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Icewind Dale完全日本語版

Icewind Dale完全日本語版

2000年12月12日 23時00分更新

文● 中村聖司

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Icewind Dale完全日本語版

セガ

9800円

テーブルトークRPG「AD&D」を題材にしたネットワーク対応RPG「Icewind Dale」の完全日本語版がいよいよ発売される。発売日は12月21日、CD-ROM2枚組で価格は9800円だ。セガより発売された正規輸入版(日本語マニュアル付き英語版)のユーザーは2980円で有償アップグレードが受けられる。新規ユーザーは、セガの直販サイト「ドリームキャストダイレクト」による予約購入がお得だ。5%引きで、パッケージイラストが描かれたQUOカード500円分と非売品のメタルフィギュアが付属する。予約締め切り日は12月の14日まで。さあ直販サイトへ急げ!

AD&Dシリーズでは、会話の際に、小説のように話す相手の情景描写が含まれるため、ひとつの会話ごとのテキスト量は長くなりがち。日本語版のありがたみは非常に大きいのだ。
各章の導入部分もすべて日本語化されている。読み上げられる音声は英語版のものがそのまま使用されているため、雰囲気を壊す心配はない。

 BioWareの「AD&D」シリーズで日本語版が発売されるのは、第1弾「Baldur's Gate」に続いてこれが2度目となる。本作は、そのBaldur's Gateから遥か北に位置するIcewind Daleと呼ばれる極寒の地が舞台。システム的にはBaldur's Gateから大きな変化は加えられていないものの、BioWareが誇るグラフィックエンジン「Infinity Engine」にはたっぷり2年分の磨きが掛けられ、本作では、写真の風景と見違えるほどの美しさを実現している。積もった雪が太陽に照らされて少し眩しいような情景や、水たまりにしずしずと広がる波紋の表現など、実に見事に描き出している。



本作は正式サポートはしていないものの、OpenGLにも対応している。OpenGLモードで起動させるためには、対応ビデオカードとGlSetupのインストールが必要になる(詳しくはhttp://www.glsetup.com/を参照のこと)。OpenGLでは、魔法や特殊効果のエフェクトがさらに透明度の高いものになる。

 このようにリアルかつ緻密に表現されたファンタジー世界を、冒険者のひとりとして満喫できるのだから、おもしろくないわけがない。マルチプレイ(2人~6人)で楽しめばおもしろさもひとしおである。ここで捕捉しておくと、作成したキャラクターはシングルプレイとマルチプレイで使い回すことができる。シングルプレイで育てたキャラクターをマルチプレイに使ってもいいし、その逆でもいい。シングルプレイの途中で、キャラクターをインポートしてマルチプレイで遊び、そこで手に入れた武器やアイテムをシングルプレイで使うようなこともできる。この自由度の高さこそがAD&Dシリーズの醍醐味なのだ。

床のツルツル感がきわめて自然に表現されている。揺らぐ炎の表現も見事。

 シナリオ的にも、AD&Dファンにとっては非常に興味深い内容になっており、AD&Dのキャンペーンワールド「Forgotten Realms」を代表する人気キャラクター“Drizzt Do'Urden”を一躍有名にした作品が、同地を舞台にした三部作の小説「Icewind Dale」(R.A.Salvatore著)なのだ。しかし、彼はゲームには登場しない。というのは、本作の設定年代が、彼が当地に赴く前になっているためである。本作には「彼が大活躍する前に当地へ赴き、彼以上の活躍ができる」という含みもあり、それが隠れた魅力にも繋がっている。ゲームシステムに関しては、AD&D 2nd Editionルールそのものが使用されているため、未体験者はまずマニュアルを熟読する必要があるが、そこまでしても楽しむ価値は十分あると言い切れるほどによく練り込まれたRPGといえるだろう。



戦闘はリアルタイムで展開していくが、スペースキーでいつでもポーズを掛けることができ、味方の布陣、敵の位置を確認しながら戦術を練っていくことができる。この個性的な戦闘システムこそがAD&Dシリーズの魅力といっていい。

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