オンラインRPGブームの先駆けにして、今なお先頭集団を走りつづける名作「UltimaOnline」。幾度となく実行されてきた細かな改変と、過去2回の大規模アップデートにより、ユーザーを飽きさせない本作に、次なる「大変革」の情報が発表された。早速入手したαテスト版を元に、ブリタニアにもうすぐやって来る「第3の夜明け」のファーストインプレッションを紹介しよう。
今度の拡張は描画システムの大刷新!
新「UO」ファーストインプレッション
「Diablo」とともにオンラインRPGの黎明期を支え、今でも「EverQuest」や「DiabloII」と並んで多くのユーザーがプレイしている人気タイトル「UltimaOnline」。発売開始からすでに3年が経過しているが、幾度となく実施されてきた自動ダウンロードによるアップデートと、有料拡張パッケージ「The Second Age(T2A)」と無料拡張「UltimaOnline:Renaissance(UO:R)」(これとともに新パッケージも発売)という2回の大規模アップデートを果たし、新しい魅力を追加しつつ長い歴史を刻みつづけている。
2000年11月、導入が遅れていた「派閥闘争システム」が施行され、UO:Rで追加される予定となっていた大規模な仕様追加/変更の大部分がやっと完了した矢先なのだが、早くも3回目にあたる次の「大変革」が近づいてきた。すでに公式サイトでニュースリリースが発表されている「第3の夜明け(The Third Dawn)」の登場だ。今回の大規模拡張は、T2A以来となる有料アップデートで、新機能群を遊ぶには新たに拡張パッケージを購入する必要があり(価格未定)、正式リリースは2001年春の予定となっている。最大の特徴は、グラフィックスの3D化と新大陸の発見である。日本国内では、2000年12月22日から27日の間にαテスターの公募(定員450名)が行われるが、いち早く体験テスト用のα版を入手できたので、早速その様子をご一報しよう。なお、本記事の内容と画面類は現在開発途上のバージョンによるものなので、今後仕様が変わっていく可能性が大いにある。あらかじめご了承いただきたい。
グラフィックスの一新された「UO:3D」で、既存サーバの首都銀行前に行ってみた。ポリゴンで描かれたプレイヤーキャラが歩き回る姿がものすごく新鮮! |
3D化といっても、EverQuestのような一人称ないしは三人称(プレイヤーの後方から)視点での3D表示になるわけではなく、Diab loIIのようなクォータービューの3Dグラフィックス化。3D APIにはDirect3Dが利用されている。現在もクォータービュー(DirectDraw描画)が採用されているので、さほど変化がない感じもするのだが、プレイヤーキャラクターやモンスター、さらに町並みやダンジョンなどの地形などはすべてポリゴンで構成された3Dグラフィックスに変更され、従来のUOの印象を残しつつも、視覚的にはまったく異なる世界に再構築されている。キャラクターの動きはモーションキャプチャにより一層「生物っぽさ」が増し、すでに見慣れたモンスターにもまったく新鮮な印象を受ける。また、家や町などの明かりや人物や建物の影といった、照明関係の画像処理は従来よりが格段にリアルで美しくなっている。
ただ、現在のα版では、まだまだキャラクターのグラフィックスデータは未完成で、ドラゴン系を筆頭に、まだ現行バージョンと同じグラフィックスデータのままのモンスターも多い。それでも、新グラフィックスでさらに凶悪なルックスになったデーモンはもちろん、人によっては「もう倒し飽きたよ……」と言いたくなる雑魚キャラの代名詞、オーク族ですら新デザインで新鮮かつおっかない姿に変身しているので、未導入キャラたちも大いに期待ができる。UO:Rでは、モンスターのAIの改革が進み、それまでによく用いられていた対モンスター戦用の戦術の多くが見直されてきたが、いかんせん見た目が今までと変わりがなかったために、「多少頭がよくなってはいても、無理して戦う気はしないなぁ」というベテランユーザーもいたようなのだが、今回のグラフィックスの大改革は、そういったベテラン勢にも「おっ」と「目を引く」変更といってよいだろう。
オーク族と紛争が続く田舎町「Cove」の南側にある砦付近でオークやエティン(こちらは3Dグラフィックス未実装)と戦闘を行う。武器を振るう剣士のアニメーションもかっこいいが、雑魚キャラ・オークのルックスもなかなか怖い。 |
高レベル魔法でデーモンを召喚してみた。3Dグラフィックス化によりさらに凶悪な形相になっている上、以前より体がデカくなった感じもする。キャラのパラメータ的には前と同じなのだろうが、恐怖感倍増かも……。 |