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【2001 CESレポートVol.2】PCが中心の時代はまだまだ続く──米インテルのバレットCEO基調講演

2001年01月06日 00時00分更新

文● 編集部 佐々木千之

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ラスベガスで6日(現地時間)から開催される“2001 Consumer CES”を前に、5日夜、最初の公式イベントとなるキックオフキーノートが行なわれた。今年の講演者は米インテルのクレイグ・バレット(Craig Barrett)社長兼CEO。PCはExtended PCとなり、PC中心の時代はまだまだ続くなどと述べた。

米インテル社のクレイグ・バレット社長兼CEO
米インテル社のクレイグ・バレット社長兼CEO

Las Vegas Hilton Theaterにおいて行なわれたキーノートは、米国の各地で公演活動を行なっている“BLUE MAN GROUP”のショーという一風変わった趣向で始まった。これは、頭部を鮮やかな青に染めた3人組“BLUE MAN”が奇抜なパフォーマンスを繰り広げる無言のショーで、2000年秋からPentium IIIのコマーシャルにも登場している。一連のパフォーマンスの最後に、黒い箱の上にバケツ(?)を型にして作った大きなピンク色のゼリーが登場し、それをBLUE MANが崩すと中からバレット社長兼CEOが現われる、という凝ったものだった。

奇抜なパフォーマンスを見せるBLUE MANの3人組
奇抜なパフォーマンスを見せるBLUE MANの3人組

聴衆が落ち着いたところで話し始めたバレット氏は、高性能のPCと、そのPCとさまざまな方法で接続された周辺機器によってもたらされる“Extended PC”の時代がやってくると述べた。そして、現在販売されている、PCに接続することでその能力を拡大する周辺機器群、MP3プレーヤー『Pocket Concert』、デジタルカメラ『Pocket PC Camera』、USB接続の顕微鏡『QX3 Computer Microscope』、ボイスチェンジャー『Computer Sound Morpher』、電子ブック(eBook)端末などを紹介した。インテルではこうした、家庭向け周辺機器とインターネットに接続されたホームPCの新しい関係、これから発展して行くであろう関係を“PCx”(xは上付き)と呼ぶとしている。

“PCx”とは“PC to the power of X”を示すのだそう
“PCx”とは“PC to the power of X”を示すのだそう

さらに続いて、PCと接続することでその能力が拡張されるが、接続するという作業を意識させない将来の製品のデモを行なった。1つは“ePhone”という小型の携帯電話機で、家庭のPCの近くに移動するだけで、ePhoneが受信したメールや伝言(ボイスメール)を、PCのメールソフトに転送し同期させることができるというもの。もう1つはペンで操作するタブレット型の端末“Web Tablet”で、ホストとなるPCと無線で接続されており、ソファーでTVを見てくつろぎながら、興味のある事柄についてそのタブレット端末で即座にインターネットに接続して検索する、といったデモが行なわれた。「家庭向けデジタル機器が進化するにつれ、ホームPC環境を前提としたものが登場する。PCは家庭でのさまざまなインターネット体験の中心としての役割を果たす」というのがバレット氏の主張だ。

“ePhone”のデモンストレーション
“ePhone”のデモンストレーション。中央にあるPCに近づくと、自動的にメールソフトとの同期が行なわれる
“Web Tablet”のデモンストレーション
“Web Tablet”のデモンストレーション。ホストPCを介してインターネットに接続する

その後は、現在のPCのデモに戻り、Pentium 4を搭載したホームPCの能力をさまざまなソフトを使って紹介した。このデモにはかなりの時間が割かれたが、大部分はこれまでインテルがPentium 4の能力を示すために行なってきた、デジタルビデオ画像のリアルタイムエフェクト加工や、CDオーディオファイルのMP3化、タッチパネル画面に触れることで、水面の波紋をリアルタイムに計算するといった、PC関連のショーではおなじみのものだった。

ノイズをリアルタイムに取り除くというソフトウェアのデモ
ひっかききずによるノイズが混じったアナログレコードの音からノイズをリアルタイムに取り除くというソフトウェアのデモ
おなじみの水面の波紋をリアルタイムにレンダリングするというデモ
おなじみの水面の波紋をリアルタイムにレンダリングするというデモ

バレット氏は「PCはデジタルの世界の中心にあり、その世界はまだまだ拡大し続けている」と述べた。CESという“PC中心でない”ショーでのキーノートを意識したキーノートだったからかもしれないが、このキーノートを見る限りにおいてはPCをPCとして使うというのではなく、家庭におけるインターネットゲートウェイのような、一種のサーバーとしての使い方がメインになるというように見て取れた。

口にビデオカメラを押し込まれるバレット氏
キーノート後に再び登場したBLUE MANに囲まれ、口にビデオカメラを押し込まれるバレット氏

ちなみに、キーノートが一通り終わったところで、再びBLUE MANが登場した。イスに座って見ていたバレット氏の口を開けさせて、口の中にビデオカメラをつっこむというパフォーマンスが披露された。そのカメラの画像がスクリーンに映し出されたが、のどから食道と進んでいき、腹の底にはなんとPentium 4のロゴが鎮座していたのだった。どうやらバレット氏自身、“Intel Inside”だったようだ。

バレット氏の体内で発見されたPentium 4ロゴ
バレット氏の体内で発見されたPentium 4ロゴ。場内は大喝采だった

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