出荷は2月27日からで、同社のパートナー「BSP(Borland Solutions Partner)」を通じて販売する。
価格は、
- 開発キット……27万円
- 運用ライセンス(クライアント数無制限、CPU単位)……150万円
- コンパクトサーバー運用ライセンス(運用クライアント数無制限、クラスタリング構成なしの単一サーバ用ライセンス。エンタープライズ用の一部機能制限がある)……50万円(導入支援キャンペーン価格37万5000円)
さらに、初期導入サービス開始を容易にするため、上記コンパクトサーバー運用ライセンスをはじめ、教育やサポート、コンサルティングを含む技術支援を行なうサービスパッケージ「AppServer Ready!Set!Go!」を用意する。
Borland AppServer 4.5(以下AppServer)では、
- J2EE 1.2 CTSをはじめとした最新の標準への準拠
- ビジュアルな操作性をクロスプラットフォームで提供
- 普及促進のための廉価な価格設定
などが行なわれている。
J2EE 1.2 CTSをはじめとした最新の標準への準拠
アプリケーションサーバの分野において、「標準への対応」を前面に打ち出した製品は少なくない。現在「標準」というと、Java、CORBA(Common Object Request Broker Architecture)、XMLという技術がすぐに思い浮かぶ。AppServerでは、これらの技術に対して以下のように対応している。
Java
- J2EE(Java 2 Enterprise Edition)の互換性テストである「J2EE CTS」にパス
- EJB 1.1/2.0への対応
- JSP 1.1への対応
- Sevlet 2.2への対応
CORBA
同社のミドルウェアである『VisiBroker』を基盤とした分散アーキテクチャを採用。
XML
J2EE Connector APIに準拠した外部接続用のAPI「VisiConnect」を使ってXML対応を行なう。
CORBAという“優れた”分散処理技術の上に、Javaという言語(JBuilderというビジュアル開発環境)を組み合わせることにより、EJBによるシステム開発を容易にしてWebアプリケーションのマーケットを広げていくのが、同社の戦略だ。
ビジュアルな操作性をクロスプラットフォームで提供
AppServerでは、ビジュアルな操作性をその特徴として掲げている。発表会では、サンプルのWebアプリケーションを各サーバに配付するデモンストレーションが行なわれた。
そこではまず、ノートパソコン上で動作しているAppServer(ノートパソコン上でも動作する軽さもアピールされていた)の画面を見せ、各コンポーネントのツリーや依存関係がビジュアルに確認できるようすが紹介された。
「AppServer Console」。各コンポーネントの依存関係などを表示。 |
続いて、Webアプリケーションを配付する『J2EE配布ディスクリプタエディタ』と『J2EE配付ウィザード』の説明に移った。従来製品ではコンポーネント単位でしか配付ができなかったのに対し、今回のAppServerからはEAR(Enterprise Archive)、JAR(Java Archive)、WAR(Web Archive)単位での配付が可能になり、ウィザードによりWebアプリケーションを一括して配付することが可能になった。また、これらWebアプリケーションを更新する際には、システムの再起動をしなくてもよいという。
「J2EE配付ディスクリプトエディタ」。配布先のRDBMS用ドライバの指定などを行なう。これらはJavaのソースコードを書き換えずに変更可能だ。 |
「J2EE配付ウィザード」。 |
最後はサーバのビジュアル監視機能が説明された。デモンストレーションではサンプルのショッピングサイトを構築したのだが、顧客のバスケットがいくつ稼動しているか、どのような商品がバスケットの中に入っているか、といった情報を円グラフや棒グラフで表示した。
AppServer自体のビジュアル機能は以上だが、発表会ではその開発環境『JBuilder 4』との連携も強く語られた。具体的には、JBuilder 4への、AppServerのバンドルである。JBuilder 4は、同社のビジュアルなJava開発環境で、ソースコードのエディットを最低限に抑えた迅速な開発が可能とされる製品だ。このJBuilder 4にAppServerをバンドルすることにより、開発環境から即テストに移ることが可能になる。同社では、JBuilderをシェアナンバーワンのJava開発環境としており、この人気のある開発環境にAppServerをバンドルすることで普及を図っていく方針だ。
そして、上記の特徴以外のメリットとして、インプライズのマルチプラットフォーム戦略が挙げられる。AppServer、JBuilder 4、VisiBrokerはすべて、同社のマルチプラットフォーム戦略に則り、Windows NT系、商用UNIX系、Linuxへの対応を行なう。これにより、インプライズの開発環境を使っているユーザーは、プラットフォームが変わってもまったく同じユーザーインターフェイスで仕事を続けることが可能となる。
同社では、年末までにAppServerの売り上げに勢いをつけていく予定だという。