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Pentium 4マザーボード特集

Pentium 4マザーボード特集

2000年12月16日 04時19分更新

文● 丸尾

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性能はASUSTeK「P4T」が優秀
マザー選びは4社4様の特徴の理解が重要

 まずベンチマーク結果の考察。気になるのは、やはりオーバークロック時の性能。FSBが上昇している分、割り引きは必要だが、Pentium 4の潜在能力を探る意味でオーバークロック時の性能、特に、Pentium 4が苦手としているビジネスアプリでの性能は興味深い。SYSmark 2000では、全体としてはPentiumIII以上の数値なのだが、Excel 2000、PowerPoint 2000では、1.725GHzでもまだPentiumIII-1GHzに大きく及ばず、特にExcelを非常に苦手としている。Word 2000は1.725GHzでちょうどPentiumIII-1GHzと同等だ。ASCII Lab.製のExcel 2000ベンチマークでも、やはり1.725GHzまでオーバークロックしてもPentiumIII-1GHzに及ばない。1.5GHzからの上昇率では1.65GHzで10%アップ、1.725GHzで15%アップと、ちょうどクロック比ごとに上昇している。この計算でいけばFSB500MHzの1.875GHzでPentiumIII-1GHzに追いつくことになるが、FSBアップの分を割り引くと、実質的には2GHzくらいと考えていいだろう。2GHz以上のクロックに達して、ようやくすべての面でPentiumIIIを上回るCPUとなる計算である。

 各マザーボードの定格での性能比較では、メインメモリ性能で好成績を残したASUSTeK「P4T」が全般的に高いパフォーマンスを示している。そのほかはほとんど差がなく、メモリのリード性能が2番目に優れるMSI「850 Pro」がわずかに速い程度。ただし、P4Tが速いといっても、一番遅いD850GBとの差でもほとんどが0~2%(最大はWindows Media Encoder 7.0の4%)。この差をどう捉えるかは難しいが、筆者の個人的な考えを言えば、この程度の性能差を製品選びの基準にすることはない。現在流通しているPentium 4マザーボードは4者4様の特徴を持っているため、その特徴が自分にあっているものを選んだほうがいいだろう。

 各社ボードの特徴をおさらいしておくと、ASUSTeK「P4T」の最大の魅力は、やはりオーバークロック向けの仕様だろう。CPUクーラーの固定には付属の700g近い金属板が必須で、この点をプラスと考えるかマイナスと考えるかは人によって違うだろう。この金属板のために実売価格も少し高めだ。そして、Gigabyte「GA-8TX」は、なんと言ってもDualBIOS、ブルーボードという付加価値。CT5880によるオーディオ機能も、これで十分と感じる方は多いのではないだろうか。実売価格は2番目に高いが、これらに魅力を感じる方にとっては気にならないだろう。MSIの「850 Pro」は手堅いシンプルな作りだが、余計な付加価値はいらないという方には、その分価格も安めに設定されているし都合がいいだろう。IntelのD850GBは、もっとも安価なPentium 4マザーボードだが、CPUクーラーの取り付けに関して何らかの追加コストが必要となる。やはりCPU、チップセット、マザーボードをIntel製で揃えたい方向けだ。いずれの製品に関しても言えることだが、結局はブランドで選ぶことになるのかもしれない。それもいいだろう。安定度などの面を言えば、さすがにコストもかかっているだけあって、どのマザーボードもきわめて安定しており、トラブルは皆無。初物だということをまったく感じることがなかった。

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