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三國志VIII特別インタビューレポート

三國志VIII特別インタビューレポート

2000年12月31日 03時36分更新

文● 中村聖司

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VIIIの隠された醍醐味「放浪軍」

放浪軍の画面は残念ながらまだないので、VIIIで使用される武将グラフィックスをご紹介。これはご存じ張遼と黄忠。

 インタビューの中で最も心ときめいたのが「放浪軍」システムである。コーエー「三國志」シリーズの元ネタである羅貫中作「三国志演義」で、劉備軍が大兵を引き連れて放浪の旅を繰り返すのはご存じの通りだ。それを丸ごとゲーム内で再現してしまおうとする大胆な試みである。三国志演義では、劉備軍は放浪と寄宿の繰り返しの中で、個性溢れる名将、知将に出会い、また劉備の仁徳を支持する民百姓を吸収し、最終的に蜀に到達する頃には中原に覇を唱えるまでの大勢力に成長する。この摩訶不思議な成長過程こそが三國志演技の醍醐味であり、ヨーロッパ戦史にも日本の戦国時代にもない、「メシを食わせてくれる人物が大将になる」という中国史ならではの豪快な面白味がある。この要素はコーエーの「三國志」シリーズでも取り入れられ、ゲーム開始後いきなり下野して、敵領を越えた先にある、より栄えた都市で旗揚げしたり、また最後の都市が陥落して滅亡してしまっても、在野武将として生き延びられ、再起を図ることができた。前作VIIでは、そこからさらに一歩進めて、ほかの君主に仕官することも可能になっていた。



「蒼天航路」での見事な活躍ぶりで一気に人気武将にのし上がった郭嘉と荀イク。今回も郭嘉でやろうっと。

 そしてVIIIでは、遂に君主が支配している1都市に寄生するような形で「放浪軍」が結成できるようになる。VIIIの武将の身分は上位から順に「君主」「軍師」「軍団長」「太守」「一般武将」「放浪軍君主」「放浪軍武将」「在野武将」の8つ。このうち、一般以上の武将は「宮城」(メインマップ左上の一番大きな建物)の中で生活し、在野武将は「飯店」に潜み、そして放浪軍君主/武将は「酒家」を拠点としている。酒家はVIIIで追加された建物のひとつで、放浪軍に所属する武将のみが使用でき、「募兵」「入金」「出金」といったコマンドが実行できる。もちろん、個人フェイズは、放浪軍の武将にも平等にまわってくるから、物を売ったり買ったり、自宅で能力の鍛錬をしたり、あるいは飯店に赴いて在野武将を勧誘したりといった活動を行うことができる。1都市限定ではあるものの、ある君主が支配している都市の片隅で、半国家が形成できるのだ。なんと魅力的なシステムだろう。



徐庶と司馬懿の軍師ふたり。新システム「戦法」の導入で、彼らは小説顔負けの強さを手に入れることができるのか。

 ここで気になるのが、放浪軍の収入についてだが、その都市を支配している君主から与力として参戦依頼が来る場合があり、この与力活動が主な収入源になるようだ。放浪軍はいわば私兵の扱いとなるため、君主国家の軍勢がいきなり酒家に押し寄せ、逮捕されるようなことはなく、いわば無所属中立の立場になる。放浪軍が戦略フェイズで取れる基本的な行動には、「旗揚」と「転地」と「出陣」の3つが用意される。旗揚は空白地で新勢力を興すもので、転地は隣の都市に軍全体で移動するというものだ。出陣は隣の都市に対して単独で攻撃を仕掛けるもののようだ。

 また、今回は君主がすべての都市を捨てて、まるごと放浪軍と化すことも可能になっている。この場合、君主は放浪軍君主に、配下武将は放浪軍武将に降格されるとはいえ、大事な兵力の大部分を失って下野するよりは遙かにマシなので、特に序盤劣勢の劉備軍などは積極的に使っていきたいところだ。



西蜀地方の都市の様子。
南蛮地方の都市の様子。

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