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三洋、米フォードにHEV用バッテリーシステムを独占供給

2001年01月05日 17時36分更新

文● 編集部

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三洋電機(株)は5日、米国フォード・モーター社が開発中のハイブリッド車『エスケープ HEV』にHEV用バッテリーシステムを独占供給することが決まったと発表した。同社は'99年にハイブリッド車(以下 HEV)用高性能ニッケル水素電池を開発し、“第33回東京モーターショー”に出展した。その後、高性能HEV用バッテリーシステムの開発を進めていたという。

エスケープは、小型SUV(Sports Utility Vehicle)。フォードは、このエスケープにクリーンで燃費の良いハイブリッド車『エスケープ HEV』を加え、2003年に発売する予定。

製品写真
HEV用ニッケル水素電池

HEV用ニッケル水素電池は、集電構造および電極構造の改良により、電池の低抵抗化を実現し、高出力化を達成したという。また、回生出力についても、従来開発品の860W/kgから950W/kg(充電の上限電圧を1.6V/セルに設定した場合)に向上し、燃費向上に貢献できるとしている。正極、負極の組成を適正化することで、高温での充電特性、および低温での放電特性を実現したという。特に高温充電においては、正極の組成を適正化することにより、60度充電の際にも90%以上の充電効率が得られたという。また、-30度でもエンジン始動に十分な出力を発揮したとしている。そのほか、正極の自己放電を抑制する組成の最適化とセパレーターの最適化により、長期保存後の残存容量の改善を図り、45度30日間の放置での残存容量を、従来開発品の55%に対し、70%以上に改善した。

回生出力: ブレーキでの制動時にモーター(発電機)から発生する電気エネルギーでの充電。

HEV用ニッケル水素電池を使用したバッテリーシステムは、バッテリー制御技術(ECU)、システムをダウンサイジング(小型化)するための冷却技術を盛り込み、薄型形状を実現したという。電池冷却方式では、電池個々の温度制御を行ない、温度ばらつきを5度以内に抑えたという。

今後は、量産に向けての生産技術向上を行なっていくとともに、HEVシステムの多様化に対応するため、バッテリーシステムのバリエーションを充実し、拡大するHEV市場で積極的な事業の展開をはかっていくとしている。

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