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PCG-Z505VR/K

PCG-Z505VR/K

2001年01月22日 23時44分更新

文● 山崎

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PCG-Z505VR/K

ソニー

オープンプライス
25万6300円(SonyStyleダイレクト価格)

VAIOノートのラインナップ中、使い勝手の良さと携帯性において最もバランスの取れたモデルが、12.1インチ液晶を搭載するサブノートPC「PCG-Z505シリーズ」だ。2モデルがラインナップする2001年春モデルのZ505シリーズから、PentiumIII-800MHzを搭載する上位モデル「PCG-Z505VR/K」を紹介しよう。

従来比1.9倍の大容量バッテリを標準装備し
バッテリ駆動時間を延長

 1024×768ドット表示の12.1インチTFT液晶を搭載するPCG-Z505VR/Kは、フットプリントは275(W)×226(D)mm、最も厚みのある部分で29.3mmとA4ノートに近い数値となるが、重量は1.7kgと軽量に仕上がっており、モバイル用途でもバリバリ活用できる機動性の高いノートPCだ。

 搭載するCPUはMobile PentiumIII-800MHzと、A4フルサイズのフラッグシップモデルにこそ一歩譲るが、この薄いボディには似つかわしくないパワフルな心臓を持っている。メインメモリはオンボードに128MBのSDRAMを標準装備し、キーボード下に1つ用意されるSO-DIMMスロットを利用して最大256MBまで拡張可能だ。HDDは20GBと、CD-ROMドライブが付属しない本機の弱点を補うために、仮想CD-ROMドライブソフトなどを利用する場合にも十分な容量だ。ビデオチップは前モデルから引き続き、ビデオメモリ8MBをチップに内蔵するRAGE Mobility-M1を採用し、3Dアプリケーションにも対応できる。

 モバイル用途を重視したPCであるため、PCG-Z505VR/KはオールインワンノートPCほどの拡張性は持ち合わせていない。本体に装備するインターフェイスは、i.LINK、USB×2、10BASE-T/100BASE-TXのEthernetポート、モジュラジャック、ポートリプリケータ端子、マジックゲート対応メモリースティックスロット、赤外線ポート、TypeIIのPCカードスロット×1となる。シリアル、パラレル、PS/2などのレガシーポートは省略されているが、別売のポートリプリケータ「PCGA-UPR5」(オープンプライス)で対応可能だ。

PCG-Z505VR/Kに付属の小型USB端子専用アダプタ
本体左側面に装備する専用小型USB端子は、付属のアダプタを利用して標準のUSBコネクタとして使用する。写真のFDDはオプションの「PCGA-UFD5」(オープンプライス)。

 10.4インチ液晶を搭載するPCG-SRシリーズよりも、一回り大きなボディを持つPCG-Z505VR/Kだが、このボディサイズならではの余裕あるキーボードサイズを実現している。キーピッチは18mm、ストロークは2mmを確保するキーボードは、薄型ノートとしては、はっきりしたクリック感を持っており、適度なタッチの重さと相まって、非常に心地よく打鍵できる。またタッチパッドは、上下/左右のスクロールはもちろん、各コーナー部分のタッピングをキーボードショートカットに割り当てたり、パッド上部を左右にこすることで、Webブラウザの戻る/進むなどの操作を行うようにユーザーがカスタマイズできる、「インテリジェントタッチパッド」機能を搭載する。心地よいキーボードと高機能なタッチパッドによって、ストレスを感じることなく効率のよい操作が可能なノートPCである。

PCG-Z505VR/Kのキーボード
PCG-Z505VR/Kのキーボードはキーピッチ18mm、ストローク2mmを確保。大きなタッチパッドと、パームレスト左側に装備するジョグダイヤルを相まって、サブノートながら快適な操作性を約束する。

 カッチリとしたスマートなデザインのPCG-Z505VR/Kは、外観からはビジネス色の強さを感じるが、プリインストールされるソフトは、DV動画を取り込み編集を行える「DVgate Ver.2.2」や「MovieShaker Ver.2.0」をはじめとして、ほかのVAIOノート同様に遊び心に溢れるモノが揃っている。Officeアプリは用意されていないが、ビジネスユースでもホームユースでも活用できるマシンである。

 実際に使用してみたところ、CPUが従来機のPentiumIII-750MHzから、さらに高速なPentiumIII-800MHzとなったことで、本体底面の冷却ファンが以前にも増して高回転でまわっている時間が長くなった印象で、使用中には風切り音がかなり気になる。とはいえこのファンの効果は大きく、ボディ底面はほんのり温かくなる程度の発熱に抑えられており、膝の上に置いて使い続けることも可能だ。また高速なCPUの採用により、パフォーマンスにもなんら不満はない。モバイルPCとして気になるバッテリ駆動時間だが、PCG-Z505VR/Kでは従来モデルに付属していたMタイプバッテリの約1.9倍の容量を持つ新開発のLタイプバッテリを標準装備するため、「ASCII Labs.製バッテリベンチマーク」の結果は1時間57分と、前モデルより55分も延長されている。

PCG-Z505VR/K本体底面
従来モデルの約1.9倍の容量を持つLタイプバッテリはこれまで同様、液晶パネルのヒンジ間に搭載する。サイズは一回り大きくなって、背面が5mm程度でっぱるほか厚みも増しており、チルト台の役目もはたすためのゴム脚も装備している。

 最大のウィークポイントであったバッテリ駆動時間の短さを克服したPCG-Z505VR/Kは、メインマシンとしても実用になるパワフルなCPUを装備し、なおかつ軽量で長時間のバッテリ駆動が可能なモバイルマシンとしても活用できる完成度の高いノートPCになっている。実売価格は27万円程度と予想され、CD-ROMドライブが付属しないサブノートとしては高価なモデルだが、パワーユーザーを自認するモバイルユーザーにぜひ使ってもらいたいマシンだ。

 また、2001年春モデルのZ505シリーズには、CPUがMobile Celeron-600MHz、メインメモリが64MBで、Windows Meがプリインストールされる「PCG-Z505V/BP」も用意されている。スペックは少し抑えられているが、こちらはOffice 2000 Personal(SR-1)がプリインストールされ、PCカード接続でVAIO本体からの給電で動作する16倍速CD-ROMドライブ「PCGA-CD51/A」が付属しながら、実売価格は20万円前後と予想される。1台目のPCとしてはこちらを検討してみるのもいいだろう。

CPU Mobile PentiumIII-800MHz
メモリ 128MB
液晶 12.1インチTFT
解像度 1024×768ドット/フルカラー
HDD 20GB
CD-ROM オプション
通信 モデム/LAN
サイズ 275(W)×226(D)×24.5~29.3(H)mm
重量 約1.7kg
OS Windows 2000 Professional
Officeアプリ

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