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進行しつつある静かな革命

2000年12月23日 00時13分更新

文● 渡邉 利和(toshi-w@tt.rim.or.jp)

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 現在、UNIXサーバの主戦場はインターネットサーバだと言って過言ではないだろう。ドットコムビジネスと呼ばれたりしているWebベースのビジネスは、その成否がアクセス数に依る傾向が高い。ショッピングサイトであれ、サービス提供サイトであれ、現状ではユーザーから直接収益を得て、それでビジネスとして成立するところは少ない。勢い、バナー広告などで補っていくわけだが、広告を集められるかどうかはそのサイトの集客力に大きく左右される。つまり、何はなくともまずアクセス数を増やす必要があるのだ。

 しかしながら、現実の店舗ほど決定的な要素ではないものの、システムとしてのWebサイトにはやはり規模に見合った適正な「客数」というものが存在する。現実世界では、裏通りの間口一間でカウンターしかない小さな飲み屋に、数万人もの客が押し寄せたりはしない。行列ができる人気店はたくさんあるが、行列を見てあきらめる客も多いため、そうそう滅茶苦茶な状態にはならないのが普通だ。しかし、Webサイトはこうはいかない。ユーザーからは、ほかのユーザーのアクセスがどの程度あるのかを知る手段はないため、Webサイト側のシステムの規模や都合などにお構いなしにアクセスが殺到することもある。

 TVのグルメ番組などでは「嬉しい悲鳴を上げています」などとコメントを吐きつつ忙しげに飛び回る店主の姿がどこか誇らしげに映し出されたりするが、Webサイトの場合はこんな生やさしい状況では済まない。サーバがダウンしたり、せっかく接続できたユーザーのセッションが途中で叩き切られたりして、サイトの評判はがた落ちだ。これで悪評が立ったりすれば、大きな痛手を受けるだけでは済まず、最悪の場合はビジネスの継続が不可能になることさえ考えられる。

 ユーザーは増えてほしい。しかし、対処不能になっては困る。解決策は、ユーザー数の増加に見合うだけのリソースの増強を施すことだが、これも簡単ではない。ユーザーのアクセス数を正確に予想する手段は存在しない。ある意味人気商売に近いものがあり、人気爆発となるかひっそりと消えていくかを事前に正確に知ることはできないので、当然ながら適切なリソースの量を正確に決定する手段もない。となると、事前に不足ないリソースを確保しておくのも困難だということになる。成功間違いなしという画期的な企画はそう滅多にあるものではないので、通常はあまり大規模なリソースを確保することはできないだろう。回収の見通しもないままに多大な投資を行なうのは、ビジネスというよりはバクチである。このリスクに対する対策となるのが、CODプログラムというわけだ。

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