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アメディア、視覚障害者向けソフトを開発するためのSDKを提供

2000年12月20日 15時55分更新

文● 編集部 桑本美鈴

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(株)アメディアは20日、視覚障害者向けのバリアフリーソフトを開発するためのSDK(Software Development Kit)をアプリケーション開発者向けに発売すると発表した。

今回発売するSDKは、合成音声出力機能をソフトに組み込むためのエンジン『AVM(Amedia Voice Manager)』と、電子図書の読み込み/作成を行なうための『FDブック・ソフトウェア開発キット』の2製品。

AVMは、同社が開発した合成音声出力技術をカプセル化したエンジンで、明瞭で聞き取りやすい音声出力を可能にするという。声質は、性別(男/女)、高さ(5段階)、抑揚(抑揚のまったくない棒読みから抑揚の強い話しかたまで4段階)、速度(10段階)を設定可能。

AVMを利用したアプリケーションをVisual Basicで作成している画面

また、1つの文字を説明付きで読み上げる機能も搭載、例えば“東”という文字を読み上げるときに「ひがし、とうきょうのとう」と音声出力できる。

インターフェースは、C/C++言語向けAPIをActiveXコントロールをサポート。対応OSはWindows 95/98/Me/2000/NT4.0。価格は3万8000円。なお、開発したアプリケーションにAVMを同梱して頒布する場合はライセンス料が別途必要となる。ただしフリーウェアの場合はライセンス料は無料。

FDブック・ソフトウェア開発キットは、バリアフリー電子図書協議会認定の視覚障害者向けFD電子図書『FDブック』の読み込み/作成を行なうためのSDK。

SDKを利用して作成したFDブックビューアー

FDブックは作者の著作権を保護するため特殊なファイル形式を採用しているが、同SDKを利用することで、FDブックのファイル形式と、通常のテキストファイル形式との相互変換が可能となる。テキストファイルを作成し、その後同SDKでFDブックファイルにデータ変換すると、FDブックコンテンツを作成できる。対応OSはWindows 95/98/Me/2000/NT4.0。価格は3万8000円。

アメディアは、視覚障害者向けPC用ソフトウェアの開発/販売を行なっている会社。AVMを用いた製品として、書籍などの印刷物読み上げソフト『ヨメール』、ホームページ読み上げソフト『ボイスサーフィン』、電子メール読み上げソフト『ユニメール』といった製品を開発、販売している。

本日都内で行なわれた発表会で、アメディア代表取締役の望月優氏は「プログラム開発に興味のある人にSDKを提供することで、しゃべるソフトが市場にどんどん出てきてほしい。今回提供する技術は、当社の機密事項に近いもので本当は外部に出さないのが普通だろうが、当社だけでは視覚障害者に便利なソフトをたくさんは出せない。われわれが培ってきた技術を提供して、いろいろな人たちにソフトを開発してほしい。基本的にこのソフトでの収益は考えていない。より多くの人たちに障害者や高齢者の視点に立ったソフトを作ってほしい。またそのための環境整備に役立ちたい」と語った。

上記2製品とも、同社の直接販売のみで提供される。本日より購入申込の受付を開始し、製品出荷は2001年初旬となる。

・申込先:Tel.03-5286-7511

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