“ニューコンパクトノート”とシャープが銘打つ「Mebius PC-FJ」は、B5ファイルサイズのコンパクトなボディにCD-ROM(もしくはCD-RW)ドライブを内蔵するスタイルのノートPCだ。そのPC-FJシリーズに、今までのラインナップとはガラリとコンセプトの異なるユニークなモデル「Mebius PC-FJ500R」が登場した。AV機器を強く意識した、CD-RWドライブ内蔵モデルである。
PC-FJのイメージを一新
AV仕様の新モデル
FJ500Rのコンセプトは、「オーディオ&ビジュアルを気軽に、かつ徹底的に遊べるノートPC」で、それを実現するためにデジタルビデオ機器との接続に必要なIEEE1394ポートや光デジタルオーディオ出力端子を装備し、プリインストールソフトもDVベースのビデオ編集ソフトに“VJ/DJ”ソフト、作曲支援ソフトなど、メディア/エンタテインメント系のアプリケーションを中心にまとめている。
それでは、FJ500Rの基本スペックから見てみよう。CPUはMobile Celeron-600MHzで、メインメモリは64MB(オンボードに搭載)。本体裏面には128MBメモリモジュール(144ピンSO-DIMM)に対応するメモリスロットがひとつあり、最大192MBまで増設可能だ。
液晶モニタは12.1インチTFT(低反射ブラックTFT)で、最大1028×768ドット/フルカラー表示が可能。ビデオチップにはSMI「Lynx EM4+」を採用しており、外部CRT接続時には最大1280×1024ドット/フルカラー表示を実現できる。
液晶パネルを閉じた状態では、パームレストが液晶パネルから迫り出す形となる。 |
本体背面はVGAビデオアウトとUSB×3、光デジタル出力・ライン出力兼用端子という構成。この部分にはふたがついており、使用しないときには大きいコネクタや穴が見えないよう工夫がある。 |
ストレージデバイスの構成は12GBのHDDと4倍速書き込み/書き換え、20倍速読み出しが可能な着脱式CD-RWドライブを内蔵、FDDはUSB接続の外付けタイプがオプション(1万2000円)で用意されている。HDDは実際の使用可能容量11.2GBのうち、約3GBほどがOSやアプリケーションに使用されているため、ユーザーが自由に使える領域は(初期状態で)約8.2GBとなる。拡張スロットならびにポートは、CD-RWドライブが標準搭載されている拡張ベイ×1に、TypeIIのPCカードスロット×2、USBポート×4、そしてDVポートを装備するデジタルビデオ機器の接続に使用するIEEE1394ポート(4ピン)×1。従来モデル(PC-FJ160M)にあったPS/2ポートにシリアル/パラレルポートは、USBポートに置き換えられた格好となり、スッキリとした構成になっている。なお、S-VIDEO出力端子は本モデルでは搭載していない。
本体前面の中央部で光っているのがLEDレベルメータ。LEDレベルメータの左にあるのはサウンドのボリュームを調節するボタン、右にあるのはMedia Playerなどと連動するコントロールボタンだ。 |
続いて本体ボディの形状についてだが、注目すべきはなんといっても、本体前面に設けられた青い「LEDレベルメータ」と本体側面に左右ひとつづつ装備された「SLAP」ボタンだろう。LEDレベルメータはサウンドの出力レベル(ボリューム)に連動して光るほか、PC起動時などに点灯するなど、遊び心のある演出がなされている。かたやSLAPボタンは、さまざまな目的に使用できるプログラマブルボタンだ。アプリケーションメニューソフト「SLAP LAUNCHER」を呼び出すショートカットとして機能するほか、バンドルしているVJソフトやゲーム(ピンボール)などで利用できる。SLAPボタンは付属ユーティリティにより任意のアルファベットキーにも割り当てられるため、工夫次第ではほかにもさまざまな使い方ができるだろう。
本体左右のSLAPボタンは、まさにピンボール台のよう。プリインストールのピンボールゲームが楽しめるだけでなく、実用的にも使える。 |
URLやアプリのショートカットを次々に表示するランチャプログラム「SLAP LAUNCHER」。左のSLAPボタンを押すとURLを、右のSLAPボタンを押すとアプリのショートカットを展開するしくみになっている。 |