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EDiCube Pico FX720D

EDiCube Pico FX720D

2000年12月18日 18時40分更新

文● 佐久間

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EDiCube Pico FX720D

エプソンダイレクト

8万9800円

エプソンダイレクトの「EDiCube」は、カスタムメイドメニューを省略する代わりに、コストパフォーマンスをより高めたセットモデルだ。EDiCube Picoは、ユーザーによるHDDの追加、メモリ増設もできないシールドPCだが、その分最初からメモリを128MB、HDDも20GBを内蔵し、目的別にCD-ROMドライブモデル(7万9800円)、DVD-ROMドライブモデル(8万9800円)、4倍速書き込み書き換えのCD-RWドライブモデル(9万9800円)と3タイプ用意している。

TV出力やデジタルオーディオ出力は未搭載

 EDiCube Picoは本製品が2世代目となる。従来モデルとの違いを見ると、CPUはCeleron-600MHzから700MHzに高速化され、HDD容量も15GBから20GBに増えて、プリインストールOSはWindows Millenniumになった。標準添付だったUSB接続の外付けFDDユニットはオプション扱いになったが、価格は2万5200円ほど引き下げられている。さらに、従来はCD-RWとDVD-ROMの2タイプだったが、より低価格なCD-ROMドライブモデルが追加されたことも挙げられる。

上の全体写真を見てもわかるように、本体の高さはキーボードの幅より短い約29cm。重さも5.2kgと軽量なので、その気になれば部屋から部屋への移動も可能だ。

 さて、従来のEDiCube Picoを知らない人のために、DVD-ROMドライブモデル(PX720D)を使って詳しい仕様を見ていこう。最初に、「ユーザーによるHDDの追加、メモリの増設ができない」と言ったが、EDiCube Picoはユーザーがあとから使用できるPCIスロットや拡張ベイを一切備えておらず、プラスチック製外部カバーを外してもなお金属カバーがピタリと閉じられた内部へのアクセスが難しい(慣れた人なら無理ではないが、もちろんメーカーの動作保証対象外)シールドPCになっている。
 その分、最初からモデム、LAN機能を内蔵し、ビデオ&サウンドもチップセット「i810E」の内蔵機能を使って実現している。DVD-ROMドライブを標準搭載し、InterVideoの「WinDVD Millennium(OEM版)」をプリインストールしているが、5.1chのドルビーサラウンドやdtsなどを楽しむためのデジタルオーディオ出力には対応しておらず、大画面TVで見るためのTV出力機能も搭載していない。最新、最高級のDVD-Video視聴環境とはいかないが、とりあえず自宅のPCでDVD-Videoを見てみたいという向きには必要なスペックは十分揃っている。

 実際、いくつかのタイトルを試してみたが、Celeron-700MHzを載せた本機なら、かなりビットレートの高いアニメ作品でももたつく動きやコマ落ちは一切見られず、スムーズな再生が可能だ。ただし、ビデオチップ(i810E)によるオーバーレイ表示の制限があり、1280×1024ドットでは256色/垂直周波数60Hzまで、1024×768ドットではフルカラー/75Hzまでとなる。17インチCRTモニタと組み合わせた場合、表示速度などを考えると実用的な解像度としては、1024×768ドット/6万色/75Hz(85Hzではオーバーレイ不可)となるだろう。また、これは再生ソフトとの組み合わせによるものかもしれないが、フルスクリーン表示にしたときのコーミングノイズ(斜めの直線などに現れる櫛状のノイズ)が少々気になった。これはTVに映す(インターレース表示)とかなり軽減され、気にならなくなるものなので、できれば今後DVDモデルではTV出力を追加してほしいところだ。
 そのほか、シリアル/パラレル各1ポートに加え、USBポートを前面と背面に2つずつ搭載しているのもEDiCube Picoの特徴だ。PDAやデジタルカメラをはじめ、USBを使うデバイスが増えてきているだけに、抜き差ししやすい前面にもUSBポートが用意されているのは嬉しい仕様だ。

 価格は最初にも述べたように、DVD-ROMドライブ内蔵モデルが8万9800円。CD-ROMドライブモデルは-1万円、CD-RWドライブモデルは+1万円というラインナップになっている。オプションで液晶モニタが5万9800円(本体と同時購入の場合)から、17インチCRTモニタが2万円(同)からなどとなっているので、同社のWebサイトもぜひ確認してみてほしい。直販のみなので、店頭での値引きがない分、最初からかなり安い価格設定だ。あとからユーザーが機能を追加/変更できないという制限はあるが、ノートPCの母艦として、あるいは会社の仕事の続きを行うために家庭に置く1台としてなど、PCを使う目的を明確に決めている方には買い得なモデルだろう。

背面を見るとPCIスロットらしきフタがあるが、DFPのデジタル液晶用出力端子とAMRスロットに差された56kbpsモデムが使っている。家庭で使うことを考慮して、本体の動作音は極めて小さく静粛性が高い設計になっている。
CPU Celeron-700MHz
メモリ 128MB
ビデオ i810E
HDD 20GB
DVD-ROM DVD8倍速/CD24倍速
通信 モデム&LAN
OS Windows Millennium Edition
モニタ オプション
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