このページの本文へ

Pentium 4マザーボード特集

Pentium 4マザーボード特集

2000年12月16日 04時19分更新

文● 丸尾

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

Pentium 4の消費電力はPentiumIIIのほぼ2倍
CPUクーラーは特殊な装着方法に

 現在販売されているPentium 4マザーボードにはすべて、CPUソケットの周りに4つの穴があいている。これはCPUクーラーを取り付けるためのものだ。Pentium 4のリテールパッケージに同梱しているCPUクーラーは、PCケースにリテンションキットを直接ネジ止めして取り付けるようになっている。当然ながら、既存のPCケースにはこのリテンションをネジ止めするための穴などはあいておらず、取り付けにはこの穴のあいたPentium 4対応の新型PCケースが必要となる。

Pentium 4対応マザーボードに共通して見られる4つの穴。CPUクーラーを取り付けるリテンションをPCケースにネジ止めするために用意されている。

 なぜこのような面倒な仕様になっているのか。ひとことで言えば、Pentium 4が強力な冷却を必要とするCPUだからだ。Pentium 4の消費電力は1.4GHzで51.8W、1.5GHzで54.7W。FC-PGAのPentiumIII-1GHzは26.1Wとなっているだから、2倍近い消費電力だ。発熱も相当なもので、CPUパッケージに「IHS(Integrated Heat Spreader)」と呼ばれるヒートスプレッダ(熱拡散用の金属板)を埋め込んだり、冷却には相当に気を使っている。

 この熱を放散するためには巨大なCPUクーラーを装着する必要があるが、そのような巨大なCPUクーラーは重量も相当なものになることを覚悟せねばならない。大きく重いクーラーを、従来のような針金などを利用した固定具でソケット自体にひっかける方式で固定していてはソケットやボードに大きな負担がかかり、ソケット破損やボードのしなりなど悪影響を引き起こす可能性がある。ケースに直接リテンションを固定することでそのような不安を取り除こうというわけだ。Intelでは、重さ450gを超えるクーラーをマザーボード上に装着するべきではないとしている。



GigabyteとMSIのPentium 4マザーは、あらかじめプラスティックピンで固定できるリテンションを装着している。このプラスティックピンとリテンションを取り外せば対応ケースによる固定も可能。

 ただし、ケースにわざわざネジ穴を用意するからには、マザーボード側にもその穴と同じ場所に穴を用意しなければならない。Intelが公開しているi850チップセットを採用するマザーボードのデザインガイドには、この穴の位置も規定されている。実際に各社のPentium 4マザーボードを並べて見ると、すべてまったく同じ場所に穴が空いているのがわかる(ASUSTeKのみ例外)。ただ、その中でもIntel製の「D850GB」はPentium 4対応のPCケースに取り付けるしかないが、GigabyteとMSIのマザーボードはプラスチックピンをこの穴に差してリテンションを固定しており、対応ケースがなくても取り付けが可能な工夫がなされている。超重量級のクーラーを装着する際には強度的に若干の不安が残るのだが、現在は市場にまだPentium 4対応ケースが十分に流通していないことを考慮した暫定措置ということだろう。ちなみに、単体売りされているPentium 4クーラーである「DRACO P4」もこの穴にプラスチック製リテンションを固定するタイプとなっている。



ASUSTeK「P4T」は、独自のCPUクーラー取り付け用の金属板(と絶縁用のラバー板)を用意。既存のPCケースへの取り付けを可能にするとともにボードレイアウトの自由度も高めている。ただし、ソケット(周りの穴)の位置が他のマザーボードやPentium 4対応ケースと異なっているため、対応ケースによる取り付けは不可能。

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

ピックアップ

ASCII.jpメール アキバマガジン

ASCII.jp RSS2.0 配信中