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マイクロソフト、次世代Eコマース向けサーバー製品発売日を正式発表

2001年01月24日 22時21分更新

文● 編集部 桑本美鈴

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マイクロソフト(株)は24日、.NET Enterprise ServersのEコマース向けサーバー製品である『Microsoft BizTalk Server 2000』日本語版、『Microsoft Commerce Server 2000』日本語版、『Microsoft Internet Security and Acceleration Server 2000』日本語版の発売日を正式に発表した。

Eコマース向けサーバー製品群について説明する同社製品マーケティング本部本部長の瀬戸口靜美氏

企業間でのビジネスプロセスを統合するBizTalk Server

BizTalk Server 2000は、企業内および企業間のビジネスプロセス統合を実現するためのプラットフォーム。XMLやインターネットをベースに企業間でデータ交換を行なえるほか、企業間にまたがるビジネスプロセスを統合、編成することも可能。また、企業内のERPなどのバックエンド業務アプリケーションとも連携できる。

BizTalk Server 2000の機能は、ビジネスプロセスの設計やプロセスの実行を行なうための“オーケストレーションサービス”と、XMLドキュメント交換やマッピング、スキーマ定義を行なう“メッセージングサービス”の2つに大きく分けられる。

オーケストレーションサービスは、企業間やアプリケーション間にまたがるビジネスプロセスを統合可能。また、Microsoft Visioベースのツール『BizTalkオーケストレーションデザイナー』を利用して、ビジュアルでビジネスプロセスを定義できる。またデザイナーで作成したプロセスを実行するためのエンジン『BizTalkオーケストレーションエンジン』も搭載する。

メッセージングサービスは、ビジネスプロセスを元に、インターネットやXMLをベースとし企業間でのドキュメント交換を行なうサービス。『BizTalkエディタ』によりドキュメントのスキーマを定義できるほか、企業間での連携の際に異なるデータフォーマットを自社システム内に取り込めるようマッピングを行なえる『BizTalkマッパー』も用意されている。

BizTalk Server 2000は、大規模な企業間連携システム構築向けのEnterprise Editionと、中小規模システム向けにEnterprise Editionから大規模システム向け機能を制限したStandard Edition、BizTalk Server 2000対応アプリケーションを開発、評価、テストするための開発者向けDeveloper Edition(機能はEnterprise Editionと同じ)の3製品が用意されている。Enterprise Editionは、大規模システム向けのスケールアウトクラスタ機能やフェールオーバークラスタリング機能を搭載し、複数プロセッサーに対応、取引先企業数や企業内のアプリケーション統合数が無制限であるのに対し、Standard Editionは単一プロセッサーにしか対応せず、取引先企業数が5、企業内アプリケーション数も5と制限されている。

対応OSはWindows 2000 Server/2000 Advanced Server/2000 Professional。データベースはSQL Server 2000/7.0に対応。3月23日発売で、価格はオープンプライス。推定小売価格は、Enterprise Editionが459万5000円、Standard Editionが91万9000円、Developer Editionが9万1800円。

Eコマースサイトを構築/管理できるCommerce Server

Commerce Server 2000は、Eコマースサイト開発/管理システム。サイト構築機能の“ソリューションサイト”は、サイト構築の雛型やサイトをダウンロードできるほか、コンテンツやASPファイルなど必要なリソースをパッケージ化し展開できる。また、商品の購入や決済、配送といった一連のオーダートランザクションプロセスをモデル化するためのフレームワーク“ビジネスプロセスパイプラインシステム”、サイト全体を一元管理/運用できる管理コンソール“ビジネスデスク”、顧客や取引先の情報、注文書、商品オーダー情報などサイトで扱うさまざまな情報を一元管理できる“プロファイルシステム”、検索機能とカタログ機能を備えた“商品カタログシステム”などを搭載する。

マーケティング/分析機能として、プロファイルシステムで管理している情報を元に、商品のリアルタイムレコメンデーション、顧客ごとの適切なコンテンツの提供、特定顧客に対するディスカウント設定などを行なえる“ターゲッティングシステム”、サイト上で発生する情報を分析し、その結果をターゲッティングシステムと連動できる“ビジネス分析システム”が用意されている。

Commerce Server 2000は、通常版と、開発者向けのDeveloper Edition(機能は通常版と同じ)の2製品が用意されている。対応OSはWindows 2000 Server/2000 Advanced Server。データベースはSQL Server 2000/7.0に対応。3月9日発売で、価格はオープンプライス。推定小売価格は、通常版が238万9000円、Developer Editionが8万4400円。

なお、Commerce Server 2000を中心とした.NET Enterprise Serversで構築した仮想オンラインショップを体験できるデモンストレーションサイト“E-Commerce Live on the NET”が本日公開された。

ファイアウォールとウェブキャッシングを統合したISA Server

ISA Server 2000は、ファイアウォールと高速ウェブキャッシングサーバーを統合した製品。企業内のすべてのサーバー/クライアントを不正アクセスや外部攻撃から保護するマルチレイヤーファイアウォール機能と、ウェブキャッシング機能を搭載する。また、Windows 2000と統合した仮想VPN、帯域幅管理、一元管理可能なActiveDirectoryとの統合といった機能も備えている。また、同梱の開発キットを利用して、アドオンによるカスタマイズが可能。独自の業務アプリケーションなどに対応したプロキシやウェブフィルターも開発できる。また、従来のProxy Serverと異なり、IISから独立して動作する。

基本機能に加え、Windows 2000 ActiveDirectoryによる一元管理機能、サーバーアレイ構成によるフォールトトレラント機能を搭載し、複数台での負荷分散が可能な大規模システム向けのEnterprise Serverと、小規模システム向けのファイヤウォール機能やウェブキャッシング機能を搭載するStandard Editionの2製品が用意されている。Enterprise Editionがサーバーアレイ構成が可能でプロセッサーが無制限、分散キャッシュが可能であるのに対し、Standard Editionは、サーバー運用はスタンドアロンのみで、対応プロセッサーは4CPU、分散キャッシュ機能は備わっていない。

対応OSはWindows 2000 Server/2000 Advanced Server/2000 Datacenter Server。2月16日発売で、価格はオープンプライス。推定小売価格は、Enterprise Editionが110万3000円、Standard Editionが27万5000円。

本日同社内で行なわれた発表会で、同社製品マーケティング本部本部長の瀬戸口靜美氏は、「Eコマースでのビジネス要求は、24時間365日動く、信頼性の高いシステム、レスポンスの高いシステム、低コストで短期間にEコマース市場へ参入できる、外部からの攻撃や侵入からの保護、こういった要求が高い。.NET ENterprise Serversはエンタープライズシステムをウェブ対応に統合する包括的な8つのエンタープライズサーバー製品群であり、今回はそのうち3製品を発表する」

「われわれのEコマース戦略として、Windows 2000を基盤とするEコマースのコアとなるサーバー製品や開発ツールを提供し、対応製品の提供やパートナーとの連携も行なう。またインターネットビジネスを行なう企業の支援も行なう。対応表明パートナー数は、BizTalkが22社、Commerceが14社、ISAが6社。早期導入企業には、Microsoft Consulting Service(MCS)によるコンサルティング支援や、β段階からのテクニカルサポート提供を行なう」

「今後は、Application Server 2000を今春に、Mobile Information 2001 Serverを2001年中にリリースする。また、2001年はVisula Studio.NET、さらにはWindows 2000の後継であるWhistlerが登場する。2001年度にふさわしいスタートが切れるのでは」と語った。

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