外部メモリはSDカードかCFメモリカードか
最後に、MI-E1ユーザーが必ず悩むであろう、メモリカードの選択に関してアドバイスして本レビューを締めくくろう。
MI-E1は、8MBのフラッシュメモリを内蔵するがうち1MBをシステムが使用し、加えて初期状態ではMOREソフト等がプリインストールされているため、ユーザーがデータやファイルの保存に使用可能な領域は約3.6MBとなっている。これをサポートするため、本体上部にTypeIIのCFカードスロット、左側面にSDカードスロット(MMC対応)が設けられているが、この2つのメモリカードは同時に利用することはできない(「システム設定」で使用するスロットを選択する)。例外として、モデム扱いのP-in Comp@ctとSDカードの同時使用は可能になっている。
こう聞くと、外部メモリにはSDカードを使用したほうが便利に思われる方が多いだろう。これを裏付けるように、MI-E1が発売されたあとの12月下旬に新宿の量販店をいくつか回ったが、SDカードで最大の64MBタイプがどこも品切れ状態だった。確かにP-in Comp@ctを使っているユーザーなら、いちいち抜き差ししないで使えるSDカードは、便利な存在だ。が、容量が64MBまで(1月上旬現在)に限られ、メーカーがCFメモリカードに比べて少ないこともあって価格がやや割高というのも事実。実際、CFメモリカードではすでに320MBタイプまで市販されている。
それらを併せて考えると、MPEG4動画やデジタルカメラの画像など普段はあまり使わないが、友人知人に会ったときに見せたいようなデータは大容量のCFメモリカードに入れておき、MI-E1といっしょに携帯。普段良く使うスケジュールデータの保存やMOREソフトの管理、WebサイトのキャッシュなどにはSDカードを併用するというのが一番スマートで有効な方法だろう。どちらか一方を選ぶなら、抜き差しの面倒はあるものの、価格対容量比で買い得感の高いCFメモリカードの64MB~128MBクラスをお勧めしたい。
MI-E1の価格はオープンプライスで、店頭での実売価格は5万円前後、MPEG-4ビデオレコーダーとヘッドフォン、CFメモリカードなどを同時に購入すると10万円近くになる。
価格的にはノートPCに近づくが、機能面でも従来のPDAの常識を超えており、P-in Comp@ctとの高い親和性、MPEG4動画再生などお楽しみ機能の充実を実現している。加えて、キーボード標準搭載でメールのやりとりにもすこぶる便利だ。MI-E1を持って歩く自分の姿を想像し、楽しく感じられるなら間違いなく買いだろう。
表 MI-E1の基本仕様
機種名 | MI-E1 |
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価格 | オープンプライス(実売価格5万円前後) |
CPU | 32bit RISC(動作クロックは非公開) |
メモリ | 16MB(DRAM 8MB+フラッシュメモリ 8MB、ユーザーエリア 7MB、初期出荷状態 約3.6MB) |
表示 | 3.5インチ フロントライト付き反射型カラーTFT液晶240×320ドット/6万5536色(フロントライトの明るさは4段階に調節可能) |
インターフェイス | CFカード(TypeII)、SDカード(CFメモリカードとの併用は不可)、オプションポート16(シリアル端子)、IrDA(最大115kbps、通信可能距離約20cm)、ヘッドフォン端子(ステレオ、スピーカは内蔵せず)、ACアダプタ |
付属品 | リチウムイオン充電池、ACアダプタ、液晶保護カバー、タッチペン(88mm、直径5mm)、CD-ROM |
主な機能 | PIM機能(アドレス帳、スケジュール、フォトメモリー、時計、電卓など)、ムービープレーヤー(MPEG4)、ミュージックプレーヤー(MP3)、インターネットメール、インターネットブラウザ、ブンコビューア、マンガビューア、MOREソフト管理 |
電源 | リチウムイオン充電池(カレンダのみ連続表示 約10時間、P-in Comp@ctでの連続データ送受信 約2時間、ミュージックプレーヤーの画面非表示でMP3連続再生 約2時間30分、ムービープレーヤーでMPEG4連続再生 約1時間40分、以上すべてフロントライトなし) |
サイズ | 81.5(W)×139.5(D)×17(H)mm(カバーなし)~20mm(カバーあり)※スライド式キーボードを閉じた状態 |
81.5(W)×170.5(D)×17~20(H)mm※スライド式キーボードを開いた状態 | |
重量 | 約200(カバーなし)~220g(カバーあり)※バッテリ含む |