの相互提供を行ない、日本市場におけるストレージ統合を中心としたSIビジネスを展開する。これにより顧客ニーズに対応した幅広いサービスを提供できるという。

発表会で握手を交わすコンパックの河合取締役副社長(左)と、富士通の宮沢常務取締役

また両社は、SANの標準化推進に向けて協力することでも合意、ストレージおよびSANに関する業界標準化団体“SNIA(The Storage Networking Industry Association)”における活動を通じ、技術的な協力を行なう。その第1歩として、富士通は、コンパックが提唱する次世代仮想ストレージ技術“VersaStor”を支持するとし、富士通のストレージシステム『Storplex』の関連製品へ今年後半を目処に適用するべく協議を開始したという。VersaStorは、米コンパックコンピュータ社が2000年6月に提唱したOpenSAN(複数メーカーの異なるストレージシステムやテープライブラリなどを統合するストレージ構想)環境を実現する次世代テクノロジー。

コンパックと富士通は、ストレージシステムと関連ソフトウェア、およびサービスを相互に提供。また、両社がSIビジネスで相互の製品を速やかに取り扱えるよう、接続検証も行なう。これは、コンパック製Alphaサーバーと富士通製ストレージシステムの接続/動作検証、富士通製のUNIXサーバーとコンパック製ストレージシステムの接続/動作検証、およびSAN管理用ソフトウェア製品の検証を行なうもの。接続検証は、コンパックの天王洲本社ストレージ製品コンピテンシー・センターと、富士通沼津工場インター・オペラビリティ・センターで3月初旬に実施される。

また、SANの標準化推進においては、両社のSAN製品が相互に接続できるよう、米コンパックのEnterprise Storage Customer Centerに、SNIA Storage Network Technology Centerを2月1日(現地時間)に併設、そこに富士通のストレージシステム『GRシリーズ』を設置し、共同で検証作業を行なう。

本日都内ホテルで行なわれた発表会で、富士通常務取締役ファイルシステム事業本部長の宮沢達士氏は、「今回の協業はわれわれのストレージシステム戦略で重要な位置を占める。全てを1社で行なうのは難しい時代であり、戦略面でもパートナーシップが重要だ。2003年には日本のストレージ市場でNo.1、ワールドワイドでトップ5の地位を確立したい」と挨拶。

またコンパック取締役副社長の河合聰氏は、「日本のストレージマーケットにおいて画期的な日になるだろう。今回の協業は、競争をしないという意味ではない。競合は今後も続くが、ストレージシステムは標準化を進めなければならない。その上で望ましいパートナーが富士通だった」とそれぞれ語った。



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