大手ISPと高速で直接接続を行なうマルチフィード技術によるネットワークを構築し、大容量コンテンツ配信サービスを行なうインターネットマルチフィード(株)(MFEED)は13日、光波による大容量インターネット相互接続(IX)サービスの提供に向けた取り組みを開始すると発表した。光波によるサービスを前提とした分散型IXサービスの開始を2001年1月をめどに予定しているほか、光クロスコネクト技術や光IPルーティング技術を用いた実験用のテストベッドを整備し、国内主要ISP各社と共同実験を開始する。
分散型インターネット相互接続サービスは、将来の光波による相互接続を前提としたネットワークを整備し、拠点間を跨ってISP相互の接続を可能とする本格的な分散型商用IXサービス。同サービスを利用するISPは、千代田区大手町にMFEEDが整備する3接続点のいずれかの1拠点にて接続することにより、ほかの拠点でサービスを利用しているISPともストレスのない安定したトラフィック交換を行なえるという。サービスの提供に当たっては、MFEEDが大容量のコンテンツ配信ネットワークの運用を通じて培ってきた管理運用技術を基盤として、相互接続ネットワークの運用に当たりるとしている。提供開始時期は、2001年1月に試行サービスの提供を開始し、同年4月に本格サービスの提供を開始する予定。なお、サービス開始時には“@nifty”、“BIGLOBE”、“IIJ”、“InfoSphere”、“InterVia/DreamNet”および“OCN”が、主要な相互接続点として本サービスを利用する予定。
光波によるインターネット相互接続方式の共同実験は、MFEEDが商用IXサービスを提供する各拠点にテストベッドを整備して、エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ(株)、日本電信電話(株)、および(株)インターネットイニシアティブを中心とするIIJグループと共同で、最新の光ネットワーク技術に関する共同実験を実施する。具体的には、3ヵ所の実験拠点間を相互に光ファイバーで結び、高密度波長分割多重(DWDM)装置を用いた実験環境を構築する。ここで、実験参加各社の有する先端技術および最新の管理運用技術を持ち寄り、次世代の大容量通信に欠かせない光クロスコネクトなどの光伝送装置、光IPルーターなどの光ネットワーク機器による電気的処理を介在させない光波レベルでの処理技術の検証、および分散拠点数の拡大に際したプロビジョニング技術の検証を行なうという。さらにネットワークの品質・冗長性の確認とともに、管理・運用技術の確立のための各種テストを行なう予定。この実験の成果として、ISPにとっては広帯域を占有可能な相互接続環境を得るとともに、インターフェース(Ethernet(1G、100M、10M)、ATM(OC-12、OC-3)、SDH(STM-4、STM-1)など)についてもISP間で自由に選択可能となる見込みという。実験期間は12月から2002年3月までの予定。実験参加予定社は、(株)エヌ・ティ・ティ データ、(株)エヌ・ティ・ティ・ピー・シーコミュニケーションズ、日本電気(株)、富士通(株)。