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RUNE

RUNE

2000年12月20日 21時24分更新

文● 内田

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RUNE

P&A

8800円

古代~中世スカンジナビア半島に力強くその勢力を展開していたアングロ=サクソン系民族、バイキング。角付き兜(実は後世で植え付けられた「イメージ」らしい)の無骨な戦士が船を操り北欧を席巻する、そんな彼らが主人公として活躍するのが、Gathering Of Developers(G.O.D.)傘下のHuman Head Studios(国内発売元はP&A)の最新作「Rune」である。

アンデッド兵士と対峙するRagner。コイツはかなり厄介な敵で、パンチ、毒霧の2種類の攻撃と、切っても切っても死なない不死の体を持つ。ただし、首をぶった切れば一撃で倒せる。

 P&Aからリリースされた、Gathering Of Developers(G.O.D.)/Human Head Studiosの最新作「Rune」は、古代スカンジナビア神話(北欧神話)の最高神である「Odin」を信奉する部族の若い戦士「Ragner」が主人公の3Dアクションゲームだ。戦士として「一人前」と認められるための訓練中であるRagnerは,悪神「Loki」を信奉する部族に突如襲われた自らの部族、そして父の復讐と平和のため,そして一人前の男として認められるために,たったひとりで悪神Lokiとその配下たちに戦いを挑んでいく,というストーリーだ。リードにもあるように、物語のバックグラウンドは日本では比較的なじみの薄い古代スカンジナビア神話(北欧神話)をモチーフとしており,近未来モノが多い最近の3Dアクションゲームの中では独特の雰囲気を醸し出している。



北欧神話の独眼の主神、Odin。自らの信奉者であるRagnerに助言を与えるため、ストーリー中にたびたび姿を見せる。

 ゲームシステムは,プレイヤー背後からのカメラ視点でゲームが進む,いわゆる三人称視点の3Dゲームで、3D描画エンジンには「Unreal Tournament」エンジンを採用している。本家本元Unreal Tournamentでは、重厚な金属感をリアルに表現するために多用されていたグラフィックスの光沢は、Runeにおいては、氷や鉱石、水面の描画に利用されている。その一方で、主人公やさまざまな登場人物、モンスターたちの動き、体のパーツが吹き飛び、血を撒き散らすような「肉」の生々しさなども、Unreal Tournamentエンジンの得意とするところでもある。重厚で美しく、そして生々しく力強いグラフィックスの質感は、近未来モノのアクションゲームにはない魅力を持っている。

 対応する3D APIは、Direct3D、Glide、OpenGL、さらに描画の美しさではハードウェアレンダリングには及ばないまでもソフトウェアレンダリングでもプレイ可能だ。また、これに加えて、EAX、A3Dといった3DサウンドAPIにも利用したサウンド、特にモンスターの鳴き声やさまざまな環境音による雰囲気作りも、ゲーム全体の緊張感を高めている。また、林や茂みなどで、周囲に立っている木に接触すると(これは自キャラでも敵キャラでも)、「ガサガサ」という音がする。自然の中を歩き回っていることのリアルさアップ、という効果はもちろん、これによって敵の存在に気づくこともある。ちょっとしたポイントだが、なかなかおもしろい試みだ。



ゲーム序盤は地下世界が舞台となる。地下水脈の水面の煌めきはUnreal Tournamentエンジン独特の光沢感を持った美しさだ。

 主人公が手にする武具は、右手に装備する剣系、ハンマー系、戦斧系の3系統の攻撃武器と、左手に装備する防御アイテムの盾類。デフォルトのキー設定では、左クリックが攻撃、右クリックで盾をかざした防御、となっている。3系統に分けられた武器類は、大きさもデザインもまったく異なる18種類以上の武器が用意されており(倒したモンスターの手足などですら武器になる!)、武器によって主人公のアニメーション動作も多彩に変化する。敵の攻撃が激しく、武器の届く間合いまで踏み込むのが困難な場合でも、盾をかざして進んでいけば、ダメージを防いで敵まで近づくことが可能だ。しかし、盾には耐久度が設定されていて、敵の攻撃をある程度受けると壊れてしまうので、使いどころはなかなか悩ましい。



小型の戦斧を振るうRagner。武器は、剣系、ハンマー系、斧系の3系統に分類さており、アクションも威力も効果も武器ごとに特色がある。プレイした感触では、甲羅の硬い敵にはハンマー系、アンデッドの首を切るなら剣系が有効、となっているようだ。ゲームがもっと進むと、とんでもなく巨大な武器も登場するらしい。

 これらの基本的な武器、防具の要素に加えて、本作には、武器ごとに設定された「ルーン」という神秘の魔術も存在する。これは、いわゆる「マジックポイント」のようなものを、ステージに落ちているアイテムで補充していくことで使えるようになる。効果は「攻撃対象からヒットポイントを吸い取る」「手に持っている盾を巨大化して防御範囲を広くする」「大打撃を敵に与える」などさまざまだ。ルーンの力もまた有限のものなので、無意味な乱用は避け、本当のピンチが来たときに有効なルーンの力を発動させたいところだ。

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