プロックスジャパン(株)(※1)は18日、ユーザーがあるタレントあてに送ったEメールに対し、あたかもタレント本人が書いたような返信を出すサービス“Produce-for you(プロデュースフォーユー)”を20日に開始すると発表した。
※1 本社は東京都港区で、2000年2月設立。資本金1000万円。モバイルコンテンツのコンサルティングや事業化、人工知能サーバーシステムの開発などを手がける。20日オープン予定の“Produce-for you”のトップ画面 |
(株)ディーディーアイ(KDDI)グループの携帯電話インターネットサービス“EZweb”と、パソコンから利用できる。料金はEZweb版が月額315円(5メールまで)、パソコン版が1メールあたり300円となっている。
Produce-for youは、20にオープンする専用ウェブサイトを通じて、会員登録をしたユーザーが、タレントやアーティストに対してメールを送信、送られたメールをプロックスジャパンが開発した“人工知能感性サーバー”が文章解析して、対象となるタレントやアーティストに成り代わってメールの返事を生成して返信するというサービス。
実際にタレントが返事を書く場合では、時間的、物理的制約からそのメールを受け取れるユーザーはごく少数に限られるが、Produce-for youではコンピューターによる自動生成のため、多くのユーザーに対応できるという。また、自分が書いたメールの内容に則した返事が送られてくることで、タレントとのメールのやりとりが現実に近い形で行なえるとしている。
タレントへのメールはProduce-for youのサイトを通じて送られる |
Produce-for youのサーバーは、対象となるタレントやアーティスト1人あたり数十時間をかけて、インタビューなどを行なって、好みの音楽嗜好、口癖や文章の癖をデータベース化し、ユーザーから送られてきたメールの文章解析によって、タレントの感性や趣向を持たせた文章を作成するとしている。文章解析技術や自動文章生成ソフトウェアなどはすべて自社開発したもので、サーバーには日本SGI(株)のものを使用しているという。ソフトウェアやハードウェアの詳細については明らかにされなかった。
同社はProduce-for youのサービスとして、ユーザーの希望のシチュエーションに合った音楽を選んで知らせてくれる“Sound Selection”、心を癒やし元気づけてくれるメッセージを送ってくれる“Healing Mail”、タレントの経験に基づいたアドバイスを送ってくれる“Advice Function”の3種類を用意しているが、今回サービスされるのはSound Selectionのみ。他のサービスについてはユーザーの反応を見て開始したいとしているが、時期についてはまったく未定。
Sound Selectionサービスで送られるメールの例。送り主は眞鍋かをりさん |
Sound Selectionサービスで送られてくるメールには、ファンへのメッセージメールのほか、ユーザーの希望に合わせた7曲の選曲リスト、タレントの近況報告が含まれている。また、EZweb版ではオリジナル待ち受け画像(毎月5点)、パソコン版ではメッセージ付きフォトフレーム(※2)(毎月10点)が提供される。料金はEZweb版は通信料金似合わせて引き落とし、パソコン版では“WebMoney”というプリペイドカード決裁となっている。WebMoneyはProduce-for youのサイトやコンビニエンスストアで購入できるとしている。
※2 タレントの画像に、ユーザーに対する返事のメール本文を組み合わせて1枚の画像にしたもの。壁紙として利用するという想定。メッセージ付きフォトフレームの例 |
オープン時に登録されているタレント、アーティストは、以下の10人で、毎月およそ2名ずつ増やしていくとしている。
発表会で説明したプロックスジャパン代表取締役社長の東山美樹氏は、「タレント本人でないコンピューターが返すメールに大勢のユーザーが付くのかという疑問もあると思うが、当社が渋谷で行なったアンケート(2万人規模)では、“アーティストが監修したものだから納得”、“見て納得しました。これはすごい”、“お宝画像が手にはいるのがうれしい”、“ゲーム感覚で利用したい”、“返事がないファンレターよりすごくいい”、“名前を呼んでくれているのが最高”などと好意的な意見が上位を占めた。芸術、文化の革命になると信じている」と自信を見せた。また、タレント、アーティストに続くこのシステムの応用としてカリスマヘアーアーチストなどを予定しているという。
発表会にゲスト出演した眞鍋かをりさん(左)、プロックスジャパン代表取締役社長の東山美樹氏(右) |