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D6VAA

D6VAA

2001年01月15日 11時48分更新

文● 橘佳人

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D6VAA

ECS

オープンプライス(実売価格1万3000円前後)

「D6VAA」は、ECS(Elitegroup Computer Systems)がコンシューマをターゲットに開発したPentiumIII用デュアルマザーボード。実売価格で1万3000円前後という驚異の低価格と、オーバークロック向けの機能が魅力だ。

シングルボード以下の低価格が魅力のデュアルCPUマザーボード「D6VAA」。
 気軽にデュアルCPUのパワーを享受できるWindows 2000 Professionalの登場以来、自作市場でも1つのセグメントを確立したデュアルCPUボードだが、各メーカーからリリースされてくるのは、低価格なものでもやはりエントリサーバ/ワークステーションをターゲットにしたもの。シングルボードで流行しているオーバークロック向けの機能などは搭載しない、お堅い仕様のものが多い。だが、ECSからリリースされた「D6VAA」は、それらとはちょっと毛色の異なるデュアルCPUボードとなっている。

 ECSは、価格の安さを武器に、OEM中心に世界中で多大なシェアを誇る台湾のマザーボードメーカー。最近は日本法人である日本エリートグループの活動も本格化し、日本市場への展開を積極的に進めている。そのECSの現在の主力製品が、この「D6VAA」。近年のデュアルCPUブームを受けてコンシューマ向けに開発したデュアルCPUマザーボードだ。価格は実売価格で1万3000円前後、一般的なシングルボード以下というロープライスとオーバークロック向けの機能が特徴だ。



South Bridgeの「VT82C686B」。先代South「VT82C686A」との違いはIDEコントローラがUltraATA/100に対応したこと。
 チップセットはApollo Pro133A。South Bridgeには、UltraATA/100に対応したVT82C686Bを採用している。現在HDD市場ではいよいよUltraATA/100対応製品が多勢を占めるようになってきており、これらはやはりUltraATA/100モードで利用したいところ。South BridgeがUltraATA/66までしか対応していなくともオンボードのコントローラや別途IDEカードを用意することでUltraATA/100を利用することはできるのだが、これらを何も用意せずにUltraATA/100が使えるというのは気分的にすごく楽なもので、この686B搭載はうれしい。



686B内蔵のオーディオ機能を利用するために実装されているAC'97オーディオコーデック「ALC100P」(Avance Logic)。
 2つのCPUソケットの配置など、他社のApollo Pro133Aデュアルマザーボードと似たボードレイアウトとなっており、PCIスロット5本、CNRスロット1本という拡張スロットの構成も標準的だ。オンボードデバイスとしては、Avance LogicのAC'97対応のオーディオコーデック「ALC100P」を実装して686BのAC'97サウンド機能を有効にしている。

 FSBはBIOS上で、66MHzから160MHzまで、31通りの設定が可能だ。また、日本エリートグループが独自開発したBIOSにアップデートすると、2つのCPUに対して、別々のCPU コア電圧を設定できるようになる。この独自BIOSは近日日本エリートグループのWebサイトからダウンロードできるようになる予定だ。このWebサイトには、日本語の製品紹介はもちろん、主要機能の日本語マニュアルなどもあり、なかなか充実したものとなっている。

 科学技術計算やハイエンドグラフィックスなどといった目的がなければデュアルCPU環境を使っていけないということはない。デュアルCPUのパワー、メリットがどんなものか、気軽に試してみたいというようなコンシューマユーザーにはうれしい価格と仕様のボードといえるだろう。


チップセット Apollo Pro133A(VT82C694X+VT82C686B、VIA)
メモリソケット DIMM×3
拡張スロット PCI×5、CNR×1(PCIと共用)
FSB(FSB:PCI=66:33) 66、68、75、80、83MHz(BIOS)
FSB(FSB:PCI=100:33) 85、90、95、100、103、105、110、112、115、116、118、120MHz(BIOS)
FSB(FSB:PCI=133:33) 124、126、129、133、135、138、140、142、144、146、148、150、155、160MHz(BIOS)
CPU コア電圧 1.3~2.05V(各CPUに対して0.05V刻み、BIOS)
CPU I/O電圧 自動
クロックジェネレータ 9250BF-18(ICS)
ハードウェアモニタ チップセットに内蔵
BIOS AWARD(BIOS)
ボードサイズ 305×244mm
問い合わせ先 日本エリートグループ(株)
http://www.ecsjpn.co.jp/

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