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インターネット翻訳の王様 POWER+王様の辞書

インターネット翻訳の王様 POWER+王様の辞書

2001年01月12日 22時47分更新

文● 中村嘉隆

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インターネット翻訳の王様 POWER+王様の辞書

日本アイ・ビー・エム

1万4800円

インターネット翻訳の王様 POWER+王様の辞書 (以下、翻訳の王様)は、アニメーションや音声によるチュートリアル、画面上に現れるキャラクターの王様による解説など、ビジュアルやサウンドによってわかりやすく使い方を説明してくれるとともに、いろいろなキャラクターを画面に表示できるなど、にぎやかで個性的な翻訳ソフトだ。

翻訳の王様でWebページを翻訳させてみた画面。画面では英語の下に日本語訳を表示させる方式だが、日本語のみを表示させることもできるし、また要約だけの翻訳も可能だ。左上に見える王様が、いろいろ話しかけてくる。王様なのにあまり権威はない。ボタン類には翻訳ボタンが追加されている。

 まず、おもしろいのはキャラクターを画面上に表示させることができることだ。キャラクターは王様くん、カルロ(動物のキャラクター)、先代王様、回転椅子男(回転する椅子に座った男)、Smiley(フェイスマークのキャラクター)などいろいろなキャラクターに変更することができる。キャラクターはひとり言をつぶやいたり、翻訳結果をしゃべったりする。また、訳文の語尾を王様調、わんわん調、赤ちゃん調、江戸っ子調、みたいなー調などに変えることも可能。語尾を変えるだけでも文章の雰囲気ががらっと変わってしまうのでおもしろい。それ以外にも、チュートリアルが音声付きのアニメーションで導入されていてわかりやすく、マニュアルを読まなくとも画面を見ているだけでいつのまにか操作を覚えてしまうぐらいだ。マニュアル嫌いの方にもとっつきやすいだろう。

こちらはNetscape Communicatorで翻訳させてみた画面。ツールバーに「翻訳(T)」が追加されている。キャラクターはカルロに変えてみた。

 音声による読み上げは、訳文(日本語)、原文(英語)ともに可能。内蔵する研究社の新英和・和英中辞典を使った辞書引きツール「王様の辞書引き」でも、単語ごとに発音させることができる。王様くんなどのキャラクターを表示させている場合には、マウスポインタを単語上に合わせることで単語の訳が表示されるとととも、キャラクターが発音もする。また、IBMの音声認識ソフト「ViaVoice」 (別売り)をインストールすれば、音声によるコマンド実行も可能だ。全体的によくしゃべり、よく動く、にぎやかな感じを受けるのが王様の翻訳の特徴だろう

翻訳の王様では、このようなアニメーションによるチュートリアルが数多く収録されている。画面表示とともに音声でも説明してくれるのでわかりやすい

 翻訳の基本部分もしっかりしている。ブラウザの翻訳機能「一般ブラウザ翻訳(キング)」はWebページ全体を翻訳するだけでなく、部分的な翻訳もできる。翻訳結果は、結果のみ表示、原文と訳文を上下に並べて表示、原文と訳文を左右に表示、などが選べる。要点だけを抜き出して翻訳する「よ~やく翻訳」も可能。このほか、入力したテキスト文章を翻訳する「テキスト翻訳(クイーン)」、URLや時間を指定すると自動的にWebページをキャッシュして翻訳する「自動巡回機能(ナイト)」も用意されている。また「クリップボード翻訳」という翻訳方法も利用できる。これは画面上の翻訳したい部分を範囲選択し、コピーしてクリップボードに送ると、その内容が翻訳結果に置き換えられペーストできる機能で、その際にキャラクターを画面上に表示させておけば、ふきだしで訳が表示される。さらに、翻訳したい英単語の上にマウスポインタを乗せるだけで翻訳してくれる「マウス辞書」機能も持つ。これはほかのマウス辞書引きツールと同様の機能だが、翻訳結果をキャラクターにしゃべらせたり、ふきだしで表示させることもできる。

クリップボード翻訳を実行したところ。翻訳したい範囲を反転表示させ、クリップボードにコピーすると、内容を自動的に翻訳してくれる。翻訳結果をキャラクターにしゃべらせることもできる。

 辞書部分は基本辞書24万4000語に加え専門辞書(インターネット、アートなど)を10万8400語の35万語と、参照用に研究社の新英和・和英中辞典が英和約9万語+用例約8万語、和英約7万語+用例約10万語となっている。

 翻訳の王様は、全体的にビジュアルやサウンドなどによりにぎやかさを感じさせる翻訳ソフトだ。翻訳ソフトというと、ビジネスユースで地味な印象があるが、その中ではかなり個性的なソフトに仕上がっている。同じ翻訳ソフトならおもしろいものを使いたいという人は一度試してみてはいかがだろうか。また、翻訳の王様POWER+王様の辞書から王様の辞書を省いた「翻訳の王様POWER+」が7800円で発売されている。なお、翻訳の王様はWidows版に加えてLinux版も同梱しているのでLinuxユーザーで英日翻訳ソフトを探していた人にもおすすめだ。

ソフト名 インターネット翻訳の王様 POWER+王様の辞書 Ver.3.5
価格 9800円(アップグレード版は8800円)
会社名 日本アイ・ビー・エム(株) 
問い合わせ先 0120-04-1992/044-200-8620
URL http://www.jp.ibm.com/
対応OS Windows 95/98/NT 4.0/2000、日本語redhat Linux 5.2(LASER5)/Red Hat Linux 6.1日本語版(Red Hat)、Turbo Linux 日本語版 4.0
対応ブラウザ IE、NN
CPU Pentium以上(Pentium-166MHz以上を推奨)
メモリ 32MB以上(64MB以上を推奨)
HDD 80MB以上(最小構成時、最大構成では130MB以上)、辞書付き版は80MB以上(最小構成、最大構成では350MB以上)、日英翻訳機能利用時は、さらに30MB以上必要
対応アプリ IE、NN
Web部分翻訳
音声入力 ○要IBM ViaVoice 98日本語版
音声読み上げ 英語(Outloud)、日本語(Pro Talker)の合成音声
英日基本辞書 24万4000語
日英基本辞書 7万6000語
英日専門辞書 10万8400語
日英専門辞書 なし
ユーザー辞書
英日参照用辞書 なし
日英参照用辞書 なし
マウス辞書引きツール なし
付属ソフト 英魂VALUE PACK Version 2.1
OCR機能 ×
自動巡回機能

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