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LL-T19D1-H

LL-T19D1-H

2003年05月31日 00時00分更新

文● 松本 俊哉

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LL-T19D1-H

シャープ

オープンプライス(実売9万5000円前後)

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メーカー製PCの付属モニタが軒並み液晶に置き換わっているのは、デザイン的な都合や省スペース性だけが理由ではない。地味で気づきにくい部分かもしれないが、19インチクラスなら確実に100Wを越すCRTと比べて、液晶なら21インチでも50W前後という圧倒的に低い消費電力も、リプレースが進んだ理由のひとつだろう。ADSLやFTTHの普及に伴って、家庭や職場でのPCの起動時間は確実に長くなっているはず。こうした事情をかんがみれば、トレンドが“より消費電力の少ない”液晶にシフトしたのは当然の結果と言える。



25Wの低消費電力モードを搭載
維持コストにも配慮した設計

背面
写真1 メインスイッチを背面に装備する。電源は本体内蔵だが、放熱孔が多数開いているほかはすっきりとした外観。
ワンランク上のSXGA液晶選び
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 シャープが2月25日に発売した「LL-T19D1-H」は、700:1のハイコントラストと300cd/m2の高輝度を実現した19インチTFT液晶だ。22.5mmの狭額に上下左右170度の視野角を持ち、ターンテーブルによる左右45度(計90度)のスイベル(回転)機構と、2段階ヒンジによる上向き最大20度/下向き最大5度のチルト(仰角)機構によって、設置したスペースを最大限に利用できる設計だ。その際、高さは最大439mmから最低392mmまで47mm可変する。入力は、DVI-D1系統とアナログRGB2系統の計3つの端子を持ち、切り替えは前面のボタンで行う。入力が3系統あれば、複数のPCを共存させている環境でも機材の再設置の手間が省けるだろう。なお、電源ユニットは本体に内蔵されているため、ACアダプタを必要としないことも設置の自由度を高めている。



入力端子
写真2 入力はアナログRGB2系統とDVI-D1系統。入力切り替えは前面のボタンによって行う。

 表示解像度は最大SXGA1280×1024ドットで、VGA~XGAの低解像度時は拡大補正して全画面表示を行う。19インチ液晶は21インチCRTと実効表示面積がほぼ同じなので、UXGA1600×1200ドットに対応していないのは残念なところ。もっとも、19インチでUXGA対応の液晶は実売価格が10~11万円というケースがほとんどなので、約9万5000円前後というLL-T19D1-Hの実売価格を考えれば納得のスペックだ。

 カラーマッチングはsRGBとICCプロファイルをサポートし、特に入力デバイスから得た画像の色を忠実に出力したいと考えているユーザーにとって、デジタルカメラやスキャナ、プリンタ側での対応はもちろんだが、モニタのsRGB対応はうれしいポイントだろう。

 本体前面のボタンは、電源と左右カーソル、前述の入力切り替えのほかに、押すたびに「標準」「オフィス」「sRGB」「あざやか」の各表示モードへスイッチする「MODE」ボタンと、画質調整メニューへ入るための「MENU」ボタンの6つが用意されている。

OSDメニュー1 OSDメニュー2
OSDメニュー3 OSDメニュー4
画面1~4 画質調整メニューは日本語表示なので迷うことはない。DVI接続は自動で調節されるが、アナログRGB接続時は付属CD-ROM内のパターンを使って、クロックやフェーズ、水平/垂直位置を好みのセッティングにできる。

 あざやかモードでは画面の彩度を高め、白っぽくなりがちなTVチューナカードなどの表示をくっきりさせる効果がある。一方、オフィスモードでは輝度と明るさを抑えて消費電力を25Wまで下げ、オフィスユースでのコスト管理により貢献できる。

 画質調整は、ボタン一発の自動調節と、クロック/フェーズ/水平位置/垂直位置/黒レベル/コントラストを任意に変更できる手動調節の2通りがあり、このときメニューには現在の入力の系統とデジタル/アナログの別、解像度、水平/垂直のクロックが表示される。なお、自動調節時は黒レベルとコントラストが「オートゲインコントロール」機能によって最適化される。色温度は、プリセットの5段階から選択するほか、RGB各色をユーザーが個別設定することも可能だ。また、左右カーソルボタンを単独で押せば、0~31の32段階で明るさ調節を行える。

高さ調整(最高部) 高さ調整(最低部)
最高部最低部
傾き調整(最後傾) 傾き調整(最前傾)
最後傾最前傾
写真3~6 2段階のヒンジを調節することで、垂直状態から仰角を上向き20度、下向き5度の範囲で変更できる。高さは439mmから392mmまで最大47mm上下させることが可能だ。

 明るく色鮮やかな液晶パネルの採用は、ゲームやTV/DVD鑑賞などのホームユースだけでなく、色再現性を重視するユーザーにも意義があり、チルト/スイベルによる高い設置自由度は、多くの機材に囲まれたビジネス環境に最適だ。導入後の維持経費を考慮すれば、本機が搭載した省電力モードも魅力的だろう。性能とコスト管理のバランスを真剣に検討しているオフィスユーザーに、特にお勧めしたい。

LL-T19D1-Hの主なスペック
製品名 LL-T19D1-H
表示サイズ 19インチ(376.3×301.1mm)
最大解像度 1280×1024ドット
最大表示色 1677万色
ドットピッチ 0.294mm×0.294mm
最大輝度 300cd/m2
コントラスト比 700:1
視野角 上下170度/左右170度
チルト 上向き0~20度/下向き0~5度
スイベル 左右45度(計90度)
入力端子 DVI-D1系統/アナログRGB2系統
消費電力 43W(待機時1.9W)
サイズ 423(W)×222(D)×392~439(H)mm
重量 約6.9kg

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