手ブレ補正+10倍ズームはなにものにも換え難い魅力
PowerShot Pro90ISの光学式手ぶれ補正装置は、キヤノンによれば「シャッター速度換算で約2段分の補正効果」が期待でき、「焦点距離300mm(35mmフィルム換算)時に1/15秒で撮影した場合でも、手ブレの量 を1/60秒で撮影した時と同じ程度」に抑えられるという。実際に手持ちで撮影を行ってみると、ワイド側では1/8程度のスローシャッターでもほとんどブレのない画像が得られ、テレ側でも1/15程度であればほとんど問題なく、カメラをしっかりホールドすれば1/10程度まではかなり満足できる画像が撮影できるだろう。
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ワイド側(37mm相当)で撮影した画像(クリックすると大きくなりますが、元画像データが1856×1392ドットなのに対して掲載画像は640×480ドットに縮小してあります)。 |
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テレ側(370mm相当)で撮影した画像。光学ズームでこれだけ寄れるのは非常に重宝する(クリックすると大きくなりますが、元画像データが1856×1392ドットなのに対して掲載画像は640×480ドットに縮小してあります)。 |
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上のテレ側画像の左下部を721×606ドットにクリッピングしたもの。クリックすると撮影したままの画像データが表示されます。 |
起動時間(電源ONから撮影可能になるまで)が1~2秒かかるのが気になるものの、撮影間隔2.5秒(連射モード時は0.7コマ/秒)というのは実用的には問題ないだろう。画質に関しては、G1と同様にホワイトバランスの自動調整が良好で、オートモードでの撮影に関しては日中/曇天/室内(蛍光灯下)のいずれにおいてもかなり自然な色合いで撮影できる。
レンズ周囲にはフィルタ径58mmのねじが切られており、オプションのクローズアップレンズ(最大40×30mmの範囲を撮影可能、8500円)やワイドコンバータ(35mmフィルム換算30mm、1万800円)などのほか、さまざまなフィルタが活用できる。また、ストロボシューには同社のEOS用ストロボであるスピードライトシリーズ(220EX/420EX/550EX)を装着するとCCD-TTL自動調光機能が利用できるなど、より凝った撮影をしたい人には強い味方になるだろう。
10倍(37~370mm)クラスの望遠は屋外の晴天でもなければ手持ちで撮影するのはけっこう難しい。三脚なしでこのクラスの望遠を使えるデジタルカメラというだけで、Pro90ISの魅力は非常に大きいだろう。
製品名 |
PowerShot 90IS |
撮像素子 |
約334万画素1/1.8インチCCD(記録画素数:約258万画素) |
レンズ |
7~70mm(35mmフィルム換算:37~370mm)、F2.8(W)~3.5(T) |
シャッター速度 |
8~1/1000秒 |
感度 |
オート/ISO 50/100/200/400相当 |
記録画素数 |
1856×1392ドット、1024×768ドット、640×480ドット、動画:320×240ドット |
記録フォーマット |
JPEG(3段階)、RAW(CCD出力データ) |
記録媒体 |
CFスロットTypeII(16MBメディア付属) |
測光方式 |
中央部重点平均測光、スポット測光 |
露出制御 |
プログラムAE、シャッター速度優先AE、絞り優先AE、マニュアル露出(AEロック可能) |
デジタルズーム |
OFF/2/4倍 |
インターフェイス |
USB、シリアル、映像/音声出力端子(NTSC/PAL、モノラル音声) |
バッテリ |
専用リチウムイオン充電池、約200枚撮影可能 |
本体サイズ |
126.5(W)×139.1(D)×83.9(H)mm |
重量 |
約680g |