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米ゴールドマン・サックス、株式の夜間取引サービス“Moon Trade”を発表

2000年12月13日 22時31分更新

文● 編集部 佐々木千之

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米ゴールドマン・サックス証券会社は13日、個人投資家を対象に株式の夜間取引サービス“Moon Trade(ムーン・トレード)”を2001年1月22日に開始すると発表した。アメリカではこうした夜間取引がすでに行なわれているが、日本では初の試みとしている。

“Moon Trade”のホームページ
2001年2月に開始予定の“Moon Trade”のホームページ

Moon Tradeはゴールドマン・サックス証券のパートナーのオンライン証券各社を通じ、証券取引所が閉まる夜間にリアルタイムで株式の売買ができる場を提供するサービス。開始当初は17:00から19:00まで、人気のある優良銘柄25銘柄を対象に行なう。開始後1ヵ月をめどに取引時間を23:30まで延長し、開始後2ヵ月をめどに取引株を300銘柄に増やすとしている。Moon Tradeへの参加を表明したオンライン証券会社はDLJディレクトSFG証券(株)、松井証券(株)、オリックス証券(株)、イー・トレード証券(株)、日興ビーンズ証券(株)の5社。ただし、このうち当初からサービスを提供するのはDLJディレクトSFG証券のみで、ほかの4社は2001年3月から4月にかけて提供するとしている。

Moon Tradeではマーケットメーカーであるゴールドマン・サックス証券が、売気配値と買気配値の2つの株価を提示する。この株価は、ゴールドマン・サックス証券のグループ会社である英ゴールドマン・サックス・インターナショナル社が、世界市場で取り引きされる日本株の値動きを加味しつつ、気配値の更新を行なうとしている。

株式の取引に関わるプロセスはコンピューターにより自動化されており、電子取引専門グループのトレーディングノウハウを生かしたアルゴリズムで行なわれるという。自動化のため、電話などによる売買注文は受け付けず、オンライン証券からの電子データによる取引のみで行なわれる。発注は指し値注文(売買値を指定した注文)、上下限価格を指定した成り行き注文(その価格条件に見合わなかった場合はキャンセル)で行なわれるとしている。減速として700万円までの取引は自動的に執行される。

また、日本の証券取引所では大きな値動きがあった場合に“ストップ高”または“ストップ安”になり、取引が行なわれなくなるが、Moon Tradeにおいては値幅制限を設けないため、取引所で取引が成立しない銘柄でも取引が行なえるとしている。ただし、店頭銘柄についてはJASDAQ(株式店頭市場機械化システム)の取引最終価格のプラスマイナス7%以内での気配提示となる。決済については取引所における決済(4営業日)よりも1日長い5営業日目としている。

Moon Tradeの参加各社
ゴールドマン・サックス証券と、Moon Tradeに参加するオンライン証券各社

ゴールドマン・サックス証券では、Moon Tradeへの証券会社の参加を引き続き募集するとしており、サービス開始後1年で1日あたりの取引数2万件、1日あたりの取引金額で200億円を目指すとしている。発表会に参加したイートレード証券の尾藤常務は「当社の顧客の注文の4割は、取引開始前に出されており、これは前日の取引終了後に行ないたい注文が朝にずれたものと考えられる。顧客の8割は昼に注文を出しづらい会社員や自営業で、夜間取引の開始はこうした顧客に必ず受け入れられるもの」と、オンライン証券各社は今回のサービス開始を歓迎する姿勢。

なお、ゴールドマン・サックス証券は個人向けに、少額で投資できる金融商品“eワラント”や“ポケット株”も提供しているが、これらについても2001年春以降に取引時間を延長する予定としている。

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