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「物事には順番がある。ERPを抜かしてSCM、eコマースに取り組むなかれ」――SAP

2000年12月13日 19時10分更新

文● ASCII24 Business Center 高島茂男

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SAPジャパン(株)は13日、化学業界におけるERP(Enterprise Resource Planning)の動向を説明した。それによると、売り上げ高1000億円以上の日本企業のうち82パーセントがSAPのERPソフトウェアを導入しているという。また、「物事には順番がある。ERPを導入せずにSCM(Supply Chain Management)やeコマースに取り組むというのはいかがなものか」と、企業内の統合を行なってから次に企業間というように、しっかりと足腰を固めてやっていくのがよいと説明した。


SAPのERPが化学業界の業界標準

SAPは、同社のERPが日本の化学業界において、売り上げ高1000億円以上の企業で82パーセント、全化学企業対象で76パーセントのシェアがあるとし、「業界標準の地位を確立している」(プロセスセクター営業本部、化学担当アカウントエグゼクティブの福田譲氏)という。

化学業界においては全社的に導入する事例がほとんどで、かつ1年~3年の短期間で導入を完了しようという取り組みが多いという。そして「導入の動きは、大手メーカーから中堅クラスへ移ってきている段階にある」と、福田氏は説明した。

imageプロセスセクター営業本部、化学担当アカウントエグゼクティブの福田譲氏

基幹業務システムも作りこみから使い込みへ

福田氏はERPパッケージについて、「すべての業務システムを統合し、リアルタイムに情報を得られるシステムを手作りで作ることは困難」とし、「それがスーツでいうフルオーダーメイドとすれば、ERPパッケージはイージーオーダーの製品」と、語った。

ワープロや表計算ソフトのように出来合いのパッケージを導入するように、“作り込み”から“使い込み”のシステムへの移行と説明した。

この移行にともなって、企業のシステム部門の役割りを「作る」ことから「活用する」ことへシフトする必要があり、プログラミングやデータベース技術、通信技術などはベンダーに任せればよいと述べた。


eコマースへの取り組みには順序がある

eコマースの実現について、「ERPはeビジネスのバックボーンである」(副社長の関谷泰朗氏)という同社の認識を示した。

image「SAPは、ドイツの企業であるという意識を再認識していきたい。堅実な技術、顧客への奉仕の精神を大事にしたい」(関谷泰朗副社長)

福田氏も、「ERPを導入せずに、SCMやeコマースを導入というのは、一体やってどうするのか」とし、企業内(ERP)から企業間(SCM)の統合へと進んでいくのがまともな順序であり、「物事には順番がある。しっかり足腰を固めたうえで取り組むべき」と語り、マーケットプレイスや調達についてはCommerce Oneとの連携を強調し、説明を締めくくった。

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