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PCV-RX71K

PCV-RX71K

2001年02月07日 15時23分更新

文● 山崎

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本格的動画編集のためのソフトを豊富にプリインストール

 VAIOではハードウェアスペックと同様に、プリインストールソフトもマシンのグレードに合わせた差別化が行われており、PCV-RX71KではOSにWindows 2000 Professionalを採用するのをはじめ、最上位機種らしく充実したソフトウェアのラインナップを誇っている。

Giga Pocket Ver.4.0画面
TV番組やビデオ入力映像の録画/再生を行う「Giga ビデオレコーダー」は、下部にフィルムロールを表示でき、観たいシーンを素早くサーチできる。また、新たにMPEG1/2の同時録画に対応するなど使い勝手が向上している。

 TV番組の録画や録画したファイル(ビデオカプセル)の管理を一元的に行う「Giga Pocket Ver.4.0」は、アナログ動画を扱うためのソフトだ。TV番組やビデオ入力端子からのアナログ映像のほか、TVチューナ内蔵MPEG2エンコーダボードに取り付けられている「メディアコンバータ」を利用して、i.LINK端子から取り込んだDV動画をハードウェアでアナログ映像に変換してMPEG1/2形式で記録することができる。今回のバージョンアップでは、MPEG1とMPEG2の2つの形式での同時録画が可能になっており、HDDの空き容量が充分あれば、高画質のMPEG2で鑑賞した後、CD-RやCD-RWなどの外部メディアに書き出すときにいちいちファイル形式を変換(MPEG2→MPEG1)することなく、すぐさまMPEG1形式で保存することできる。これで従来のようにMPEG2で記録した映像をわざわざMPEG1形式に変換する手間と時間が省けるようになった。

 またGiga Pocket Ver.4.0では、「インターネットTVガイド」などのiEPGに対応したTV番組表を利用して、マウスでクリックするだけで録画予約を行えるほか、PCV-RX71KをRASサーバとして設定しておけば、外出先からダイヤルアップして録画予約を可能にする「リモート予約機能」も搭載する。さらにソニーコミュニケーションネットワークが運営するテレビ番組情報Webサイト「テレビ王国」のリモート録画予約サービスを利用して、iモード端末から自宅のPCV-RX71Kの録画予約を行うためのソフト「iRCommander」もプリインストールされた。インターネットに簡単に接続できるPCならではのメリットを最大限に活用した、家庭用ビデオデッキには不可能な多彩な録画予約機能を搭載している。録画予約はHDD容量に空きがある限り、何件でも何年先の番組でも予約しておける点でも、家庭用ビデオデッキに差を付けている。

 アナログ映像を扱うGiga Pocketに対し、「DVgate Ver.2.2」はDV動画の取り込みを行うソフトだ。取り込んだDV動画はノンリニア編集が行える「Adobe Premiere 5.1 日本語版」で自由自在に加工し、オリジナルビデオの編集ができる。フォトレタッチソフトの「Adobe Photoshop 5.0 LE」でテロップやタイトルなどに工夫を凝らし、AVIファイルの音楽トラックを編集する「DigiOnSound Light」でBGMや効果音にもこだわった、本格的な映像作品の作成に挑戦してみるのもいいだろう。できあがった作品は再びi.LINK端子経由でDVテープに書き戻したり、DVgate Ver.2.2を利用してMPEG1/2ファイルに変換し、MPEGオーサリングソフト「DVDit! LE」でオリジナルのDVD-VideoやVideo-CDを作成することも可能だ。



PCV-RX71Kの前面および背面
フロントパネルにはTV入力(コンポジット/S-VIDEO)、オーディオ入力、i.LINK(4ピン)、USB×2、PCカードスロット(TypeII)などを備える。TV入出力端子(コンポジット/S-VIDEO)は背面にも装備する。PCIスロットはMPEG2エンコーダカードとモデムカードで2本を消費し、空きは1スロットのみ。

 さてPCV-RX71Kの使用感だが、実際に触ってみてまず驚かされたのは、動作時の静音性の高さだ。本体にはCPUファンと電源ファンの2つのファンを装備しているが、電源ファンは12cmサイズの巨大なタイプを採用しており、ケース内の温度に応じて5段階に回転速度を制御しているため、マシンへの負荷が低く発熱が抑えられている場合は、ファンの回転速度が低くなり風切り音はまったく気にならない。評価機のHDDは、MaxtorのDiamondMax 80(98196H8)が搭載されていたが、こちらは特に静穏性を高めるような工夫は見られず、ごく普通にマウンタに固定してシャーシに取り付けてあるだけなのだが、HDDの回転音やシーク音も意識していないと聞こえない程度で、ちゃんとHDDにアクセスしているかどうか、いちいちフロントのアクセスランプを確認してしまうほどだった。DVD-VideoやTV番組の鑑賞に非常に適したPCであると言えよう。

 パフォーマンスについては、Adobe Premiereでの、8個のエフェクトを利用した30秒程度のAVIファイルのレンダリングにかかった時間を、前モデルPCV-RX70K(PentiumIII-1BGHz)と比較してPentium 4の実力を測ってみた。PCV-RX70Kでは3分33秒かかった処理が、PCV-RX71Kでは2分43秒で終了し、こうしてレンダリングしたAVIファイルをソフトウェアでMPEG2ファイルに変換してみたところ、PCV-RX70Kでは52秒かかったが、SSE2対応の新しい変換エンジンを搭載したPCV-RX71Kでは39秒ほどで終了した。今回のテストでは、比較的処理に時間の掛かりそうな3D系のエフェクトを多用してみたのだが、Pentium 4の処理能力の高さが際だった結果となった。ただし、AVIファイルのレンダリングでは、単純なワイプなどのエフェクトでPCV-RX70Kの方が高速に処理できる場合もあり、すべてにおいてPCV-RX71Kが常に高速に処理できるというものではないことも確認できた。とはいえ、マルチメディアデータを処理するためのPCと言っても過言ではないPCV-RX71Kでは、ほかの一般的なPCよりも、Pentium 4の搭載によるパフォーマンスアップの恩恵をより多く享受できる。

 映像を扱うためのハードウェアとソフトウェアが高いレベルでパッケージングされたPCV-RX71Kは、動画編集という目的を持ったすべてのユーザーにお勧めできるPCである。実売価格は35万円程度で、現在最速のPentium 4-1.5GHzを搭載するとはいえデスクトップPCとしては非常な高価なマシンだが、それだけの内容が詰め込まれた、映像を扱う楽しさを思う存分満喫できるマシンであることは間違いない。

ビデオカードおよびMPEG2エンコーダボード
右がGeForce2 MX搭載のビデオカード、ASUSTeK製「AGP-V7100」。DVI-D端子を装備しており、デジタル液晶モニタにも対応する。左がTVチューナ内蔵MPEG2リアルタイムエンコーダボード。そばにあるドータカードがアナログ映像とDVの相互変換を行う「メディアコンバータ」。
CPU Pentium 4-1.5GHz
メモリ 128MB
ビデオ GeForce2 MX
HDD 80GB
CD-RW R12倍速/RW8倍速/CD32倍速
DVD-ROM DVD16倍速/CD40倍速
通信 モデム/LAN
OS Windows 2000 Professional
モニタ
Officeアプリ

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