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天下統一III

天下統一III

2001年01月01日 16時47分更新

文● culi

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天下統一III

システムソフト

1万800円(1月26日発売予定)

ちょいと昔、「信長の野望」シリーズと双璧をなす戦国SLGゲームとして名を馳せたのがシステムソフト「天下統一」シリーズだ。武将の個性とグラフィカルで詳細な内政・戦闘の演出を目指した“信長”に対し、グラフィカルな演出は最低限にとどめ、システムを高度に抽象化してストイックなまでに「戦国の息吹」の再現を狙った“天下統一”。その9年ぶりの新作「天下統一III」のファーストインプレッションだ。

「戦国時代のしくみ」の忠実な再現を追求した質実剛健なシステム

天下統一IIIのメイン画面。シナリオは2本(1537年開始、1557年開始)。IIの1年4ターン制から6ターン制に変更された結果、農繁期/農閑期の農兵動員がよりリアルに反映されるようになった。

 「信長の野望」と「天下統一」。かつてこの両タイトルは、まさに好一対、好敵手だった。だが、1992年に「天下統一II」がリリースされて以来9年、信長シリーズが着々と新作を出し、斬新なシステムを取り込んでいったのに対して、天下統一IIの後続タイトルである「天下統一~乱世の覇者」や「~相剋の果て」は、Windowsへの移植やグラフィック強化、シナリオ追加などのマイナーチェンジを行うにとどまり、基本システム自体はほとんど変更されなかった。もっとも、それでもファンたちはこのタイトルを根強くガンコに支持し続けてきたのは事実(かく言う私もその一人)。逆にいえば、天下統一IIのオリジナルシステムの完成度がいかに高かったかということを物語っている。

 とはいえ、9年の歳月はコンピュータの処理能力を驚異的に向上させた(オリジナルの天下統一IIは、ナント「PC-9801VM以降」対応!!)。8年前には複雑すぎた(であろう)戦国時代の細かな要素の再現も、今のコンピュータ能力なら楽勝だ――というわけで、新年早々、ついに「天下統一III」(以下、III)が登場するのだ。

武将の各能力は、0~25の範囲。経験や年齢で変動する。ただし、能力を実際に使うまではA~Fの6段階でアバウトに表示されている。

 IIIのシステムは、「天下統一IIというスープをベースに、9年間じっくりコトコトひたすら煮込んで、戦国のテイスト、旨味を100%まで引き出す」という1点に集約される。PCの処理能力が許す限り、家や同族集団を基盤にした戦国武士の社会システムをとことん再現しようとしているかのようだ。一方、グラフィカルな演出は相変わらず(ただし2000年末時点で確認できる限りでは)最低限にとどめている。

 「旨味」の例を挙げよう。IIでは大名家の武将の序列は「当主-世継-家臣(-独立勢力)」と単純で、大名家同士の外交関係も「不戦同盟/従属/臣従」だけ、軍勢は軍団長と配下武将を任意に組み合わせた「軍団」単位で運用されていた。IIIでは、個々の武将はすべて一族郎党から成る「武将グループ」に属しており、この武将グループがすべての基本単位となる。大名家なら「当主-世継-家老-宿将-侍大将(-浪人)」という序列上に各武将グループが位置づけられる。大名家(の武将グループ)と他家の武将グループとの関係は「直属家臣/譜代武将/外様武将/独立豪族」で区分される(独立豪族の外様化、さらには譜代化も可能)。また、大名家同士の外交関係も「不戦同盟/軍事同盟/盟主(従属、臣従、主筋)」と、歴史事実に沿ったリアルな身分、組織図が再現されるようになったのだ。



「寄騎配備」コマンドの実行画面。IIIの軍団は、たとえば羽柴秀吉を城主だとすると、弟の秀長は(秀吉の)武将グループの一族として、堀秀政は当主(信長)から付けられた寄騎として、それぞれ行動をともにする、そんなイメージだ。

 軍団の扱いも大きく変化した。城主(家老、宿将)を除く直属家臣は当主の居城に留まり、それ以外の味方の城へは「駐留」コマンドで移動する。また軍団の構成は、城主に任命された武将のグループに加えて「寄親-寄騎」の形で侍大将を割り当てることになる。では、敵の城にはどうやって攻め込むのか? というと、いったん集結地点となる味方の城に武将たちが集結してから、目標となる城へ移動するのだ(当然の結果として、遠距離を移動した軍団は疲労が大きくなる)。

野戦の画面はクオータービューに変わったが、互いに陣形を決めて武将を配置するところはIIと同じ。

 合戦で野戦と攻城戦のどちらが発生するかは、IIと同様、守備側の選択による。戦闘システムそのものでは、いったん勝利した軍勢が連続して隣接の敵城を攻撃できる「ダブルインパルスシステム」がIIIの新機軸だ。野戦のフィールドは「峠」「川」「荒れ地」「平野」の4種類用意されており、従来の「別働隊」以外に「伏兵」(あらかじめ1部隊を伏せておく)も実行できる。攻城戦では、敵の行動を邪魔する「付城」(敵城攻略のために周囲に作る砦)の築城が新たに可能になった。



攻城戦も「強襲」「包囲」「計略」などのコマンドを選択するだけで自動処理される。

 合戦関連では「制海権」も新しい概念だ。海沿いの城では港を築くことができ、港では軍船を建造できる。敵味方が同じ海域で競合すると、港の軍船を用いた海戦が発生し、勝利したほうが制海権を握ることになる(制海権を持つほうは、自由に海上移動ができる)。
 さて、本来なら続いてIIIならではの新定石も検討してみたいところだが、残念ながら現在手元にある評価(β)版は、まだデータの一部が未完成で、連続したプレイもできないため、製品に近づいたバージョンが入手でき次第、改めてより詳細なレポートをお届けしたい。



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