マイクロソフト(株)は30日、本社に報道関係者を集めて“Xboxプレスセミナー”を開催した。開発用マシンを使ったグラフィックスデモなどが披露されたほか、グラフィックスチップの設計が終了したことなどが明らかにされた。
マイクロソフト、Xbox事業部アドバンストテクノロジーグループの吉岡直人マネジャー |
今日のセミナーでは、マイクロソフト(株)Xbox事業部アドバンストテクノロジーグループ(ATG)、マネジャーの吉岡直人氏が説明を行なった。Xbox事業部はリテール営業部、パートナー営業部、ATG、マーケティング統括部、政策統括部の5部からなる。ATGはその中で、Xboxのゲーム開発者のサポート、開発チームへのフィードバック、開発における問題の発見と告知、開発者向けの技術説明会などを担当しているという。この説明会は2000年11月から行なわれており、今月からは毎月開催される。対象となる開発メーカーの名前や数については、昨年のXbox発表時における「日本で50社、日本を含めた世界中で200社以上」とするにとどまった。
吉岡氏はまずXboxのハードウェアについて、説明を行なった。1月初旬のCESで、Xboxの形状が発表されたときに話題となった、日本向けにコントローラーサイズなどを見直すのではないかということについては、肯定し、現在日本向けに設計している最中であるとした。ただ、設計で変更されるのは形状のみでボタンなどコントローラー自体の機能については、世界共通であるとしている。また、Xbox筐体前面に4つある周辺機器ポートは、USB V1.1インターフェースに準拠しているが、独自形状のコネクターとなっており、PC用のUSB機器がそのままつながるわけではないという。ただ、コネクター仕様をサードパーティーに公開することで、ユニークなコントローラーなどが登場する可能性については否定しなかった。
Xbox筐体の前面中央にあるのがディスク取り出しボタン(上)と、電源ボタン(下) |
コントローラーには、バイブレーションモーター2個が内蔵される。上部には拡張機能用スロット2つがあり、データ保存用メモリーやセンサーなどの拡張デバイスが接続できるとしている。左上と右下には“アナログサムスティック”が用意される。またすべてのボタンはアナログスイッチで、圧力を関知できるもの。中央下にあるのはスタートボタン(右)とバックボタン(左) |
Xboxの背面中央右に用意されるA/Vインターフェースは、コンポジットビデオ、S映像、HDTV、SCART(ヨーロッパのビデオ・オーディオ信号規格)、アナログオーディオ(ステレオ)、SPDIFcの各信号が出力可能 |
Xboxのメモリーアーキテクチャーについては「メインメモリー、グラフィック用フレームバッファ、サウンドバッファは共有するユニファイドメモリーアーキテクチャー(UMA)をとる。これまでUMAは(メモリーアクセスなど)ボトルネックとなる部分があり、あまり性能が期待できないものとされていたが、ボトルネックとなる部分については認識しており、対応した設計となっている。詳しくは言えないが理想に近いUMA」と述べた。
Xboxハードウェアのアーキテクチャー構造 |
吉岡氏はXboxのハードウェアについて、「マイクロソフトのソフトウェア会社としての経験と欲求を元に、ソフトウェアの要求に合わせてハードウェアを設計した点がこれまでのゲームコンソールと異なる」とゲームの開発しやすさを協調した。